キッツ川左俣(640m支流)

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金ヶ崎駒ケ岳、キッツ川最後の空白部分(遡行記録がない沢)キッツ川左俣(640m支流)を山岳同人翡翠のSさんとWさん、私の3名で遡行して参りました。去年9月に一度計画したのですが雨天中止に!2度目の計画となります。梅雨前線の影響で遡行3日前まで絶望的な予報でしたが、出発前日の朝に予報が急変し晴れマークに!これなら行けるぞ~!

2024年6月29日撮影

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うがい清水登山口に6時30分集合でしたが、私が6時に到着、既に2人が到着していました。車で八郎橋へ移動し6時20分出発!実はキッツ川左俣(640m支流)北上山岳会のtbfさんが、去年2023年8月28日に標高760mの二俣まで偵察山行されています。「あとは酔いどれさんに頼んだ!行って来てください!」と。その時のtbfさんのヤマレコの遡行記録を参考にさせていただきました。ありがとうございました。

2024年6月29日撮影

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ちなみに第1ゴルジュ帯は、時間節約のためパス(高巻き)しました。最初の難所?標高570mの二俣、左俣入口にあるプチゴルジュです。ここは深い釜になっていますが去年左俣右沢を遡行した時に比べて水量は少ないです。時間節約のため、三人が確実に早く登れるルートで登ることにしました。

2024年6月29日撮影

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ここが一番確実で早く登れるルートになります。去年私は、左岸をヘツって突破しましたが失敗すれば深い釜にドボンです。その他のメンバーは水量が多いこともあり、ここの突破に苦戦し時間が掛かってしまいました。

2024年6月29日撮影

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登った後は、ここを下ります。その直ぐ先にチェックストーンの小滝が…。そうそう、キッツ川を初めて遡行される方は、下部の「第1ゴルジュ帯」を高巻かずに遡行されることをお勧めいたします。

2024年6月29日撮影

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それがコレです。私が登っているところです。去年に比べて水量が少なかったので楽に登れました。

2024年6月29日撮影

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ちなみにこの写真は、1年前の2023年8月23日に北上山岳会さんらと左俣右沢を遡行した時のものです。水量の違いが一目瞭然です。

2024年6月29日撮影

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【キッツ川開拓の歴史】①右俣右沢(北上山岳会ルート)2020年8月17日北上山岳会の3名により初遡行される。②右俣左沢(酔いどれルート)2023年8月11日 私とSさんで開拓。③左俣右沢(天国の回廊ルート)2023年8月23日 北上山岳会と私含めた合同チームで開拓。④右俣右沢(ダイレクトルート)2023年9月7日 北上山岳会の2名が開拓。

2024年6月29日撮影

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⑤左俣(640m支流)本遡行記録、今回 私とSさんとWさんの3名で開拓。キッツ川の沢、5本のうち実に3本の沢開拓に携われたことを嬉しく思います。標高610mにある「おにぎり岩」にて私。この先直ぐが第2ゴルジュ帯の入口です。

2024年6月29日撮影

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最後の課題…⑥経塚山にダイレクトに突き上げる左俣左沢は未遡行のまま残っていますが、上部のツメを考えると厳しい感じです。また入山と下山場所が大きく離れるため、車を下山口に回しておく必要あり。第2ゴルジュ帯、そろそろかなぁ…。

2024年6月29日撮影

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標高612m、第2ゴルジュ帯の入り口です。

2024年6月29日撮影

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私は微妙な足さばきで?そのまま右岸をヘツって突破しました。去年は、ジェット水流で迫力がありましたが、今回はかなり水量が少ないです。

2024年6月29日撮影

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このような手(ムーブ)があったか…Vサインで余裕のSさんです。

2024年6月29日撮影

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第2ゴルジュ帯が続きますが、困難ではありません。

2024年6月29日撮影

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余裕のWさんです。遠路、北秋田からご参加くださいました。集合場所のうがい清水登山口まで3時間30分も掛かったとか…。

2024年6月29日撮影

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深い釜を持った小滝です。右岸より簡単に超えられます。

2024年6月29日撮影

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標高620m付近の赤にナメ床地帯にてSさん。とても綺麗な場所でした。もう直ぐ640m二俣です。

2024年6月29日撮影

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深い釜を持った小滝です。この滝を超えたところが640m二俣です。

2024年6月29日撮影

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ちなみにこれは1年前の2023年8月23日に北上山岳会さんらと左俣右沢を遡行した時のものです。上の写真の深い釜を持った滝を上から撮影したものです。左岸より小さく高巻き滝下へ至り水流右を直登(容易)。ここでも水量の違いが一目瞭然です。

2024年6月29日撮影

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の高巻き途中に4mmのシュリンゲロープがFIXされていました。釣り師によるものでしょうか?

2024年6月29日撮影

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八郎橋より遡行することちょうど1時間、640mの二俣に到着しました~!ここから先は、未知の世界です。

2024年6月29日撮影

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ちなみにこの滝は、左俣の本流に掛かる滝です。

2024年6月29日撮影

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640m支流の出合いに掛かる7mほどの滝です。左岸より容易に登れます。

2024年6月29日撮影

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その7m滝を登るWさんです。

2024年6月29日撮影

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いよいよゴルジュ帯に突入です!

2024年6月29日撮影

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顕著なV字で、まるで溝のような渓相です。登れない滝が出てきませんように…。増水時はヤバいかも?今回は水量が少なくてラッキーでした。

2024年6月29日撮影

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標高650mにある「木が邪魔」滝にて私です。高巻きは厳しく、ここの釜は深く胸まで浸かり突破しました。おぉぉ~冷た~い!ちょっとでも水量が多いと、泳ぎになる場所です。

2024年6月29日撮影

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「木が邪魔」滝を登り終えて、滝上より撮影。

2024年6月29日撮影

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「木が邪魔」滝を登るSさんです。

2024年6月29日撮影

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滝の連続で楽しませてくれます。

2024年6月29日撮影

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溝状のゴルジュ帯は、まだまだ続きます。

2024年6月29日撮影

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小滝がバンバン出てきます。直登あるのみ!

2024年6月29日撮影

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ちょっと嫌らしい小滝も出てきます。ここの小滝はちょっと悪かったので安全を期してロープを出しました。

2024年6月29日撮影

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安全第一です。こんな所で怪我でもしたら救助が難しいです。

2024年6月29日撮影

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出たぁ~!圧巻の3段25m滝です。見応えあります!「白龍の滝」と勝手に命名しました。

2024年6月29日撮影

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傾斜は緩いもののヌメるヌメる~!フリーでも登れそうでしたが、ここでも安全を期してロープを出して登りました。登りながら撮影したものです。中段から下を望む。

2024年6月29日撮影

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その3段25mの「白龍の滝」を登るSさんです。30mロープでギリギリ一杯でした。

2024年6月29日撮影

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3段25mを登ると直ぐに10m滝が出てきました。右岸(左壁)より登れそうにも見えましたが、時間節約のために右岸より高巻くことにしました。滝がたくさん出てき過ぎて、なかなか前に進みませんゆえ…。

2024年6月29日撮影

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8m滝。左岸より直登。どこまでも続く滝、滝、そして滝…。

2024年6月29日撮影

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でも、快適登れる滝も多くて楽しめます。

2024年6月29日撮影

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標高730mより右岸の絶壁を望みます。2万5千分の一地形図のガレマークの部分です。

2024年6月29日撮影

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V字渓で側壁が高く高巻きはどれも厳しい感じでしたので、登った方が安全だと思います。

2024年6月29日撮影

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癒し系の小滝が出てくるとホッとします。

2024年6月29日撮影

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標高760mの二俣に掛かる三角(おにぎり)滝です。北上山岳会のtbfさんは、去年、ここまで偵察に来られています。この先は、前人未到の世界となります。

2024年6月29日撮影

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おぉぉ~!出たぁ~!標高810mにある30m大滝です。遠目からこの滝が見た時「わぁ…あれ登れるのか?」と不安いっぱいになりましたが…。

2024年6月29日撮影

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滝下に着いてルート観察すると、ホールド豊富(階段状)で問題なく登れそうでした。その30m大滝を登るSさんとWさんです。この沢のハイライトで美しく立派な滝でした

2024年6月29日撮影

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大滝の落口付近より撮影。階段状で楽に登れます。

2024年6月29日撮影

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大滝の次に出てきた5~6mほどの小滝。被っていたので左岸より小さく巻いたような…。

2024年6月29日撮影

キッツ川左俣(640m支流) 47b

この滝は、7~8mくらいあったでしょうか?右岸(水線の左壁)を直登しました。結構立っていますので、ここでも安全を期してロープを出しました。

2024年6月29日撮影

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その滝を登るSさんです。

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ボディービレイするWさんです。

2024年6月29日撮影

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まだ滝が続きます。

2024年6月29日撮影

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標高850mのゴルジュ地帯を抜けると一気に穏やかな渓相に~!ナメナメ天国の始まり始まり~♪このギャップには驚きました。

2024年6月29日撮影

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歩けど歩けど断続的にナメが続きます。滝の連続からナメの連続!これほど変化に富んだ沢も珍しいかも?

2024年6月29日撮影

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ナメをひたひたと歩く私です。

2024年6月29日撮影

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このナメナメ天国は、標高970m付近まで続きました。

2024年6月29日撮影

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標高980mの「くの字」に曲がる所にて。源頭の雰囲気になって参りました。もう滝は出てこないだろう。この標高980mで右岸尾根を乗越し左俣右沢(天国の回廊ルート)を下降すれば、ゲップが出るほど最高に楽しく充実した周回ルート(まさに「良いどころ取り」)になると思います。

2024年6月29日撮影

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と思っていたら…1,030mで出てきました。といっても2mほどの小滝ですが。

2024年6月29日撮影

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その上にも連続して小滝が…。その小滝を登っている私です。この滝が最後でした。

2024年6月29日撮影

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もう直ぐコルです。1,080mにて。ツメ(源頭部)入ります。支流ゆえそれ相当のヤブ漕ぎを覚悟していたのですが、驚いたことにコル直下まで沢形があり水が流れていました。

2024年6月29日撮影

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ここをツメ上げてコルを目指します。支流ゆえ、全体的に水量が少なく「いつ水が枯れるか?」心配でしたが、杞憂に終わりました。

2024年6月29日撮影

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P1132の東側コルに到着しました!ここもヤブガ薄くて助かりました。ここより北西方向にトラバースしながら(ヤブ漕ぎしながら)沢を目指します。

2024年6月29日撮影

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沢に合流しました!この後、登山道目指して沢を下っていきます。下降した沢は、ゴーロだけの退屈な沢でした。

2024年6月29日撮影

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沢を下ると7合目登山道の水場に出ます。ひとまず、お疲れさま!の握手を三人で交わしました。

2024年6月29日撮影

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あとは、登山道を歩き金ヶ崎駒ケ岳の山頂を目指します。キッツ川左俣(640m支流)キッツ川の様々な沢の中で、一番難度が高く充実する沢だと思いました(と言っても、遡行グレード2級上位でしょうか?)。

2024年6月29日撮影

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この登山道7合目から山頂までの登りが辛かった…。この日は猛暑でしたし、汗だく状態でした。

2024年6月29日撮影

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八郎橋より登ること5時間50分、無事 金ヶ崎駒ケ岳の山頂に到着しました~!ほんと、お疲れさまでした♪Sさん、Wさん、ありがとうございました♪Sさんによるヤマレコの遡行記録もご覧下さいね~!

2024年6月29日撮影

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山頂より経塚山を望みます。特筆すべきことは、ここ岩手に未開拓(遡行記録が皆無)の沢がまだ残っていたことです。4年前の2020年に初遡行されたばかりなのです。実は、北上山岳会さんが遡行される前に私も狙っていた沢でもありました。

2024年6月29日撮影

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無事下山!私の遡行計画にお付き合いいただきSさんとWさんには感謝です。ありがとうございました!キッツ川、地元岩手の北上山岳会さんや私含め北東北の有志(岩手と秋田)によって開拓されたことが、何より嬉しく思います。

2024年6月29日撮影

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帰路、駒子の湯にて汗を流しました。入浴料が500円から600円に値上げされていました。

2024年6月29日撮影

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帰り道、都南の松のやにて早い晩飯を食べました。チキンかつ定食(690円)を食べましたが、揚げたてのサクサク、お肉は柔らかくてジューシー♪とても美味しかったです。楽しい一日になりました~♪

2024年6月29日撮影

GPSの軌跡 ※クリックで拡大

<2024年6月29日(土)>
行動時間 7時間5分(休憩時間含む)
登り:5時間50分 / 下り:1時間15分

八郎橋(6時20分)~640m二俣(7時20分)~760m左岸枝沢(8時30分)~850mゴルジュ帯終了点(9時10分)~標高970mナメ終了点「くの字」(9時40分)~コル(10時40分)~7合目登山道(11時20分)~金ヶ崎駒ケ岳(12時10分)~うがい清水登山口(13時25分)
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