東京時代の山仲間、Iさんと彼の奥さん お二人が亡くなって ちょうど2ヶ月、最近やっとお二人の死を受け止めることができるようになり、本日は彼との思い出を振り返りつつ、哀悼の意を表したいと思います。事故を知った当初は「あれだけ慎重だった彼が山(沢)で亡くなるなんて…嘘だろ!そんなバカな!なんかの間違いじゃないの?
しかも、奥さんのR子ちゃんまで一緒に亡くなるなんて…」と信じられない気持ちで一杯でした。事故の内容は、新聞やテレビ等で発表された範囲内のことしか分からず、詳細は私にもわかりません(ご存知の方がいらっしゃいましたら、教えて欲しいです)。
報道によると…『山梨県丹波山村の大常木谷(おおつねぎだに)では8月26日、男女2人が流されたという通報が寄せられ、警察と消防が捜索を行った結果27日、男女2人の遺体が発見されました。警察で身元の特定を進めた結果、死亡したのは東京・西東京市の国家公務員Iさん(57)と妻で会社員のR子さん(48)と分かりました。警察は転落した様子が確認されていることや遺体の状況などから、2人が沢登りをしていて流されたとみて詳しい状況を調べています。』と。
今月号の山と渓谷(山雑誌)では、死因はIさんが脳挫傷、R子さんが溺死と書かれていました。どちらかが落ちてしまって、どちらかが助けようとしたのか?台風の後で沢は、増水していたと聞きます。事故現場の大常木谷は、関東では非常に人気の高い沢で、かつ遡行グレードも2級(初~中級のお手軽レベル)ということもあり入渓者が多い渓です。どれだけの増水具合だったのか?わかりませんが、数多くの沢を経験してきた彼のレベルからするとまったく問題のない沢で、トレーニングの一環(もしくは、気分転換)で入渓されたのではないでしょうか?決して彼が遭難するような沢ではないのに…。
その亡くなられた友とは、沢登りをされている方なら Iご夫妻のブログ(今井家’s BLOG)をご存知の方も多いと思います。ほんと山と沢登りが大好きなご夫婦で頻繁にブログが更新されていて、山行記録を毎週楽しみにしていました。また彼らも、私のこのホームページを毎週楽しみに見てくれていたようです。彼のブログファンも多く、数々の遡行記録を参考にされていた沢屋さんも多いと思います。「あれ~?最近ブログが更新されていないなぁ~?どうしたのかな?」と心配していたのですが、まさんかこんなことになるなんて…。
亡くなられた今井さんとは大学も一緒、年齢も一緒、社会人山岳会でも一緒(同期入会)で、お互い沢登りが好きだったこともあり(私が東京にいた20年以上前の頃になりますが)頻繁に一緒に沢や山へ行っていました。私が岩手に戻ってからも秋になると、今井ご夫妻はじめ山岳会の仲間達が東北へ来られて、私がお勧めする「みちのくの沢」を案内するのが毎年恒例になっていました。
岩手、秋田、宮城の名渓をあちこち案内したっけなぁ~!お礼(ガイド料?)はいつも日本酒でしたが…。最近では(去年だったかな?)、岩手の焼切沢へ行きたいと思っているけど、テント張れる場所あるかな?装備は?」とのご質問メールを頂戴したばかりでした。東京と岩手、離れてはいますが、年賀状は毎年頂いていました。
私がパソコンスクールむげんの会社を立ち上げた時も、今井ご夫妻はじめ東京時代の山仲間達(計9名)が遠路はるばるお祝いに駆けつけてくれたっけ。初日は宮城県は二口山塊の大行沢を案内し、夜は二口バンガローで「パソコンスクールむげん設立のお祝い」を盛大に催してくれました。一生忘れられない良き思い出です。皆がお金を出し合ってチタン合金のピッケルを開校祝いにプレゼントしてくれてね…私の大事な大事な宝物です。翌日は、二日酔い状態で鳴虫沢を遡行(案内)したっけ。
そういえば、南アルプスの栗代川(4級上)には二人で行ったっけ。彼にしてみれば車を買ったばかりの初の遠出であり(助手席にいた私は、沢より緊張し恐怖を覚えた)、また泳ぎが苦手な彼してみれば大きな挑戦だったと思います。お盆休みに仲間を引き連れて利根川本谷(5級)を遡行したものの、全然物足りなくって「その不足感を満たしたい!」と思い、その翌週に栗代川の遡行計画を立て、ダメもとで彼を誘ってみた所、二つ返事でOKをもらいビックリしたのを覚えています。彼は、恐い沢へ行っても、悪天に遭っても、どんな状況でも、いつも太陽のようにニコニコ楽しそうにしていました。
そうそう、もう時効だから告白しちゃいます。彼には「絶対に誰にも内緒だよ!酔いどれ日記にも書いちゃダメだよ!」と口止めされていましたが…。あれは確か16年前のことになります。私と一関のOさん(男性)と北上のRさん(女性)の三人で八幡平の南白沢を遡行した時のことです。沢の入口の駐車場で待ち合わせると、Oさんが「あちゃ~大事なもの忘れたじゃ~!渓流シューズ忘れてしまった…」との爆弾発言!え~!と超ビックリする私とRさん。「どうすべ~!」「俺、ズック(運動靴)で登るから。申し訳ないけど酔いどれさん、全部リード頼むね!」と。「リードするのは全然構わないけど、ベテランのOさんとはいえ、ズックで本当に登れるの?」と心配してみたものの「大丈夫!大丈夫!」と本人が言うので出発することにしたのです。
「いや~ズックじゃ、やっぱ滑るじゃ~!」と嘆きつつも笑いながらどんどん登ってくるのだから、Oさんは凄い人です。そんなハンディーもあり登山道に出たのは夕方になってしまったのです。私は一刻も早く下山したかったのですが、Oさんが「まずは腹ごしらえすべじゃ~!」と彼のザックからたくさんの焼肉セットが出てきた時にはビックリしました。こんな重いものを背負って、しかもズックで遡行していたのか…恐るべしOさん。この時間なら誰も登山者は来ないだろうからと、登山道のど真ん中で焼肉パーティーをしていたのです。
そしたらビックリ!なんと登山者(2名)やってきたのですよ…。「ヤバイ!道を空けなきゃ!」と慌てて焼肉セットを片付け始める私達。すれ違いざまに「こんにちは~♪」とお互いに声を掛け合いました。私は片付けに忙しくその登山者の顔を見る余裕がなかったのです。すれ違って10歩ほど先を行ったそのお二人が急にこちらを振り向き「あれ?もしかして、酔いどれさんじゃないの?」「う、う、うっそ~!もしかして今井さん?」。なんとお二人は遠路東京より岩手八幡平の山を縦走しに来たとか(怪我後のリハビリ山行って言ってました)。
しかも、山岳会には内緒のお忍び山行だとか(結婚する前のデート山行で交際していたことも内緒にしていたと推測)。「東京と岩手、しかも、こんな広い八幡平で偶然出会うなんて~!今井さん、悪いことは出来ないねぇ~!悪事はバレルんだよ!わかったか!ヒュ~ヒュ~♪」とお二人を思いっ切り冷やかしたっけ。「頼むから、内緒にしてくれ~!」と懇願され、16年間誰にも言わずにいました(約束は必ず守る律儀な私です)。「せっかくだから、焼肉パーティー一緒にやろうよ!」と私達の輪に加わり楽しいひと時を過ごしました。
下田山塊(新潟県)の光来出沢に彼含め三人で行った時は、遡行中三日間とも全日雨だったなぁ~!下山と同時に晴れたっけ。彼との思い出は、まだまだたくさんあって語り尽くせないほどです。いつもニコニコして明るい方でした。奥さんもケラケラよく笑う笑顔が素敵な女性でした。人が羨むほど仲の良いご夫婦でした。もっともっと、お二人で色んな山や沢を登りたかっただろうに…。また焚き火を囲んで沢で一緒に飲みたかったなぁ~。安らかにお眠り下さい。お二人のご冥福を心よりお祈りいたします。PS.上の写真は、その大行沢にて(中央黒のポロシャツが私、中央水色のTシャツが今井さん、撮影者は今井夫人)。真ん中の写真は、二口のバンガローにて(前列中央が今井ご夫妻)。下の写真は、二人で行った南アルプスの栗代川にて頑張る今井さん。
本日は秋晴れで絶好の登山日和!山へ行くぞ~♪との気持ちと裏腹に盛岡市内の温泉、喜盛の湯にて朝8時から夕方4時まで、ず~っと読書(さとうみつろう著の『神さまとのおしゃべり』)と湯治三昧をしておりました。久し振りです!休日にこんなにのんびりしたの。こんな日がたまにはあって良いかもしれませんね。なぜ、山へ行かなかったのか…?それは…
かれこれ10年以上(もっとかな?)、山仲間達と週に一度 毎週水曜日の13時~14時の1時間、みたけの運動公園のボルダリング場にてクライミングの練習に励んでいます。クライミングの向上だけでなく情報交換の場であり、気分転換の場でもありサロン的な雰囲気で楽しく仲間達と登っています。
あれは17日(水)のこと…いつものように登っている最中にもう一手でゴールというところでフォール!変な落ち方をしていまい(不意を衝かれ突然落ちてしまった)、左足首と腰に強い衝撃を受けました(落ちる際、巨大なホールドに激突)。しばらく、身動きできないほどの痛みで仲間が心配して「大丈夫?」って気遣ってくれました。
仲間達を心配させたくない一心で「大丈夫、大丈夫!大したことないよ!」と言ってはみたものの、痛くてとても登れる状態ではありませんでしたので「今日は、これから仕事があるので早目に帰るね!」と皆に嘘をついて帰宅することに。その日は、夜8時までビッシリ仕事が入っていましたので病院へは行けず、明朝18日(木)に朝一番で近所の病院へ行って診てもらうことにしました。
また左足首か…今度で4回目だなぁ~!私は過去左足首を3回も骨折しているのです。雪山で2回(単純な骨折)、クライミングで1回(複雑骨折で手術をし2ヶ月の入院)。過去の経験から、骨折すればどのような状態になるか?分かっていましたので、腫れ具合から推測して「折れてはいないだろう!良くて捻挫、悪くてヒビかな」と思っていました。
帰宅後も、痛くて階段の上り下りがシンドイ…どうしても外出しなければならない時は、松葉杖を突いて歩きました。左足首だけでなく腰も強打し痛くって(寝返りが打てない)…。翌朝、朝一番で近所の病院にて左足首と腰のレントゲンを撮ってもらいました。結果、骨には異常がないことが判明し安堵、痛み止めと湿布を処方をしてくれました。スーパーなどお店で松葉杖を突いて歩いていると皆さん、とても親切にしてくれて「人の温かさ」を感じました。
捻挫ってタチが悪いなぁ~!こんなに痛むものなのか…。つくづく今の仕事が、外での現場仕事ではなくて良かった!と思いました。この足の痛みでは、とても現場仕事は無理…。室内(パソコン教室内)であれば、生徒さんに迷惑かけることなく授業(仕事)に励むことが出来ますゆえ。怪我をして今日で四日経ちましたが、徐々に痛みが和らぎ良くなっているのが分かります。昨日あたりからやっと松葉杖なしでもどうにか歩けるようになりました。我ながら回復力の早さには驚嘆しています。
完治するまで山には行けないなぁ~!沢納め後の事故だったことが、不幸中の幸いでした。完治するまでの間、読書やパソコンの勉強に励みたいと思います。このところ、仕事と山の忙しい日々がず~っと続きましたので「ゆっくり休みなさい!」との「神様の思し召し」だと思って前向きに捉えるようにしています。普段、歩けることが当たり前と思っていましたが、今回の怪我で「元気で歩けることのありがたさ!」を思い知る経験となりました。ほんと怪我をして健康のありがたさを痛感します。PS.当パソコンスクールむげんの生徒の皆さん!パソコンの授業は、従来通り問題なく対応していますので、ご心配なく~!
14日(日)は、Fちゃんと一ヶ月振りのデートの日でした。紅葉シーズンですので「紅葉デートがいいよね♪」って、ことで「紅葉ハイキング+温泉+グルメ」を堪能できるプランを考えました。この日は、田沢湖駅に9時待ち合わせ!私の車(アクア)でまずは乳頭温泉へ向かい空吹湿原のハイキングコースを歩くことにしました。
この周回コースは、ゆっくり歩いても1時間ほどですので体力のないFちゃんでも大丈夫そうです。ちょうど紅葉が見頃で美しいのなんのってぇ~♪まるで宝石箱散りばめたような美しさでしたよ。日曜日ということもあってか、たくさんの登山者で賑わっていました。ブナの紅葉がほんと見事で、Fちゃんも大喜び!
その後、鶴の湯別館にてランチタイム♪以前よりここの名物「山の芋鍋膳(1,550円)」を食べてみたいと思っていたのです。何といっても囲炉裏を囲んで食べられるのが魅力です。とても人気が高く日曜日は混む!という話を聞いていましたので、開店と同時の11時に入店しました。食堂のお部屋には仕切りで区切られた囲炉裏がたくさんあって、とても落ち着く雰囲気です。窓を覗けば庭の紅葉がこれまた素敵♪さっそくお上さんが囲炉裏に炭火を入れてくれて、暖か~い!なんとも言えぬ幸せなひと時♪
いよいよ、メインの「山の芋鍋膳(1,550円)」が運ばれてきて「いただきま~す♪」。いやはや、これがまた美味しいのなんのってぇ~!落ち着いた空間で美味しい食事を堪能!まさに至福のひと時です。アツアツのお鍋のお陰で体がポカポカと温まりました。
お昼の時間になると、次々とお客さんが増えてきました。鶴の湯別館での食事「また来たいな♪」って思いました。食事の後は、鶴の湯本館の方へ足を伸ばしましたが、こちらは凄い人(観光客)で駐車するのが一苦労するほどでした。あまりの人の多さに入浴する気になれず…。
その後は、抱返り渓谷へ行きましたが、こちらも紅葉シーズンということもあり凄い人でした(臨時駐車場に車を停めたほど)。ただ、紅葉の時期にはまだ早く、いま一つでしたが、それでも渓谷美を堪能しながの散策は楽しいものでした。抱返り渓谷は東北の耶馬渓と称され、両岸の原生林と岸壁にかかる滝や独特の青い渓流がとても美しく、新緑と紅葉の名所です。紅葉は、今週~来週末あたりが見頃なのかもしれませんね。あっという間に時間が過ぎ去り、お別れの時間になりました。遠距離恋愛ゆえ月に一度の貴重なデート!今回は晴れてくれて良かったです。お陰で楽しい思い出がまた一つ増えました。PS.今回撮影した写真を『酔いどれ画像掲示板』に掲載しました。ご興味のある方は、ご覧下さいねぇ~♪
● 『画像掲示板』紅葉デート
昨日15日(月)は、お部屋の大掃除をしてコタツを出しました。それと、夏物の衣類を全て片付けて冬物を出しました。これがまた、結構な重労働で大汗をかいてしまいました。でも、綺麗に片付いたお部屋は、とっても快適で気持ち良いです。何といっても、コタツが最高♪パソコン教室のお部屋にもコタツを出しました。コタツでパソコンを学べるスクールは、全国でも当校だけだと思います(特に女性の生徒さんに大人気なんです♪)。
13日(土)は、2年前の2016年に開拓された安比の新ルートを歩いて参りました。その新ルートとは、安比高原スキー場の前森山~西森山~屋棟岳~大黒森~恵比寿森~茶臼岳を結ぶコースです。以前より「行こう行こう!」と思いつつ、延び延びになっていたのです。午後から仕事(授業)が入っていましたので、午前中勝負の即効登山になりますが、行って参りました。
今回は時間的制約があるため、行きも帰りも安比高原のゴンドラを利用!屋棟岳までのピストン縦走にしました。午後の授業開始時間までには、絶対に戻らなくてはなりませんので…。ゴンドラ料金は、往復で1,600円(片道だと1,300円)。300円しか違わないのであれば、往復利用した方が良さそうです。以下、安比高原リゾートのホームページより抜粋いたします。
『ゴンドラに乗車すること約15分。ゴンドラ山頂駅からは遊歩道に沿って標高1,304mの前森山山頂へ。山頂からは眼下に広がるブナの二次林や岩手山・八幡平・七時雨山・姫神山などの大パノラマを楽しめるほか、天空ガーデンとして、前森山スカイデッキや、雲海カフェなどをお楽しみいただけます。
そして時には、幻想的な雲海が見られることも。夜から朝へ気温が上がる頃、雲海が見られるチャンスがもっとも高い時間帯です。この雲海を見に行けるよう、2018シーズンはゴンドラ営業開始時間を早めて営業いたします。また、安比~八幡平へのトレッキングにも便利、その他愛犬とご一緒の乗車も可能です。安比ゴンドラは日本経済新聞社「NIKKEIプラス1なんでもランキング」において、全国100ヶ所以上のロープウェー・ゴンドラの中から「絶景がお得なロープウェー」全国第4位となったこともあります!』
「こんなに楽して山を登って良いものか?」と罪悪感を感じましたが、今は、時間(労力も)をお金で買う時代ですから…。前森山の山頂からの展望が、とっても素晴らし~い♪岩手山がバッチリ!雲海も見れて感動しました。ゴンドラ代1,600円の価値はあります。多くの方は展望台で景色を楽しみ、直ぐに帰っていきました。西森山へ向かって縦走したのは、私一人だけです(縦走の帰り道で登山者5~6人に会いましたが)。
前森山で 標高が1,303.8mもありますので、絶景を満喫しながらの稜線漫歩を楽しめると思って期待していたのですが、それ以降は、ほぼまったくといっていいほど「展望なし」の山歩きが続きました。ほんと黙々と歩くだけですが、紅葉を楽しめたのが幸いしました。
登山道はとても綺麗に整備されていて、蜘蛛の巣が張れないほど幅広く快適でした。ただ…刈払い後に笹の切り株が、まるで彫刻等のように鋭利になっているところもありましたので、もし転んだら痛い思いをすると思います。本当は茶臼岳まで足を伸ばしたかったのですが、時間的に無理だと判断しました。全行程4時間弱のお手軽ハイキングでしたが、良い気分転換になりましたよ♪明日14日(日)は、Fちゃんと乳頭温泉にて「紅葉デート」です。紅葉ハイクと温泉とグルメを堪能する予定です。デートの詳細と結果は、後日の日記にて。PS.今回撮影した写真を「酔いどれ画像掲示板」に掲載しました。ご興味のある方は、ご覧下さいねぇ~♪
● 『画像掲示板』安比の新コース(屋棟岳)
前回の日記の続きです。林道歩きの末、どうにか12時前に二口沢に降り立ち遡行開始する私達(出発自体が遅かった)。本日は、桂沢出合付近にテントを張る予定なので、パートナーのSさんにモデルになっていただき写真撮影に励みながらのんびり遡行します。過去三度入渓済みの小松原沢出合いまでは一緒なので、気が楽です。
今回で4度目ということもあり、さすがに全ての滝を覚えていました。「この滝は、ここから直登出来るよ!」てな具合に。この沢がはじめてのSさんは、「ほんと綺麗な沢だね!素敵な沢だね♪」と喜び感動してくれて「私のセレクトには間違いなかった!」と嬉しく思いました。
これで風がなかったら最高なのに…と思ったものの、贅沢は禁物!充分満足です。ナメと滝が交互に出てきて飽きさせない秀渓です。何よりもナメと紅葉のマッチングが美し~い!新緑時期も美しいですが、秋もまた素晴らしいです。そうこうしている内に、桂沢出合い側の天場(幕営場所)に到着!時間はまだ早いですが、この先快適な天場はないようです。右岸の広くて超快適な天場で、まさに極上物件!まずは、軽く日本酒で乾杯し一休みした後に焚き火用に薪を集めました。台風の影響による強風は、おさまりそうにありません。山火事にならないように充分気をつけないとね。しばらくここに泊まった人がいなかったのか?直ぐに大量の薪を集めることができました。
強風にあおられ焚き火は、まるでジェットバーナー状態!飛び火しないように風が弱まるまでは地味に、そして、風が止んだ4時半以降は盛大にガンガン燃やしました。焚き火と豪勢な食事を囲んでの宴会は、まさに沢納めにふさわしく楽しいひと時でした。晩のおかずは「きのこのアヒージョ」を初めて作ってみましたが、これが中々評判が良かったです。ぶなシメジとマッシュルーム、ベーコン、アスパラ、それにモランボンのアヒージョの素を混ぜて煮るだけなんです。お酒のおつまみにピッタリ♪その他、チーズの生ハム巻き(間に大葉を挟むのがミソ)、それとスペシャルカレーも作りました。道理で荷物が重いわけです。焚き火は、心まで温めてくれます。
翌朝、すっかり寝坊してしまいました。5時に起きる予定が、目を覚ましたら5時30分近くになっていたのです。朝飯は、その昔、山仲間のタラさんから教えていただいた「玉子スープのリゾット」です。朝からお米を焚いてアツアツを食べます。沢納めですので、豪勢にチャーシューをふんだんに乗せました(メンマを乗せても美味しい)。寝坊しましたが、素早い行動で6時50分には出発することができました。天場から20分ほどで小松原沢出合、ここは右岸の支流、小松倉沢へと進みます。ここから先は、私にとって未知の世界!とてもワクワクしました。
その後、直ぐに小松倉沢の核心部である大滝(20m直瀑)に到着!登った記録はあるらしいけど…ヌメっていて(しかもシャワーを浴びる)、とても登る気になりません。ちょっと戻り右岸小尾根沿いの踏み跡を利用し高巻きました。記録によると大滝の上にも8mと12m滝が連続しいててゴルジュ帯になっているとか。ここはまとめて高巻くことにしました。その小尾根をどんどん登り稜線まで出て(傾斜が強く重労働)、斜面から(手前側の)尾根へと下りました(稜線からの下りは、踏み跡不明)。そしたら、ゴルジュ帯の途中に降り立ったみたいで、滝は予想に反し超ヌメヌメで登れず、草付きの急斜面のトラバースを強いられ…どうにか本流に復帰しました。もうちょっと上流側に降りれば良かった。
大滝とゴルジュ帯を抜けると沢は穏やかになり、ナメと苔むした美しい渓相に心が和みます。ツメは、大したヤブ漕ぎもなくパヤパヤの笹を掻き分け登山道にポンと出ました。仙台神室の山頂までは、急登ですが直ぐです。登りながら望む光り輝く山腹の紅葉が実に見事で見惚れる私…。まるで宝石箱のような美しさに感動♪山頂を踏んでちょっとのんびり過ごした後は、南沢へと下降します。山頂の北尾根に道があり辿っていきますが、直ぐに行き止まりとなりました。いよいよ、ヤブに突入です!背丈を没するヤブ(特に最初の10~15分、その後、多少歩きやすくなる)で沢へ降りるまでのルートファインディングが核心部かもしれません。
所々ピンクテープの残骸がありましたが、いつの間にか消失してしまいました。その北尾根から北東方面の斜面を下ったのですが、これがまた急傾斜でして…しかも、なかなか沢形が出てこないのです。やっと水が現れてホッと一安心。本流に下りてからは直ぐでした。結局、山頂から南沢の出合まで2時間15分で下ることができましたが、実際よりも ず~っと長く感じられました(感覚的には3時間以上)。
ヤブと急傾斜とヌメリで歩き難い部分はありますが、2時間ちょっとで下れる魅力は大きいです。南沢の出合いに降り立ってからは側の枝沢をツメて林道に出ました。そこから秋保ビジターセンターまで6.4キロ(1時間20分)の林道歩きが堪えます。13時40分、駐車場に到着!本日は約7時間の行動でした(休憩含む)。
帰路、秋保温泉の神ヶ根(かんかね)温泉にて汗を流しました。高額な秋保温泉にあって500円で入浴出でき(石鹸とシャンプー、ドライヤーあり)、しかも空いています。しかし、シャワーが一つしかないので混んでいる時は争奪戦になるかも知れません。祝日にもかかわらず最初は貸切、後に二人ほど入ってきましたが、混んでいなくて
のんびり入浴出来るのが魅力だと思いました。ほんと楽しい二日間でした。Sさん、ありがとうございました。これで今シーズンの沢は、お終いです。これからは、雪山モードに突入です。PS.上の写真は、天場にて。真ん中の写真は、大滝にて。下の写真は、仙台神室の山頂にてSさん。今回撮影した写真を『酔いどれ画像掲示板』に掲載しました。ご興味のある方は、ご覧下さいね♪
● 『画像掲示板』 二口山塊・小松倉沢 後編
二口山塊・二口沢 小松倉沢遡行~南沢下降にて撮影した写真(前半編)を『酔いどれ画像掲示板』に掲載しました。ナメが美しい沢です。ご興味のある方は、以下リンクをクリックしてご覧下さいねぇ~♪
● 『画像掲示板』 二口山塊・小松倉沢 前編
体育の日の三連休、ここ極寒の地・北東北では、毎年 沢納めの時期になります。台風25号の接近により山行計画は二転三転するハメになりました。今シーズン、面白い沢かどうか?分からない新規開拓の要素を多分に含んだ沢(私の我がまま)にたくさんお付き合い下さったSさんに感謝の気持ちを込めて、沢納めにふさわしく「確実に楽しめる(有名どころ)の沢」にしよう!と心に決めていました。
出来ることなら、私が遡行していない沢であれば、さらに嬉し~い♪てなことで、さんざん考えました。特に北東北の沢に関しては、登山体系に記載されている主な沢は、ほぼ入渓済みなのです。で、以前より目を付けていた(チャンスを伺っていた)青森県の突端、下北半島の沢に決定!この沢は、下北半島で一番美しく楽しめる沢のようで楽しみにしていました。
この沢なら、Sさんも私も絶対に楽しめるだろう♪と確信。そして、計画書も作成済みでSさんも私も出発の日を楽しみにしていたのです。ところが…出発の2日前にどうやら台風の進路が下北半島を通過し大荒れになるらし~い!ということが判明!山行計画の変更を余儀なくされたのです。う~ん!困った!どこに行こう?天気予報によれば、青森・秋田・岩手の北東北三県のお天気は悪いですが、南東北(宮城、山形、福島)の三県のお天気は、まずまず良いみたいです。
となれば、お天気の良い所に行くしかありません。で、最終候補に挙がったのが、山形県は蔵王の小屋ノ沢本流と、宮城県は二口山塊の小松倉沢の二本!う~ん!どっちにしようかなぁ~?小屋ノ沢本流は、蔵王を代表する名渓で1999年に北上のS先生達と入渓済みです(沢納めで)。あれから19年、また入渓してもいいかな?という気持ちがありました。一方、小松倉沢は二口山塊の名渓、二口沢の支流。標高870mの二俣で右俣が沢のガイド本に紹介されるほど有名になった小松原沢、左俣が今回遡行しようと考えている小松倉沢なのです。
右俣の小松原沢は、過去三度入渓済みです。2002年(単独)と2010年(単独)と2011年(沢ガイドでお客様を連れて入渓)です。私の超お気に入りの沢で、過去三度も入渓する沢って、あまりなんですよ。まさに「癒し系」の沢で沢納めにピッタリ♪でも、過去三度も入渓しているので小松原沢は勘弁!左俣の小松倉沢(仙台神室に突き上げる沢)なら未遡行だし、下降に南沢を絡めれば入渓してもいいかな?と考えました。迷った挙句、蔵王の小屋ノ沢本流より近場で時間的に余裕が持てる二口山塊の小松倉沢遡行~南沢下降することに決定!
沢納めですしガツガツ登るより、のんびり・まったりと癒されながら楽しく遡行したいな♪という気持ちがありました。そうそう、出発前に分かったことですが、二口林道が工事中のため秋保ビジターセンターから先が通行止めとのこと。日曜日のみ(平日と祝日 不可)磐司岩の展望所まで通行可能(従来の糸滝沢のゲートより1.4キロ手前)。
よって、往復11キロ(2.5~3時間)の林道歩きを強いられることになります。従来の糸滝沢のゲートまで車が入れて、かつ足の揃ったパーティーであれば日帰り山行も可能のようですが、余分な林道歩きの2時間半~3時間が加算されることにより、一泊二日が無難と判断しました。
この林道(舗装)工事、来年(2019年)の7月末まで続くようです。本日この林道を管轄している宮城県林業振興課に電話で聞いてみたところ、来年の夏(予定では7月末)以降は二口から山寺に通じる峠越えの林道が通れるようになるとのことでした。但し、雪によるガードレール破損や道路の決壊等により工事の進捗状況が変わるため、具体的な日にち(開通日)については明言出来ないとのことです。このルート(林道)が開通すれば、わざわざ南沢を下降しなくても(または、下山時に長~い林道歩きをしなくても)、車2台で行って一台は入渓口に、もう一台は下山用に二口峠にデポすれば、かなり時間短縮が可能になりますし、楽できると思います。
小松原沢も小松倉沢も全体の半分以上がナメとナメ滝で構成されている沢で、とても美しい名渓なのですが、どちらも下山路がネックになっていました。来年、林道が開通すれば、アプローチと下山が楽になることにより、入渓者が一気に増えるかもしれませんね。7日(日)朝8時に北上江釣子ICにてSさんと合流し、一路
秋保温泉の先にある二口渓谷を目指しました。二口山塊の沢を訪れるのは、2014年の沢屋交流会(鳴虫沢)以来でしょうか。磐司岩の展望所のゲートより歩き始めたのが、昼時の11時20分でした。台風の影響で風が強いのなんのってぇ~!まさに突風状態!「ヒェ~!沢の中でもこんな強風が吹くなんて~!」とちょっと心配になりました。続きは、後日の日記に続きます。お楽しみに~♪
最近読んだ様々な本の中で、とっても感動した一冊をご紹介いたします。重松清著の『とんび』です。テレビ(TBSとNHK)でドラマ化されましたのでご存知の方も多いと思います。この本の存在を知ったのが、ホリエモンこと堀江貴文著の『ゼロ』で、その本の中で「とんび」が紹介されていたのです。以下、抜粋いたします。
『刑務所に収監されていた間、僕は1000冊に及ぶ本を読んだ。小説からノンフィクション、伝記物から歴史物、ベストセラーからマニアックな学術書まで、せっかくの機会だと思ってとことん読み漁っていった。その中で、僕がもっとも感動した小説はなにか?これは間違いなく、重松清さんの『とんび』である。収監中の感傷的な気持ちも手伝ってか、本を読んでこれほど泣いたことはない、というくらい滂沱の涙を流した。』
1年9ヶ月の刑務所生活で1000冊もの本を読破した彼が、お勧めする本ならばぜひ読んでみよう!と思ったのがきっかけでした。何を大袈裟な…と半信半疑に思って図書館から借りて読んでみた所…本当に泣けた!思いっ切り泣いてしまいました。こんなに涙を流したのは、一体いつ以来だろうか…と思うほどに。ホリエモンが「滂沱の涙」と語ったのも、きっと大げさではないのだろう!と思いました。
著者の重松清氏自らの幼少時の体験を小説にしたものらしいですが、舞台設定が私が生まれた昭和37年と同じだったことも、私の幼少時代と重なり、感慨深いものがありました。さらに、主人公のヤスさんは、亡き私の父と重なる部分があり、読みながら何度 涙を流したか分かりません。不器用で愛情表現が苦手、怒ってばかりいた所は、昭和一桁生まれの亡き父と「まさに一緒だなぁ~!」って思いました。
どんな物語かって?以下、Amazonの紹介文を転載します。『昭和三十七年、ヤスさんは生涯最高の喜びに包まれていた。愛妻の美佐子さんとのあいだに待望の長男アキラが誕生し、家族三人の幸せを噛みしめる日々。しかしその団らんは、突然の悲劇によって奪われてしまう―。アキラへの愛あまって、時に暴走し時に途方に暮れるヤスさん。我が子の幸せだけをひたむきに願い続けた不器用な父親の姿を通して、いつの世も変わることのない不滅の情を描く。魂ふるえる、父と息子の物語。』
独身で子供のいない私でさえ、感動のあまり一気に読んでしまったほどですから、子供がいる人にとっては、もっと感動し感慨深く感じると思います。本を読み感動のあまり「どのようにドラマ化されているのだろう?」って興味を抱きました。読後、早速レンタルビデオのツタヤに行って、TBSのビデオ全6巻とNHKのビデオ2巻の計8巻を借りて観ました。ビデオを見て、さらにまた泣いてしまいました。「幸せってなんだろう?家族ってなんだろう?」って、心から感動できる素晴らしい一冊です。ぜひ、皆さんにもお勧めしたい良書です。
9月18日の日記に書きました首記の「幻のハイキングコース」の後編です。今回は、鉛温泉から鍋割川の徒渉点までの区間を歩いてみました。果たして廃道状態の(かつ記録がほとんどない)幻の登山道をどこまで解明出来るかなぁ~?鍋割川徒渉点から、またヤブを漕いで来た道を戻るのも芸がいないので、まったく記録の無い枝沢を詰めて大森山方面へツメ上げ鉛温泉へ至る周回ルートを考案しました。
まさに未知なるものへの挑戦!「アドベンチャー」気分でワクワクしました♪そうそう、9月31日(日)は台風の影響で山行は危険と判断し、30日(土)の午前中の仕事の空き時間を利用し即効で行って参りました。始めて入る山で、しかも道を探しながらの登山になるため、時間が読めず…よって、早めの行動で6時30分には鉛温泉スキー場に車をデポし歩き始めました。
まずは、廃道に近い林道を進みます。奥に進むにつれてどんどんヤブが濃くなりますが、踏み跡は明瞭でしたのでどうにかなりました。途中何箇所か林道分岐がありましたがGPSで方角を定め歩を進めていきました。ヤブの林道が、やがて登山道に変わりましたが、こちらの方がヤブが少なくて快適に歩けました。途中2箇所ほどに朽ち果てた金属板の道標が登山道に落ちていました。「やっぱりこの道で正解だったのだ!」と安堵しました。
452m峰南斜面の390mコルまでは踏み跡がシッカリしていましたが、そのコルをから先は消失してしまいました。aoiさんの記録を元に東南方向に伸びる沢へ降りてみると沢沿いに道があることが判明しました。しかし、その道が崩れていて歩き難い箇所が多く、沢通しに下降した方が楽だし早いです。滝はまったくなくナメとゴーロの沢で快適に歩くことができました。もう直ぐ鍋割川本流に到着する所で、完全に道を見失いました。おそらく、本流を下降するのではなく、山腹沿いにトラバースしながら進む道があるのだと思いましたが、探すのも面倒なので、そのまま鍋割川の本流を下降し前回の到達点である鍋割川徒渉点(朽ちた橋のあ場所)に到着しました(鉛温泉スキー場車デポ地より1時間45分)。
ここから先は、大森山目掛けて西方向に伸びる枝沢を遡行しました。440mのコルまでは、ヤブ漕ぎなしで快適だったのですが、そのコルから先が結構ヤブがひどく大変でした。せっせとヤブを漕いでいたところ、突然踏み跡を発見!超ラッキー!まさに奇跡です。大森山の山腹をトラバースするように付けられていました。そのかすかな踏み跡を辿って行くと林道にポンと出ました。林道と言っても廃道同然のヤブだらけの林道ですが、踏み跡はハッキリしていました。
その荒れた林道を下って車デポ地の鉛温泉スキー場へ戻って参りました(全行程3時間40分)。全行程の半分以上は沢の中を遡行していましたので、渓流シューズか渓流足袋は必須アイテムとなります。
下山後は、盛岡市内の幸楽苑で期間限定の「青森初!煮干らーめん(561円)」と餃子を食べ、お昼の12時には無事帰宅することが出来ました。短いながらもプチ冒険気分を味わえて、とても楽しい山行でした。2回に分けて踏破した「幻の台・鉛温泉ハイキングコース」、車2台で行けば楽勝で日帰り山行出来ることがわかりました。今後、このルート、復活することはないのかなぁ~?温泉と温泉を繋ぐルートって、なんか素敵ですよね♪
PS.「酔いどれ画像掲示板」に今回撮影した写真を掲載しました。ご興味のある方は、ご覧下さいねぇ~♪先週、盛岡市内の味勢(居酒屋)で一緒に飲んだ東京の社会人山岳会・わらじの仲間さんと鈴蘭山の会さんの八幡平の沢での山行記録がアップされていました。私のことも触れてくれていて感謝です。写真がとても綺麗で、かつ文章がとても面白くてお上手!沢だけでなく文才もあるなんて素晴らしいです。以下にリンクを貼っておきましたので、ご興味のある方はご覧くださいませ~!。
● 『画像掲示板』幻の台~鉛温泉コース 2
● 『わらじの仲間』憧れの新幹線の旅