酔いどれ日記 2019年6月

  1. HOME
  2. INDEX
  3. 翌月
  4. 前月

6月27日(木)
電子書籍化の道 その2

前回の日記の続きです。電子書籍を作ること自体は、ホームページを作ったことがある人であれば(HTMLとcssの知識があれば)簡単に作れます。ホームページを作るより、よほど簡単です。電子書籍化した本をホームページ上で「どのように見てもらうか?」という問題にぶつかりました。

電子書籍を読むためには、一般的にはアプリをインストールしたりアドオンをブラウザに組み込んだりしなければならず「誰もが直ぐに簡単に読める!」というわけではありません。知識のある方であれば問題ありませんが、高齢者の方や知識のない方でも、クリックしたら直ぐに読める状況にするのはどのような方法があるだろうか?と模索しました。

ネットで検索していると「BiB/i(ビビ)」という優れモノを発見!日本電子出版協会のHPには、次のように紹介されています。「BiB/i(ビビ)はEPUB3に準拠したオープンソースのWebサイト設置型ビューワー。WebページにEPUBを貼り付け、すぐに電子書籍を公開できる。JavaScriptで作られたブラウザ・ビューワーのため、PC、スマホ、タブレットを問わず様々な端末で動作。JEPA 電子出版アワード2014にて選考委員特別賞を受賞。」

その特徴は…「ウェブページやブログ記事にYouTube動画を貼り付ける感覚でEPUBを公開することができ、JavaScript で作られているため、ブラウザだけで動作する。ユーザーは特別なビューワー・アプリをインストールすることなく手軽に利用できる。Safari、Chrome、Androidブラウザー、Opera、Firefox、Microsoft Edge、Internet Explorerなどの主要ブラウザと互換性がある。BiB/iを使う最大のメリットは、EPUB が公開されているウェブサイトで、そのまま EPUB を読めることである。」凄いぜ、BiB/i~ ♪

私のサンプルサイト内で試しに実験してみました。一発で成功!とても簡単に設置できました。著作権の切れた本(芥川龍之介著の藪の中)の文字データをsigil(シジル)という電子書籍作成アプリ(ePUB化)を使って電子書籍化(表紙や目次もちゃんと作りました)、その後、BiB/iを自分のサーバーへ組み込み、先に作成したePUBファイルをアップロード、そして私のサンプルサイトにURLを貼り付けてみました。

おぉぉ~!ちゃんと電子ブックとして表示されてるぞ~!これには、感動♪ちなみに、①こんな感じ(藪の中・ePUB)で読むことが出来ます。ついでに、この「酔いどれ日記」の一部も実験で電子書籍化してみました。②こんな感じ(酔いどれ日記・ePUB)で読むことが出来ます。

「酔いどれ日記」の方は、横書きバージョンで作成し、さらにスタイルシートを駆使!パソコンでは写真幅が50%、スマホでは100%で表示されるように作ってみました(メディアクエリ)。試行錯誤したcss(スタイルシート)!ここでのポイントは100%(単位を%)では何故か上手くいかず、100vw(単位をvw)に変えたところ上手く表示されました。このBiB/i、ほんと素晴らしいです。欲を言えば「しおり」機能や「音声読み上げ」機能があれば最高だったんだけど…。それと、Ctr+Fキーで文字検索をすると、該当文字が黄色でハイライトされますが、各ページへのジャンプ機能はないようです(Edgeは有り)。

ちなみにこれらをPDFで作成し閲覧表示した場合は…。①こんな感じ(藪の中・PDF)②こんな感じ(酔いどれ日記・PDF)。パソコンで見る場合は、それほど違和感はありませんが(下にスクロールしながら閲覧しなければ読めない)、スマホでは全体が縮小され とても読めたものではありません。それに、PDFだとePUBに比べてファイルサイズが倍以上にもなってしまいます。

数枚程度の資料であればPDFでも問題ありませんが、数百ページにも及ぶ書籍の場合は、やはり電子書籍化(ePUB化)した方が良さそうです。閲覧性の違いは歴然です。ついでに、各種ePUBリーダーの比較実験もしてみました。Readium(Chrome拡張)、EPUBReader(Firefox拡張)、Edge(マイクロソフトのブラウザでePUBに対応)、calibre(インストール型アプリ)、Google Play ブックスなどなど。

これらの中で一番多機能で閲覧性に優れていたのが意外にもマイクロソフトブラウザのEdgeでした。文字検索では、ハイライト表示だけでなくジャンプ機能も備わっていて、さらに「しおり」機能や「音読」機能まであります。Google Play ブックスは(特に縦書き書籍の場合)、スマホではきちんと表示されるのですが、パソコンだと正しく表示されませんでした。スタイルシートを何度も書き換えましたが、結局原因分からず…。EPUBReader(Firefox拡張)も使い勝手が良かったです。Readium(Chrome拡張)は、サポートが打ち切られるようです。

電子書籍に関して夢中になり早8日が経ちました。他にもやりたいことがたくさんありますので、そろそろペースダウンしながらゆっくりと学んでいきたいと思います。将来的には当スクールにて「電子書籍作成講座」なんて開けたらなぁ~!などと考えていますが…。どうやら今週末もお天気が悪そうです。2週連続で山へ行かないのは、さすがにストレスが溜まってしまいますので、どこかの山には登りたいなぁ~!って考えています。梅雨だからしょうがないけど、週に一度は気分転換しなくっちゃね!


6月23日(日)
電子書籍化の道 その1

前回の日記から一週間が経つのですね!早いものです。昨日22日(土)は、仲間9名で沢登りへ行く予定だったのですが、生憎の雨のため、リーダーとして山行中止の決断を余儀なくされました。久し振りに大人数での遡行を楽しみにしていたのですが、ほんと残念です。本日は日曜日ですが、山へも行かず仕事(電子書籍の勉強)に励んでいます(昨日の土曜日も)。週末に山へ行かないのは、約3ヵ月振りかなぁ~?

この5日間、暇さえあればパソコン(電子書籍化の勉強)に無我夢中!寝ても覚めてもこのことばかりで頭から離れず、あまりにも熱中し過ぎて(パソコンのし過ぎで)目が痛いです。ほどほどにしないとね!事の発端は、先週の18日(火)、以前 雪山の登山ガイドを何度かご依頼いただいたAさんよりメールを頂戴し、Aさんが所属する協会のホームページ制作のことで打ち合わせさせて頂いたのです。実に7年振りの再会に話が盛り上がりました。

ホームページを作成する上で、様々なご要望があったのですが、従来の依頼と大きく異なることがありました。それは…「協会が毎年数回か発刊している書籍を電子化して(合計150冊ほど)、それをホームページ上に公開し閲覧できるようにしたい。さらには、多機能な検索システムを設けたい!」とのこと。書籍のPDF化は、その協会がやってくれると言います。当初は、Aさんも私も「ワードプレスで作成し、PDF化された書籍をサーバーにアップ、検索システムもプラグインを利用すればOK!」と気楽に考えていたのです。その後「電子書籍=PDF化」という固定概念が災いすることに…。

打ち合わせ終了後、Aさんのご要望に応えるにはどうすれば?と熟考する私…。今回のご要望で一番難しいのが ①書籍の電子化をどうするか?(Aさんのご希望通りPDFで本当に良いのか?の検証)②検索システムをどうするか?(多機能とは、どこまでのレベルで検索したいのか?)の二点。それ以外のご要望に関しては「当社で充分に対処できます!」と断言させて頂きました。調べれば調べるほど、実に様々な問題に直面しました。さらには、本当に引き受けて良いもだろうか?と不安に…。その問題解決の模索に この五日間、没頭していたわけです。

まずは、【 ①ファイルサイズの問題 】B4版50ページの冊子をスキャンしてPDF化した場合、どれほど大きなファイルサイズのなるのか?実験してみました。あまにもファイルサイズが大きくなり過ぎると、ページの読み込みに時間が掛かってしまい、閲覧どころではなくなってしまうからです。

WordファイルをPDF化するのと違って、スキャンしてPDF化した場合、どうしてもファイルサイズが大きくなってしまいます。なぜなら「画像化(写真と同じ)」されるからです。それをプリンタ側でスキャンの仕方を変えたり、またはPDF編集ソフトのAcrobatを使って様々なパターンでファイルサイズを小さくする工夫をして、ファイルサイズの変化と見栄え(読み易さ)を実験調査してみました。

そうそう、大事なこと!家庭用のプリンタでスキャンしただけでは、文字認識(文字検索可能なファイル)されません。OCR機能が備わったスキャンを用いるか、Acrobatなどのソフトを使ってOCR化しなければなりません。それにより「文字認識(検索)可能なPDF(画像)」に変換されるというわけです。その辺、Aさんはご理解されているだろうか?6パターンで実験した結果、1ページ当たり最大で728K、最小で30Kとなりました。それ掛ける50ページが1ファイル(冊)あたりのファイルサイズとなります。さすがに30Kだと文字が滲んで汚くて美しくありませんでしたが…。

②PDFの閲覧性に関する問題 】検索システム以前に閲覧性(見易さ)が悪ければ、そもそも誰も読んでくれません。一丁目一番地が「閲覧性の重要性!」なのだと私は考えます。昨今、スマホの普及により、パソコンよりスマホでネット閲覧する人が増えていて、その割合はが7対3だと言われています。この私のホームページも約7割がスマホからのユーザーなんです。PDFファイルは、パソコンの場合は何とか読む気になりますが、スマホで見た場合、全体が縮小されて表示されるため、見るに堪えません。また、スマホやタブレットの場合、ファイルが端末にダンロード(保存)されてしまいます。

う~ん、困ったなぁ~!次なる手を考えたのが、電子書籍(いわゆる ePUB化)です。皆さんが、スマホやタブレットで本や雑誌を閲覧することがあると思いますが、その時に用いられているファイルがePUBで、電子書籍(Eブック)というヤツです。有名どころでは、Kindle(キンドル)や楽天kobo、紀伊国屋Kinnopyがありますよね。どのデバイスでも読みやすいように最適化されるのが「ePUB形式」なのです。では、PDFとePUBと何が違うのでしょうか?

PDFの最大の弱点は、固定レイアウトなのでスマホの画面サイズに合わせて拡大・縮小しながら見ていく必要があります。これは体験してみると、かなり不便でフラストレーションが溜まります。特に本の類は見るに堪えないレベルです。その点、同じ資料をePUB形式の電子書籍として配布できれば、スマートフォンで閲覧する不便さから開放されます。

電子書籍(ePUBファイル)には、文字の大きさを自由に選べて、ページも崩れず自動的に入りきらない文字を次のページに先送りしてくれる機能が付いているからです。また「しおり」を付けたり、音読してくれるものもあります。端末のディスプレイサイズを1ページとする文字数が自動的に採用され、スマホ、タブレット、パソコン、どのデバイスでも快適に閲覧できるのが大きな魅力なんです。

ネットである大学の先生の記事が目に止まりました。『最近の学生さんはとにかく何でもスマートフォンで読みます。授業資料をPDFで配ると、スマートフォンの小さい画面では見づらくなります。もっとも老眼とは無縁の若い学生さんなら苦にならないのかもしれませんが。小さいスマートフォンでもパソコンでも見やすいレイアウトで表示できるePUB(電子書籍)は、とても素晴らしいです!』と。

では、その電子書籍を作るには一体どうすれば良いのだろうか?と私の好奇心に火が着きました。当初は「PDFをePUB形式に変換できれば、楽できるだろう!」と思い、様々なソフトやサービスを試してみましたが、どれもいま一つで私を満足させてくれるものはありませんでした。やはり楽しては、良い結果は生まれませんね。

試行錯誤の結果、行き着いたのが「Sigil(シジル)」というオープンソースで世界中で使われている電子書籍作成ソフト(フリー)です。これを使って電子書籍を作成すれば、アマゾンや楽天、アップルにも自己出版出来るらしい(そんなタイトルの本まで買っちゃいました!)。その後、面白くなって益々勉強し電子書籍の作り方をマスターしたのはいいけど、今度はブラウザの問題が勃発!

一般的に電子書籍を読むためには、アプリが必要になります。誰でもどの端末でもアプリ無しで読める工夫をしなければなりません。それ以外にも問題は山済みです。ePUB化する為には、原本を「文字化」しなければなりません。PDFではダメなのです。150冊もの本を文字(テキスト)化…(個人的には専門業者へ依頼された方が良いと思うが)。そのテキスト化にあたり「何か良い方法はないものか?」と模索。ありました!Googleドライブの「オンラインOCR」機能の素晴らしさに感動!実験の結果、精度はかなり高くてビックリです(95%以上の精度)。でも、一文字一文字どこが間違えているのか?全てチェックし確認する必要がありますが…。

「電子書籍化」という難題に関しては(金額はさておき主に作業面)、クリアした感じでひと段落着きました。さらには「多機能な検索」という難題も残っています(これは、散々調べたがプラグインでの対応は、かなり厳しい感じ)。Aさんには次のようにお話しさせていただいています。「私がAさん含め、万が一皆さんのご期待に添えられない場合を想定し、私に代わる業者を紹介できるように探しておきますね。」と。Aさんには、絶対にご迷惑掛けるるわけにはいきませんから…。

しかしながら、これらを他業者へ丸投げで依頼された場合の金額は、おそらく…ざっと①150冊もの電子書籍作成代(相場で一冊2~3万円らしい)が、文字起し代を含め450万円 ②検索のシステム開発費が30万円 ③ホームページ作成代が40万円だと仮定すれば、520万円にもなってしまいます。ひぇ~!自分たちが出来る部分は自分達で行い安くする。さらに完璧を求めず、どこかで妥協点を見つけないと大変な金額になってしまいます。その点、当スクール(パソコンスクールむげん)で学びながら一緒に作っていけば(共同制作コース)、授業代だけで済みますので、かな~り安い金額で制作できます。

Aさんからのご相談がなければ「電子書籍」の作り方を学ぶ機会は得られなかったと思います。受注の可否にかかわらず、Aさんにはとても感謝しています。しばらく、難題解決に悩み勉強する日々が続きそうですが、これもまた面白い♪と感じています。将来的には当スクールで「電子書籍作成講座」なんて作ろうかな?って考えています。雨のため山へは行けなかった週末となりましたが、その分たくさんの新しい勉強が出来て充実した週末を過ごす事が出来ました。明日もどうやら忙しくなりそうですが、頑張ります。


6月16日(日)
山に行かない休日は…

本日2回目の日記です。昨日16日(日)は、朝からず~っと雨が降っていて久し振りに「山に行かない休日」を自宅で過ごしています。いつ以来かなぁ~?と調べてみたところ、3月31日(日)以来だったことが判明しました。ということは…この約2ヶ月半の間、ず~っと天気に恵まれ、毎週末 山や沢へ出掛けていた事になります。

なんかこのように書くと、山ばかり行っていて仕事をしていないように思われる方もいるかもしれませんが、実は仕事は仕事で(パソコン教室の運営)ガッチリと頑張っているのです。昨日15日(土)は、朝9時から夜9時までみっちり12時間も働きました。

昨日は、他のパソコン教室では教えないであろうエクセル統計学の「t検定について教えて欲し~い!」との依頼や、かといえば「iPhoneからPCへの画像の取り込み方について教えて欲し~い!」「○○の資料を作成したいのだが…」さらには、ホームページのレイアウトデザインや内容を生徒さんと一緒に考えながら作成したりと、依頼内容は生徒さんにより様々です。どんな依頼が舞い込んでくるか?といつもハラハラ・ドキドキ、そしてワクワクの毎日なんです。

本日は、今週習いに来られる生徒さん用の資料を作成したり、教え方のシュミレーションをしたり、自身のスキルアップのためパソコンの勉強に励んだり。かといえば、今シーズンの山行計画を練ったり、やりたいこと一杯あります。

特に沢計画は無我夢中になり時を忘れてしまうほどです。自分が未遡行の沢で興味深い沢(遡行対象となりうる沢)は無いものか?と、岩手や秋田の山岳地帯の2万5千図をみながら物色するのです。まるで宝探しのような感覚で…。

本日、ゴルジュ地形で2万5千図を見る限り面白そうな沢を数本見つけました~!八幡平にまだこんな沢が残っていたのか?とビックリです。見つけた時の喜びは、とても大く感動モンです。「本当に面白いかどうか?」それらの沢の遡行記録は、ネットで検索しても皆無ですので「実際に行ってみてのお楽しみ~♪」ってことになりますが…。

てなことで、山へ行かない週末は「パソコンの勉強」と「沢(山)の勉強」の二本立てで、あっという間に一日が終わってしまいます。山とは違った充実感を味わえる喜びも感じています。結構頭を使いますので、熱中し過ぎて使い過ぎるとフラフラになることも…。今日は、ほんと平和な日だなぁ~♪って喜びに浸っております。山へ行かない週末も、たまにはいいかも。何事もプラス発想で考える習慣って大切ですよね。


6月16日(日)
葛根田川・松沢の変貌

14日(金)は、平日ですが運よく?午前中の予定(パソコン教室の仕事)が空いていましたので、即効で八幡平は葛根田川の支流、松沢を単独遡行して参りました。松沢は、2007年から2011年までの5年間に計7回入渓、1年空けた2013年にも入渓し、合計8回も入渓しています。初心者を連れて行ったり仕事でガイドしたり、沢初めの足慣らしに遡行したり…。我が家からも近いこともあり、半日コースで遡行できるのも魅力です。

週末16日(日)の降水確率は90%!これじゃ~山も沢も無理だべなぁ~!今度の週末は、久し振りに大人数(10人越え)での沢山行!しかも、リーダーを務めなければなりません。体力トレーニングと足慣らしを兼ねて、本番前にもう一本入渓しておきたいなぁ~!と思っていたのです。そんな訳で、平日山行という暴挙に出たのでした。幸い今日は、お天気も良いし~♪

松沢の遡行日14日(金)は、午後から仕事が入っていたため、近場の沢でお昼頃には帰宅できる沢!と言えば、限られてしまいます。で、選んだ沢が松沢だったのです。2013年以来、6年振り9回目の再遡行となります。この6年間で、どのように変貌したのか?見ものです。「沢も生物だなぁ~!」って、つくづく思います。年月の経過と共に台風や積雪、土砂崩れ等で渓相が大きく変化します。時には「これがあの沢か?」と驚愕したこともあります。この松沢も例外ではありません。

遡行してみての感想は…いや~!大きく変貌していました。ビックリです。6年前よりもさらに荒れていました。顕著な変化としては、以前は土砂崩れ(大規模な側壁崩壊)地帯は大滝の下までで、その上は昔通りの綺麗な渓相でスッキリしていていました。

今回は、大滝を越えたあとの標高900m付近まで、これまた側壁の崩落によるおびただしい量の倒木と土石が沢床へ散乱していました。と言うことは、全行程の約半分が「荒れ放題!」ってことになります。よって、雨天時の入渓は控えた方が良さそうです。地熱が沸いている沢ですので、地質的に脆弱なのかもしれませんね。

とは言うものの、この沢の価値が完全に無くなった訳ではないと思っています。温泉が吹き出る沢は珍しく貴重ですし(掘れば入浴可能)、大滝に掛かっていた大木が流され、インスタ映えするスッキリした滝に変わっていました。この大滝、以前は左から簡単に取り付くことが出来たのですが、ちょっと嫌らしくなっていました(側壁のトラバース)。逆に大滝の直ぐ上にあるもう一つの滝は、以前より登りやすくなっていました(上部で右壁をそのまま直登)。

標高900mより上部は、以前のようにスッキリした渓相で遡行を満喫出来ます。フィナーレの栗木ヶ原湿原は、昔のまま健全です。まだ2~3種類の花しか咲いていませんでしたが、来月になれば多くの花っ子達が咲き乱れ楽しませてくれることでしょう。栗木ヶ原湿原からの下山路では、ブナの原生林(巨木)も見所です。

そうそう、下山中に10人ほどのグループに会い、ビックリしました。この山で人に会ったのは初めてかもしれません。しかも、平日にです。おそらくタケノコ採りのグループだと思われます。朝、葛根田のゲート前にも車の長蛇の列でビックリしましたし(これもタケノコ採りと思われる)。

朝6時40分にゲート前から歩き出し、下山したのが11時でしたので午後からの仕事(授業)に楽勝で間に合いました。全行程4時間20分(登り3時間、下り1時間20分)、本番山行前の良い足慣らしができました。帰路、盛岡市内の幸楽苑にて限定メニューの「台湾野菜まぜめん(ピリ辛)640円」を食べてみました。麺が1.5倍も入っていてお腹一杯になり、身も心も、そしてお腹も満たされました。PS.『酔いどれ画像掲示板』に今回撮影した写真を掲載しました。ご興味のある方は、ご覧下さいね♪

●『画像掲示板』葛根田川・松沢の変貌


6月10日(月)
沢始め!早池峰山域・滝川 又一沢

昨日は、今シーズン初の沢登りへ行って参りました!場所は、早池峰山域の薬師岳(1,644.5m)に突き上げる猿ヶ石川滝川・又一沢(有名な又一の滝のある沢)。実は、2007年7月にも一度遡行していて、今回12年振りの再遡行となります。この又一沢、とても素晴らしい沢なのですが、12年前に遡行した際は、中流地帯(標高1200m付近)が大荒れで、おびただしい数の倒木と巨岩との格闘に辟易しました。

「この沢、二度と入ることはないだろうなぁ!」と思ったものです。ところが、一週間前の山岳同人たかじょさんの遡行記録を拝見すると、倒木に関する記述がまったくなく…。「もしかして、あの膨大な倒木帯が台風や集中豪雨で流されスッキリしたのかも?」あれから12年、沢の状態を確認したくて、さらに沢始めの足慣らしにと再遡行してみることにしました。

雪解けで水量が増しているのではないか?上部に雪渓がまだたくさん残っているのではないか?との不安もありましたが、最近の早池峰山や薬師岳の登山記録をネットで調べると、その不安が払拭されました。特に又一沢は南面の沢なので、雪解けが早いのでしょう。今回の遡行~下山で、残雪は全行程において皆無、水量も平水状態でした。ただ、標高が高いせいか、歩いている分には適温なのですが、休憩すると肌寒く感じられました(特に午前中)。

朝4時30分に自宅を出発!駐車場に到着後、軽く朝食を済ませ6時30分には歩き始めました。歩くこと20分ほどで又一の滝に到着。登山道を利用し左岸より高巻き、滝上から入渓し遡行開始!今シーズン初の沢登り、しかも単独行ですので慎重に遡行します。標高950mから1,200mまでの間が、この沢の真骨頂!次から次へとナメとナメ滝、そして滝が連続し、まったく飽きさせません。しかも、ほぼ全ての滝が快適に直登できるのですから、まさに楽しさ&美しさマックス♪初級者に沢登りの面白さを知っていただくには、格好の沢かもしれません。もっと遡行されても良い沢だと思います。

1,150mの二俣を左に入り(3対1)、さらに標高1,200mの二俣を左に入ると、水量は一気に減り、ちょっと荒れた感じになりますが(かつての倒木地帯)、遡行上特に問題ありません。さらにその上の1,290mの二俣が見落としやすいので注意が必要です。今回は左沢をツメてみることに。

ここまで登ると源頭の雰囲気になります。水は1,350m付近で早くも枯れてしまいました。山頂まで標高差300mもあります。ここから先が、この沢の本当の核心部かも?ヤブは濃くありませんが、傾斜と距離があります。枝沢が入り組んでいて、歩きやすい所を上手く繋げながら右へ左へと登っていきます。

ルートファインディングを誤ると、それなりのヤブ漕ぎを強いられるかもしれません。山頂にこだわらなければ、1,340m付近の枝沢を利用し登山道へエスケープする手も考えられます。12年前は1,290mの二俣を右へ入ってツメたのですが、ヤブ漕ぎはあまりなかったような…。順調に遡行していた私ですが、1,350mの水が枯れた地点から山頂直下の登山道に出るまで1時間10分も掛かってしまいました。全体的にヤブは薄いですが、部分的に濃い部分もありますので、ルートの見極めが重要です。

登山口から薬師岳の山頂まで4時間!12年前は3時間30分でしたので、今回は30分オーバー!これには理由があります。今回はヤフオクで先日購入した防水カメラ「オリンパス Tough TG-5」のデビューの日だったのです。色んなモードを試しながらたっくさ~ん撮影したのです。iオートモード、Aモード(絞り優先オート)、Pモード(プログラムオート)、シーンモード。さらに撮影ごとにF値を変えたりもしました。よって、写真撮影にそれなりの時間を費やしてしまったのが、タイムオーバーした原因です。

「これが防水カメラか!」と思うほど、綺麗に撮れていて「このカメラを買って良かった!」と思いました。但し、iオートモードで撮影した場合、コントラストが強調され ちょっと「どぎつい色」になってしまうようです。

その理由はピクチャーモードの「i-Finish」が原因で設定が換えられない仕様になっているとか…。様々なモードで撮影し実験した結果、沢の場合はAモードにし(ピクチャーモードは「Natural」に設定)、シーンに合わせてF値を変えて撮影するのが一番綺麗に撮れることが判明しました。

10時35分、ふぅ~!薬師岳(1,644.5m)の山頂に到着!目の前にドカ~ンと早池峰山が聳えます。山頂でセブンイレブンで買ったおにぎりを食べ、下山開始!登り4時間 下り2時間、合計ちょうど6時間の山行となりました(休憩時間含む)。久し振りの沢登り、ほんと楽しかったなぁ~♪

下山後は、早池峰神社に寄って祈願しました。霊峰早池峰山を祀る神社で、その歴史は 大同元(806)年にまでさかのぼる由緒ある神社で、パワースポットとしても有名のようです。盛岡市内に入ってから下山後の私の楽しみ♪いつもの幸楽苑にて中華そばと餃子を食べました。身も心も、そしてお腹も満ち足りた山行となりました。PS.『酔いどれ画像掲示板に』今回撮影した写真(新しいカメラで撮影)を掲載しました。ご興味のある方は、ご覧下さいね。

●『画像掲示板』早池峰山域・又一沢


6月8日(土)
水流ランナー 二神浩晃君との再会!

昨夜は盛岡駅前の居酒屋「ももどり駅前食堂」にて、かつての山の後輩(愛弟子)二神君と20年振りに再会し、楽しいひと時を過ごしました。二神君は「水流ランナー」として名を馳せ、今ではスポンサーまで付きラジオ番組に出演したり講演会を開いたり、街中で声を掛けられたり…ちょっとした有名人らしい。一級建築士として仕事に励みながら全国の川と山を走り回っている元気な中年男子なんです!(現在47歳、東京在中の二児のパパ)。

「水流ランナーって何?」ってお思いの方も多いと思います。以下、彼のホームページより抜粋します。『全国47都道府県の最高峰に向かって、ひとつの水流だけをたどって海から走る。これが “Zero to Summit 47” (ZtS47) である。各都道府県の風土や歴史にふさわしい川の流れを選んで海からたどれば、何かが見えてくるだろう。川選びからはじめるのでやたらと時間はかかる。正解なんてない。誰でもできることだけど、たぶん誰もやったことがない。だったら僕がやるしかない!』

「わざわざ川から山頂目指して走って何が面白いの?登山だけで充分じゃないの?何考えてるの?バカじゃないの?」って思っている方も多いと思います。昔からちょっと変わったヤツだと思っていましたが、その変態振りにさらに拍車がかかった感じです。彼曰く「バカじゃないの?って言われるのが、僕に対する最高の褒め言葉なんです!」と。今回は、岩手編ということで宮城県の石巻から北上川沿いに岩手山の山頂まで約300キロを6日間掛けて走るのが目的!昨日7日(金)に無事完走!下山後に盛岡駅前の居酒屋で合流し、祝杯兼ねて20年振りの再会を果たしました。

ホームページを通じてお互いの行動は理解していましたし、たまにメールでやり取りしていましたので、20年振りという感じが全然しません。二神君との出会い、それは…20年前に父の死をきっかけに長年住み慣れた東京を離れ、郷里岩手に戻ると決断!その岩手での山の教え子(愛弟子)第一号が彼だったのです。今でも「師匠」って呼んでくれています。

当時、私と髭のKさんとで毎週のように岩登り&沢登りへと連れまわし徹底的に彼を鍛えました。彼の集中力と吸収力たるや、それは凄いものがありました。当時私は37歳(二神君は27歳、髭のKさん47歳)で現役バリバリの時でしたし。

昨日の飲み会で「君は何年くらい岩手にいたっけ?」と聞いたところ「半年ですよ!」と。「え~!3年の間違いじゃないの?」と驚く私。「その岩手での半年間が、僕の人生の中で一番濃厚で宝物です!」と言ってくれて嬉しく思いました。その後、彼は青年海外協力隊としてモロッコへ。帰国後は京都、ハイチ、ミャンマーを経て、現在は東京の世田谷区に在住。昨夜は夕方の5時から8時まで3時間、震災のこと、山のこと、仕事のこと、その他諸々話題は尽きることなく、あっという間の楽しいひと時を過ごしました。

「全国47都道府県の最高峰を登り終わったら、次はどうするの?」と聞いたところ「今度は、世界の山を目指します!やはり同じく川から攻めます!」と夢を語ってくれました。「おいおい、確かに夢は大事だけど…奥さんは大丈夫なのか?」と心配する私。「走り終わって自宅に帰った後は、妻のご機嫌取りに主夫業?に専念するようにしています!」と、嬉しそうに話す彼の笑顔が印象的でした。陰ながら彼の頑張りを応援したいと思っています。PS.上の写真は、日本で(世界で?)ただ一人の水流ランナー二神君。下の写真は、ももどり駅前食堂の看板料理「ももどり」スパイシーでビールに良くあいます。石巻から岩手山を目指した彼の走行記録は、ツイッター(@zts47)でご覧いただけます。


6月4日(火)
間に合った!焼石連峰・三界山

6月2日(日)は、焼石連峰の三界山(1,380.8m)を登って参りました。三界山は、登山道がなく沢から登るか、残雪期に登るか…のどちらかになります(もしくは、ヤブ漕ぎ覚悟で登るか)。私は、過去三度登頂しています。一回目は、17年前の2002年07月に沢登り(成瀬川 合居大谷右俣 )で。二回目は7年前の2012年5月の残雪期に大森山から。三回目は同年09月に再び沢登り(成瀬川 合居大谷右俣)で。

過去三度の登頂のうち、山頂から展望を満喫できたのは、最後に登った2012年9月(沢登りで)の時だけ。その時、山頂からの展望の素晴らしさに感動し「今度は、ぜひ残雪期の展望を満喫してみたい!」との思いを持ち続けていました。残雪期における三界山登山は、R397の平七沢のゲートが開く5月中旬(今年は22日)から10日間が勝負!と言われています。

よって、今シーズンは諦めていたのです。ところが、一週間前のヤマップの山行記録と写真を見て「この残雪量なら今週末、どうにかギリギリ間に合うのではないか?」と期待に胸を弾ませたのです。雪解けが進みヤブが出始めても、最悪ヤブを漕いで登れば良いだけの話…。過去2度、夏に沢から登り、ヤブを漕いで登山道に出てるじゃないか!しかし、出来れヤブを漕ぐことなく雪渓をスッキリと登りたい…。こればかりは行って見ないことには分からない…。

大森山トンネルから三界山まで、距離が長く片道8キロ(往復16キロ)もあります。おそらく全行程順調にいっても8時間は掛かるでしょう。ヤブに阻まれると9時間は掛かるかなぁ~?よって、早出で勝負!4時30分には自宅を出発し、7時頃には歩き始めました。大森トンネルの所には、既にたくさんの車がギッシリと停まっていてビックリ!登山者?山菜採り?タケノコ採り?よって、その側の「すずこやの森」に車を停めました。

コースは、先に述べたヤマップ(くろぼんさん)の山行記録(軌跡)通りに歩くことに。歩行距離は長いですが、急登は少なく平坦で歩きやすいコースで、ブナの新緑がこれまた美し~い♪登るにつれ雪渓が登山道を覆い、右へ左へと道を探しながら歩を進めました(目印のピンクテープに大分助けられた)。大森山のトラバースを終え、ちょっと進んだ所の展望地で三界山の全貌が望めました。あれ~雪がな~い(西側斜面)!雪のかけらが申し訳なさそうにちょっと垣間見える程度でした。あぁ~!これでヤブ漕ぎ確定!

あまりにもヤブの状態がひどい場合は、三界山を断念し焼石岳に切り替えようかな?と弱気になる私…。何はともあれ取り付き地点まで行ってみよう!7合目を過ぎ500mほど進んだ所より三界山に取り付くべく胆沢川へと降りました。下からは三界山の雪渓状態の全体像が見えませんが、西側斜面と違って南側斜面の残雪の豊富さにちょっと安堵しました。さて、どこから攻めようか?とりあえず一週間前のヤマップ山行記録通りの枝沢からから取り付いてみることにしました。

残雪とブッシュが入り乱れ、まるで迷路のよう…。ひぇ~やがてヤブに突入!でも、少しのヤブ漕ぎで済みました。1,230mの小ピーク付近から上部は、山頂付近(もしくは稜線)までビッシリと雪渓に覆われていてラッキー!ルートは二通り考えられます。山頂にダイレクトに突き上げる左側の雪渓は「直登ルート」と命名。結構な急傾斜でアイゼンがないと厳しい感じ。

もう一つのルートは、右側の雪渓で傾斜が緩いものの稜線上1290mに突き上げ、稜線に出てから山頂までの標高差90mのヤブ漕ぎを強いられます。今回はアイゼンを持参していませんでしたので(長靴登山、念のためにピッケル持参)、安全策で右の「稜線ルート」から登ることにしました。

ヤブ漕ぎから開放され、雪渓歩きはなんと快適なことか~♪そのせいか、稜線に出てからのヤブ漕ぎが余計に辛く感じられました(実際は、それほどでもない)。登ること4時間20分で山頂に到着!念願の残雪期の大パノラマを満喫できて良かった良かった~♪南本内岳、焼石岳、西焼石岳が目の前に大きく聳えています。夏油の牛形山、目を右に転じれば栗駒山や泥湯三山、虎毛、神室の山々が一望できます。まさに絶景かな♪下山は、ヤブ漕ぎを嫌い思い切って登りに使ったのと違うルート(雪渓)を下ってみることにしました。こちらの方は、まったくヤブを漕ぐことなく快適に下れました。6月でまさか登頂できると思っていなかっただけに、何か得した気分♪

下りも長かった…。特に胆沢川の徒渉では雪解けで増水しており(帰りはさらに増水)、長靴で正解でした(ぎりぎりセーフ!)。登り4時間20分、下り3時間30分。全行程7時間50分!やっと駐車場に到着。時間は14時55分。帰路、焼石温泉ひめかゆにて入浴したのですが、多くの登山者で賑わっていました。どうやら、本日は焼石岳の山開きだったようです。道理で登山者が多いと思いました。盛岡に到着後、幸楽苑にて塩ラーメンと餃子を食べましたが、お腹が空いていたせいか、いつもより美味しく感じられました。何はともあれ、めでたし、めでたし♪PS.『酔いどれ画像掲示板』に今回撮影した写真を掲載しました。ご興味のある方は、ご覧下さいね~♪

●『画像掲示板』焼石連峰・三界山

  1. HOME
  2. INDEX
  3. 翌月
  4. 前月