葛根田川 戸繋沢

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葛根田川 戸繋沢 1

ここ最近、ずっと不安だった膝の調子が、なぜか良い。暑さのせい?サプリのおかげ?それとも、毎日欠かさず続けてきた岩山散歩の成果?ロキソニン(痛み止め)に頼らず沢へ行けるようになった今、その嬉しさを身体の芯から実感。滝の上温泉の駐車場にて7時出発!

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 2

まずは入渓地点を目指し林道歩き。今年に入ってから、すでに5本の沢を遡行しました。どれも3〜4時間程度の短時間行程に抑えていましたが「そろそろ長い距離でも遡行できるかな?」と自分の体力を確かめたくなりました。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 3

そこで選んだのが、17回目の遡行になる葛根田川と12年前に沢下降で使った戸繋沢、これらなら難所もなく安心。あとは、自分の膝と腰の調子次第、そしてザックの重さにどこまで耐えられるか?の体力勝負。入渓地点にて。ここで徒渉に難儀するようであれば遡行を断念した方が良い。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 4

秋取沢(明通沢)手前の景観地にて。今シーズン初の沢泊に向けて、必要最低限の装備にロープ(ダイニーマ7mm×40m)もプラス。先週は断続的に雨が降った影響を危惧し増水のリスクも視野に入れた慎重な準備。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 5

698m枝沢に掛かる小滝が美し~い♪下界では猛暑日が続く中、沢は涼しくて最高です!

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 6

連休中ということもあってか、遡行中に4組のパーティーとすれ違い、人気の高さを改めて実感しました。驚いたのは、入渓までの車道歩きでアブに一匹も遭遇しなかったこと。これは幸先がいい…と思っていたら、後でしっかり裏切られたけど…。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 7

こちらにも釣り師の方が…。釣り師というより沢屋さんのようです。葛根田川は、釣り師の入渓も多く中々釣れないんですよね。支流に入ると結構釣れますよ。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 8

天気にも恵まれ、何度来ても飽きない葛根田川の美しさに、足取りも軽くなります。先週降り続いた雨の影響はほとんどなく平水状態でした。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 9

豪快な流れと美しさを合わせ持った葛根田川は、全国的にも有名で遡行者も多いです。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 10

流れが結構強いところですが、この水量であれば問題なし。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 11

このエメラルドグリーンが何とも美し~い♪何度(17回)入渓してもその美しさに感動し癒されます。ゴルジュ帯の入口にて。右岸に高巻き用の残置ロープ有り。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 12

そのゴルジュを高巻きながら撮影。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 13

ここのゴルジュ帯が葛根田川のちょっとした核心部でしょうか?右岸に残置ロープあり。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 14

ゴルジュ帯を通過中。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 15

迫力あります!右岸高巻き。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 16

エメラルドグリーンが美し~い♪ここは左岸をヘツって通過。17回も遡行しているのでルートは頭の中に入っています。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 17

葛根田川の目玉!お函の入口にて。お函は終始左岸をヘツって通過します。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 18

お函で一番美しいとされる場所にて。雑誌に良く紹介される撮影ポイントです。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 19

白い岩肌が美しい♪

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 20

キラキラ輝いていて美し~い♪

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 21

滝の上温泉より歩くこと2時間20分で大石沢出合に到着!まずまずのペースです。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 22

左の大石沢へと入ります。赤いナメが美し~い♪

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 23

どこまでも続く赤いナメ地帯。素晴らし過ぎます!

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 24

ナメナメ尽くしです。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 25

754mの二俣にて。左へ進むと大石沢、今回は右の戸繋沢へ入ります。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 26

そうそう、今回は渓流シューズ(ラバー)で遡行しています。去年よりラバーを履き始めました。戸繋沢の場合、下山が長いことから敢えてラバーの渓流シューズをチョイス!フリクションはバッチリでした。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 27

戸繋沢へ入って直ぐにミニゴルジュが現れますが容易に通過できます。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 28

標高780mにある戸繋沢のシンボル、ナイヤガラ(ザル滝)にて。ここは右岸より登りました(残置ロープあり)。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 29

それ以降は単調なゴーロ歩きが続きます。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 30

だんだん暑くなってきました。黙々と遡行します。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 31

標高900mにある深い釜を持った小滝。これが見えれば幕営地は近いです。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 32

標高910mの左岸に最高の幕営地があります。テント3張り可、対岸にも小さなテントであれば張れそうでした。高台になっているため増水時も安心。歩くこと5時間ちょっと、12時に到着したので頑張れば田代平山荘まで行けそうでしたが、焚き火がしかったので本日は、ここに泊まることにしました。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 33

幕営地周辺のブナ林が素晴らし~い♪昨今、熊の被害が増えていることから「熊対策」として①熊除け鈴(2つ)②熊おぼる(熊忌避剤)③熊除けスプレーを持参しました。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 34

猛暑の中、薪集めと薪の切断作業で汗ビッショリ!何よりアブの猛攻撃には参りました。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 35

本日デビューの新しいノコギリ。アマゾンのベストセラーNo.1の角利産業 替刃式 ノコギリ スーパー技工。1,452円。切れ味最高!168gしかなく超軽量です。軽量コンパクトでまさに「沢屋向けのノコ」です。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 36

今回試しに買ってみた新しいおつまみ「クレイジーソルト塩ナッツ」これが美味かった~♪ウィスキーにピッタリでした。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 37

夕方4時に焚き火開始!アブを追っ払いたくて早目の着火となりました。今シーズン初の沢での焚火です。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 38

ここ、最高の幕営地です。後にも先にもここ以上の幕営地は見当たりませんでした。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 39

ウィスキー片手にスマホで音楽を聴きながら、炎を見つめる贅沢な時間。思い出に残る夏の始まりの一夜でした。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 40

翌朝は4時前にはに目が覚めてしまいました。カップラを食べます。食欲がない時もスルスル食べられます。本日も暑くなりそうでしたので早め(5時20分)に出発することに。

2025年7月20日撮影

葛根田川 戸繋沢 41

本日も暑くなりそうでしたので「涼しいうちに距離を稼ぐ作戦」を決行!朝は涼しくて気持ち良いです。

2025年7月20日撮影

葛根田川 戸繋沢 42

標高960mにある10m滝。左岸より高巻き(巻きの入口にピンクテープあり)

2025年7月20日撮影

葛根田川 戸繋沢 43

幕営地より遡行すること1時間10分で登山道に出ました。ヤブ漕ぎゼロです。

2025年7月20日撮影

葛根田川 戸繋沢 44

いかにも「森の熊さん」が出そうな雰囲気…。

2025年7月19日撮影

葛根田川 戸繋沢 45

今回の山行の核心部は、ここからでした。登山道の刈り払いされていない箇所が多々あり、ヤブ漕ぎを強いられました。まさか登山道でヤブ漕ぎするとは…。その際は(登山道状況を確認し)車2台で行ってこの蟹場分岐から下山した方が良いかも知れません(かなり時短になるし)。

2025年7月20日撮影

葛根田川 戸繋沢 46

ニッコーキスゲが美し~い♪

2025年7月20日撮影

葛根田川 戸繋沢 47

登山道はこんな感じの所も…。さらに朝つゆで全身びしょ濡れ状態、勘弁してよ~!猛暑の中、ヤブ漕ぎは避けたい。朝早く出発して良かった~!

2025年7月20日撮影

葛根田川 戸繋沢 48

ヤブ漕ぎから一時的に解放された田代平湿原にて。まさにオアシス、遠方にこれから向かう乳頭山が見えます。

2025年7月20日撮影

葛根田川 戸繋沢 49

田代平湿原より秋田駒ケ岳を望みます。

2025年7月20日撮影

葛根田川 戸繋沢 50

幕営地より歩くこと2時間45分、田代平山荘に到着!ここで大休止、ヤブ漕ぎの疲れを癒します。

2025年7月20日撮影

葛根田川 戸繋沢 51

田代平山荘の中はこんな感じ。就寝スペースは2階にあります(毛布あり)。水場はヤブ漕ぎして沢へ降りるしかないようです。

2025年7月20日撮影

葛根田川 戸繋沢 52

乳頭山への道。何これ?またヤブ漕ぎですか…勘弁してよ~!

2025年7月20日撮影

葛根田川 戸繋沢 53

山頂直下より秋田駒ケ岳を望みます。

2025年7月20日撮影

葛根田川 戸繋沢 54

眼下に田沢湖を望みます。

2025年7月20日撮影

葛根田川 戸繋沢 55

乳頭山の山頂が目と鼻の先です。別名、烏帽子岳の由来は、これなのかな?

2025年7月20日撮影

葛根田川 戸繋沢 56

幕営地より3時間40分、ふぅ~乳頭山の山頂に到着しました!つ、疲れた~!乳頭山への登りで体力を使い切り、あとはもう根性で下山…。

2025年7月20日撮影

葛根田川 戸繋沢 57

山頂より笊森山を望みます

2025年7月20日撮影

葛根田川 戸繋沢 58

山頂より岩手山を望むも山頂部は雲の中…。

2025年7月20日撮影

葛根田川 戸繋沢 59

滝の上温泉へと下ります。山頂から滝の上温泉までのルートは刈り払いされており快適でしたが、パワーを使い切ったせいか?下りがとても長く感じられました。

2025年7月20日撮影

葛根田川 戸繋沢 60

滝の上温泉~乳頭山コース、多くの登山者で賑わっていました。こんなに人気のあるコースとは知りませんでした。

2025年7月20日撮影

葛根田川 戸繋沢 61

ニッコウキスゲが咲き乱れていました。猛暑で汗だく状態…シンドイです。膝と腰に違和感が…重い荷物と長時間歩行と猛暑が堪えたのでしょうか?痛み止めのロキソニンを飲み気力を振りぼって(頑張って)下るしかありません。

2025年7月20日撮影

葛根田川 戸繋沢 62

これを見れば、乳頭山の名前の由来が分かるかも。

2025年7月20日撮影

葛根田川 戸繋沢 63

白沼への下り手前にて。岩手山の山頂部の雲が取れて完全に姿を現しました。

2025年7月20日撮影

葛根田川 戸繋沢 64

ふぅ~!やっと白沼(モリアマガエルの繁殖地)に到着しました!ここまで来れば、あともう一踏ん張りです。

2025年7月20日撮影

葛根田川 戸繋沢 65

やっと下山!長い一日に感じられました。正直、6時間40分の行動とは思えないほど疲労感が残りました。暑さ、荷物の重さ、そして体力の衰え…。だけど、この"検証山行"を通じて「今の自分の限界」と「これからも山(沢)を続けるために必要なことがハッキリ見えた気がします。

2025年7月20日撮影

葛根田川 戸繋沢 66

下山後、大戸屋で食べた「蒸し鶏の生姜ねぎ醤油定食(1,020円)」は、身体に染み渡る旨さにほっと一息。今朝は筋肉痛で階段が辛いけれど、それすらも心地よいと感じる疲労感に包まれています。やっぱり沢はいい。年を重ねても、自分のペースで自然に挑む時間を、これからも大切にしていきたいものです。

2025年7月20日撮影

GPSの軌跡 ※クリックで拡大

<2025年7月19日(土)>
行動時間 5時間 5分(休憩時間含む)
滝ノ上温泉(6時55分)~入渓地点(7時30分)~明通沢出合(8時)~大石沢出合(9時15分)~754m出合(9時35分)~金堀沢出合(11時) ~910m幕営地(12時)

<2025年7月20日(日)>
行動時間 6時間40分(休憩時間含む)
幕営地(5時15分)~登山道(6時25分)~田代平山荘(8時)~乳頭山(8時55分)~白沼(11時)~滝ノ上温泉(11時55分)
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