川口渓谷

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川口渓谷 1

「今週の沢登りは無理かも…」。葛根田川戸繋沢を遡行して以降、右腰、右膝、右ふくらはぎの痛みが引かず、正座すらままならない日々が続いています。でも、そんな中でも「山を感じたい」気持ちは消えず、今回は「沢登り」ならぬ「沢歩き」というかたちで自然との再会を果たすことに。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 2

諦めかけた気持ちを吹き飛ばしてくれたのが、真昼山地にある川口渓谷!紹介してくれたのは、沢好き仲間のSさん。「あそこは、ビュースポットもあって「沢歩きの楽しさ」を思い出させてくれる素敵なルートだよ!」との言葉に背中を押され、いざ出発!

2025年7月26日撮影

川口渓谷 3

渓谷遊歩道なので見どころ満載なんです。滝だけでなく「森の巨人たち100選」のオブ山の大杉も見れます。樹齢は1000年以上というから驚きです。今回はスルーしましたが…。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 4

和賀山塊にある有名な真木渓谷のすぐ近くなのに、川口渓谷の名を知る人は意外と少ないかも知れません。でも、この場所、実は“未開拓の宝庫”なんです。林道と並走している沢なので、エスケープも簡単で安心。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 5

あちこちに解説付きの案内板があり、勉強になります。観光地なのになぜか?ほとんど人がいない…。この日は、私以外に一人だけお会いしました。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 6

川口山伝説
延暦十四年(七九五年)ごろ、坂上田村麿がエゾ平討のためこの地に来て、杉崎 権現に戦勝を祈願した。そして後にエゾ を鎮定したのでこの社殿を大きく改築し、清能という武士を神主としてこの宮 を守らせた。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 7

清能は弓の名手で、ある日、獲物を求 めて川口渓谷を探索していると子鹿を 連れた青鹿(カモシカ)を見つけ、矢を 放ったが傷を負わせただけではずれた (今の矢はず峠)。逃げる青鹿の親子を追うと炭焼沢に出た。なお追っていくと温泉の湧く沢で子鹿が母鹿の傷口を頬ずりするように 洗っていた。(駐車場から歩くこと20分、立派な休憩所&トイレもあります。)

2025年7月26日撮影

川口渓谷 8

二又のところまで逃げた母鹿は、子鹿 が南の又沢に逃げ延びるのを見届けたあと、自らはおとりとなるように北の又沢に姿をくらました。現在、子鹿が逃げた南の又沢の奥の 山を「鹿ノ子山」といい、母鹿が逃げた北の又沢の奥の山を「青シカ山」と呼ん でいる。(駐車場から歩くこと30分、この権現橋より入渓しました。)

2025年7月26日撮影

川口渓谷 9

なかなかいい感じ~♪右腰、右膝、右ふくらはぎと“三重苦”の自分でも、リハビリを兼ねて無理なく楽しめる。何より、澄んだ渓相が心をじんわり癒してくれるんです。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 10

橋を潜りながら現在地点を把握できます。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 11

危険箇所もなく、初心者でもゆっくり楽しめる優しい沢。もちろん、慎重さは大切。痛みで右足が踏ん張れず何度かバランスを崩し転倒する場面もありましたが、一歩一歩を大切に進みました。いやはや、いつになったら治るのかなぁ…?

2025年7月26日撮影

川口渓谷 12

渓相が綺麗で癒されます。グレード(沢の難易度)に関係なく、沢に入れるだけで幸せを感じます。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 13

いい感じ~♪Sさんから紹介してもらう沢は、どれも「当たり」ばかりです。これから沢登りを始めたい!って方をご案内するにはピッタリな沢かもしれません。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 14

通称「ダルマ滝」の急峻なスラブ状の枝沢。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 15

これが側壁の「ダルマ滝」です。見応えあります!

2025年7月26日撮影

川口渓谷 16

奥に立派な堰堤が見えてきました。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 17

堰堤わきに設置されている梯子を利用して楽々突破。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 18

ボルダリングできそうな巨大な岩。まるで「日本庭園」のようです。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 19

この沢のハイライト!枝沢に掛かる「桑原(カンバラ)の滝(30m)」です。この沢も興味深いです。この滝もおそらく未踏なのでしょう。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 20

鉱山橋が見えます。その後ろにある急峻な崖が「見返り滝」です。川口渓谷の道は、江戸時代の鉱山開発に始まり、昭和後期には岩手県へ抜ける「奥地産業開発道路(奥産道)」として大規模な建設計画が進められました。しかし、この計画は平成9年(1997年)に中止され、道は未完成のまま残されました。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 21

癒される光景です。しかし…アブが凄かった~!まるでストーカーのように付きまとわれて大変でした。そんな時は、沢水で汗を洗い落とし汗のにおいを取ります。さらに、全身水に浸かって体(体温)を冷やします。これでかなりアブが寄って来なくなりました。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 22

小滝もあります。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 23

沢中では、ダルマ滝や桑原(カンバラ)の滝、見返り滝と、見どころ満載の沢で渓谷美を堪能できます。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 24

両岸狭まりゴルジュっぽい地形になりましたが楽々突破でした。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 25

この土管のところからエスケープできそうですが、先に進みます。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 26

再び小滝が…。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 27

なんじゃこりゃ~!巨大な側壁(岩壁)に感動しました。この沢(川)容易ですが結構見どころ満載です。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 28

美しいナメ滝♪

2025年7月26日撮影

川口渓谷 29

ゴール(遡行終了点)の元平沢橋(もとひらさわ橋)が見えてきました。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 30

橋上に出ました~!昭和40年代後半、東北の経済発展を目的とした「奥地産業開発道路(奥産道)」計画の一環として、川口渓谷から奥羽山脈を越えて岩手県沢内村(現・西和賀町)へ抜ける道路の建設が始まりました 。この壮大な計画は秋田・岩手両県側から進められ、現在の遊歩道に見られる立派な橋梁などもこの時期に建設されました 。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 31

しかし、この計画は平成9年(1997年)、字義通り道半ばで断念されることになります 。その結果、渓谷の最奥部には、竣工が平成8年(1996年)と比較的新しい完全二車線の舗装橋「つくし森沢橋」などが、行き止まりの道に不釣り合いな形で残されることとなりました 。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 32

林道の下山時も滝観賞を楽しめます。「見返りの滝」です。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 33

猿倉の滝(40m)です。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 34

杉崎権現神社 御前立社殿
大室三年勢至観音を祭神とし祀されその後 豊受媛の命を合祀し作神様として信仰され やるようになった。前立社殿は明治四十年代川口沢抱返り地点に建立されたが川口鉱山道路の施設で道下となり現在地に福原幸之治によって建立された。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 35

今回の締めくくりは、最近リニューアルされたばかりの「中里温泉」。ピカピカの内風呂、露天、サウナ、そして東北最深級の立ち湯水風呂(深さ150cm)まで完備で600円。控えめに言っても、最高でした♪

2025年7月26日撮影

川口渓谷 36

休憩室も立派です。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 37

温泉もピカピカ♪

2025年7月26日撮影

川口渓谷 38

入浴後、休憩室ではこの本を読んでいました。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 39

お昼はこの温泉の食堂で食べました。何を食べようかなぁ?

2025年7月26日撮影

川口渓谷 40

麺類もあります。

2025年7月26日撮影

川口渓谷 41

ハンバーグ定食(900円)がまた美味しい!小鉢が三つも付いて、見た目も味も大満足。自然と温泉とグルメを詰め込んだ、まさに「心のリハビリ」とも言えるような一日になりました。無理せず「(沢登りではなく)沢歩き」を楽しみたい!そんな方にこそお勧めです。

2025年7月26日撮影

GPSの軌跡 ※クリックで拡大出来ます

<2025年7月26日(土)>
行動時間 3時間10分(休憩時間含む)
登り:2時間10分 / 下り:1時間

駐車場(7時5分)~入渓地点の権現橋(7時35分)~桑原の滝(8時35分)~脱型地点の元平沢橋(9時15分)~駐車場(10時15分)
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