本日は桜の名所で有名な北上の展勝地にて岩手県の合同レスキュー講習会(遭難救助訓練)がありました。全部で9団体(個人含む)計20数名の参加があり、大いに盛り上がりました。生憎の雨で午前中のみの講習となりましたが、それでも皆さんにとても喜ばれ、嬉しい気持ちで一杯になりました。
この日を迎えるにあたり、講習会用のテキストを作成したり、またアドリブが下手な私は「どのような順序で講習を進めたらより皆さんの理解が深まるだろうか?」と思案したり、説明の仕方のシミュレーションにも励んでいました。何とか無事任務を果たすことが出来、今はホッとしています。シャイな私は、大勢の前で話すのは、どうも苦手なのですよ…(^^ゞ。
ここ岩手では沢や岩、雪山のバリエーション等、ハードな山行をされる方は極めて少ないです。県内では沢へ行っても岩に行っても会う人、ほとんど友人か知り合いですもの。それだけ狭い世界なのでしょう。ハード系の山行の場合、自分たちの山岳会だけではパートナーをゲットできず(主に沢や雪山など)、他の山岳会の仲間を誘い合同で行くケースが増えています。
特にこの数年は、私自身様々な山岳会の方々を誘って沢へ行く機会が急増しました。そういった状況の中、万が一メンバーが事故に遭った場合、救助(セルフレスキュー)しなければなりませんし、また自分が参加していない山行でも、もし仲間が遭難した際には助けに行かなければならないケースも出てきます。沢や岩、雪山等、ハードな山行をされる方にとってセルフレスキュー技術の習得は義務であり、必須項目なのだと思っています。
最近読んだ本に永田秀樹著の『山の遭難 生きた、還った セルフレスキューの秘訣』があります。その第1章の「生きた、還った ケース12」では、私の知人や知っている山岳会の遭難の具体的な事例が掲載されていて、「なぜ、彼らは生きて還れたか!」が良くわかります。的確で冷静な判断と素早い対応がいかに大切か!がわかります。また、本書で紹介されている名だたる山岳会の大ベテランの強者でさえ、事故は起こりうるのだ…ということもわかります。
本書の「はじめに」に、以下のように記載されています。『山岳遭難は、どんなしっかりした登山グループでも大自然の脅威の中で、時には不可抗力のような形で発生する。しかし、アクシデントにあっても、危機を乗り越え、「自力」で無事生還して来る優れた人もいる。
生還してきた人々は、単に幸運だったから下山できたのではなく、アクシデントに遭ったものの、幸運を呼び込むだけの知識とトレーニングを普段から実践してきた成果がそこに現れている。それこそが「セルフレスキュー」である。その知識と不断の努力があってこそ、はじめて大自然の猛威の中から帰って来ることが出来るのだと思う。』と。
山で一番大切なこと…それはどんな状況に陥っても不屈の精神で「何が何でも生きて還るぞっ!」と最後まで決して諦めないこと。いわゆる「生きて還る技術」が大事!私はよく遭難事例の本を読みます。そこでたくさんのことを学びます。事故はちょっとしたことで起きるし、また生死の分かれ目も僅差なのだと…。何よりも冷静でいることが大切のようです。
岩手県の合同セルフレスキュー講習会、来年もぜひ行いたいと思っています。今回ご協力、ご参加いただいた皆様に心より感謝申し上げます。また、このような素晴らしい講習会を中心となって企画して下さった重鎮のSさんはじめ盛岡山友会の皆さんにも心より感謝です。本当にありがとうございました♪今回、私は前夜の懇親会には残念ながら参加できませんでした。県内の様々な山岳会が、これほど多く集まる機会はめったにないことだと思います。今後も継続していきたいものです。
PS.上の写真は本番さながら、宙吊りからの自己脱出に励むUさんです。下は、講習会を始める際の挨拶で皆を撮影しました。沢と岩と雪山を愛する岩手の素敵な仲間達です。
昨日26日(金)にWindows8が全国(世界)一斉販売されました♪どんなOS何だろうか?興味津々!てなわけで、早速購入してみることにしました。一応これでもパソコンスクールの経営者ゆえ生徒さんの為になるであろうことは、積極的にいち早く取り入れていきたいと思っています。
Windows 8の“目玉”となる特徴は、何と言ってもタッチ操作に対応したことです。ある意味iPad(アイパッド)の真似っこかもしれませんが…。「これまでマウスだけで操作していたことが、タッチ操作でもできるようになり、使い方の幅が広がった!」とマイクロソフトは言っています。
Windows 8 Pro アップグレード版 発売記念プロモーション(期間限定)のダウンロード版が何と3,300円!「これくらいの値段だったら、試しに買ってみてもいいかな~!」と思ったのです。正直、これまでのマイクロソフトの価格に比べたら信じられないほどの激安です。当スクールにはWindows7のパソコンが三台ありますので、そのうちの一台を実験台としてインストールしてみることにしました。
その前に、「アップグレード アシスタント」なるマイクロソフトが無料提供しているソフトをインストールし、Windows8にアップグレードした際の不具合を調べることにしました。そのレポート結果を見て驚きました。Office2003(ワードやエクセル2003)は、Windows8では作動しないようです。その他にも作動しないソフトがいくつか検出されました。これが一番困るんですよねぇ~!アップグレードするのに、何やかんやで1時間以上も費やしました。
このWindows8の最大のウリがipad同様「タッチパネル方式」の採用です。私のように古いパソコン(Windows7)をアップグレードする際は、問題があります。それは、画面自体がタッチパネルに対応していないため、Windows8にアップグレードしてタッチ操作が出来ないということ。これって、アップグレードする意味があるのでしょうか?参考意見を知りたくてネットで色々と皆さんの意見を調べてみました。絶賛する記事と酷評する記事とが混在していて判断に苦しむところですが、価格があまりにも安いので、思わず購入した次第です。
インストールも無事終了し、さっそく使ってみると…。あれまぁ~!結構変わったなぁ~!スタートボタンがないぞ!どこでシャットダウンするのだろう?すべてのプログラムはどこ?コントロールパネルはどこから操作するの?あれれ~!って、感じ…。慣れるまで時間がかかるかも~!起動や動作はWindows7より軽快で快適です。これで当スクールの教室にはWindows
XP、Vista、7、8の4世代のパソコンが揃ったことになります。ほんとパソコンスクール泣かせですよねぇ…(^^ゞ。 上の写真はWindows8をインストールしたパソコンの画面です。従来のデスクトップ形式と、タッチ操作がしやすいMetro(メトロ)と呼ばれるスタイルが追加されました。
沢のシーズンも一段落し、落ち着いた日々を過ごしています。これまで日記ネタが沢のことばかりでしたので、そろそろパソコンのことも書かねば…(^^ゞ。一応、パソコンスクールやっていますから。今月上旬(10月5日)にジャストシステム社から「ホームページビルダー17」が発売されました。当スクールむげんでは、ホームページ作成の生徒さんが多いため、ホームページビルダーのバージョンアップは欠かせない作業です。
早速購入し、従来品とどう変わったのか?どのような新機能が増えたのか?確認しました。一番の目玉新機能は、「Word Press(ワードプレス)に対応した!」ということでしょうか。ワードプレスとは、データベース管理システムにMySQLを利用し、PHPで書かれたオープンソースのブログソフトウェアです(と言ってもわかるかなぁ?)。
これまでワードプレスを使ってホームページを作成するとなればデータベースの設定などある程度の専門知識が必要でしたが、ホームページビルダー17を利用することにより、簡単にワードプレスの機能を使ってホームページを作ることが可能になったのです。言ってみれば「ワードプレスとホームページ・ビルダーが結婚した!」って感じでしょうか。これにより、ワードプレスの利用者が急増すると思われます。
ワードプレスは、世界のサイトの15%で使われているCMS(コンテンツ管理システム)です。わかりやすく言うと、ブログ管理画面のようにブラウザから記事を更新したり、デザインを変えたりできるサイトを自分で作るためのツールです。よって、FC2プログやアメーバブログのようにIDとパスワードを入力すればどのパソコンからでも更新が可能なのです。しかも、一般的なブログのように宣伝広告が一切入りませんし、オープンソースですのでカスタマイズは自由なんです。
ワードプレスで作ったサイトがアメブロなどのブログサービスと違うところは、ホームページとして企業サイトらしい体裁にできるという点と、自分のドメイン名でサイトを持てるという点です。このメリットは確かに大きいです。実際に試しに作ってみて、「ホームページとブログのいいどころ取り!じゃないか~♪」と思ったほどです。
反面デミリットもあります。このワードプレスを利用するには、以下二つを満たす環境が必要なのです。①PHPに対応していること(動的なWebページ作成に必要なサーバープログラム言語)。②MySQL(データベース)に対応していること。各プロバイダが会員向けに提供する無料のサーバーの場合、これに対応していないケースがほとんどで、別途有料のレンタルサーバーを借りる必要があります。
ちなみにジャストシステム(ホームページビルダー)が提供(推奨)しているレンタルサーバーは、10GBで1,480円/月、50GBで3,480円/月です。私が利用しているレンタルサーバーのミニバードは30GBで263円/月です。もちろん、PHPにもMySQLにも対応していますよ。ビルダーで作るワードプレスって、どんな操作方法で、どんなページが作れるのだろう?興味津々!てなわけで、さっそく作ってみることにしました♪今回利用した参考書は『ホームページビルダー17 スパテク125』です。以下をクリックしていただくとサンプルとして私が作ったページが表示されますよ♪スタイルシートをいじったり、プラグインをインストールしたりで結構カスタマイズしていますが…。
感想としては…ワードプレスを利用して作るサイトは、従来の作成方法(フルCSSテンプレート)と大幅に変わりました。ホームページビルダーから修正(更新)する部分「固定ページ」と、ダッシュボード(ワードプレスの管理画面)から修正及び更新しなければならない部分「投稿記事一覧」があって、その区分が慣れるまでちょっと面倒でした。それにアップする度に「データの反映」作業をしなければならず…。
定期的に更新する必要があるページに関しては、ブログ同様とっても簡単に作業できます(どのパソコンからもOK!)。ページを増やしたりするのも超簡単!操作に慣れれば初級者でもある程度のページが出来るようになると思います。サーバーにデータベースを作って初期設定をし、そこにワードプレスをインストールするまでの導入部分が、慣れていない人には難しいかも?です。
結論としては、個人の趣味のページであればテンプレートを利用してもまったく問題ありませんし、ある程度見栄えのするホームページが手軽に作成できます。一方、会社のページをこのワードプレスを利用して作成するとなれば、デザイン等それなりにカスタマイズする必要があり、その為にはスタイルシートなどの専門知識が必要になります。ホームページビルダーの今後の進化が楽しみですね♪
● 『むげんのサンプルキッチン』 ワードプレスで作ったサンプルページ ← 今すぐ見たい方はクリック!
遠路秋田の大曲よりパソコンを習いに来てくださっている生徒のSさんは、沢登りが大好きなお方です。以前より「一緒に沢へ行きませんか?」とお誘いを受けていたのですが、なかなかお互いの日程が合わず実現に至りませんでした。
Sさんがどうにか仕事の休みを取って下さり今回の山行を実現できることになりました。遡行場所は栗駒山の産女川。2008年に発生した岩手宮城内陸地震の影響が懸念されますが、去年単独で遡行し中流部以降は昔のまま健全な状態であり楽しめることが確認できました。それに栗駒山の紅葉の美しさは一級品!生徒さんも私もとっても楽しみにしていました。
20日(土)、紅葉渋滞を敬遠しお昼過ぎに須川温泉に到着できるように自宅を出発!お天気もいいし紅葉の散策をしたいな♪と思っていました。須川温泉に到着し、まるでお祭りのような賑わいと人の多さにビックリ仰天!山というより観光地です。広大な駐車場は既に満車状態、駐車するのに一苦労でした。今年の紅葉は残暑が長引いた影響で遅れ、ちょうど見頃を迎えていました。ほんとタイミングバッチリ!道理で人が多いわけです。
須川湖にも行ってみました。これまで何度も車で通り過ぎているばかりで、実際に見るのは今回が初めてです。紅葉と湖の青のマッチングがまさに絶景♪ほんとウットリ~!癒されますねぇ~♪数時間、紅葉を散策した後、須川野営場(キャンプ場)へ。本日20日(土)はタラさん達が磐井川本流を遡行、私たちとキャンプ場で合流する約束をしています。タラさん達、既にテントを張って中でくつろいでいました。
早速乾杯で~す♪タラさんが作る豪華料理を食べながら山談義に花が咲きます。夜には生徒のSさんも合流し4人で宴会!楽しい夜は続き…一体いつ(何時に)寝たのだろうか?まったく覚えていません…(^^ゞ。朝方テントを激しく叩く雨音で目を覚ましました。一体いつから降っていたのだろうか…。寝袋はグッショリ濡れて冷たくなっていました。最初、夢かと思ったのです。だって、天気予報では雨が降るようなこと、言っていませんでしたので…。雨と風が強く時折雷がゴロゴロピカピカ…。「これじゃ、今日の産女川の遡行は無理だなぁ…紅葉を愛でながらの遡行、楽しみにしていたのになぁ~!」。
朝食のキムチうどんを食べ終え後片付けをしていた時のこと…。「おぉ~!青空だぁ~!」雲の間からチラリと青空が見えたのです♪「これって、先々週行った朝日俣沢と同じパターンじゃないか~!もしかして、晴れるかもしれないなぁ~♪では、晴れること祈って行ってみますか!」と私。ここでタラさん達と別れ、私と生徒さんの二人で7時ちょい過ぎに歩き始めました。まずは笊森の避難小屋を目指します。
ところが30分ほど歩いた時点で天気が回復するどころか悪化する傾向にあることに気づきました。先ほど雲の合間から見えていた青空も今は厚い雲の中…しかも、ポツポツと雨が…。「Sさん、こりゃ天気はさらに悪くなるね!残念だけど撤退しましょう!」と私。その決断をして数分後のこと、土砂降りになりさらに大粒の雹が降ってきて寒いし痛いしで…(^^ゞ。激しい雨で登山道は直ぐに沢化しました。これだけの悪天であれば、諦めもつきます。
残念だけど須川温泉に戻り即解散!この雨じゃ、何もできませんものね。生徒のSさんに至ってはお酒を飲みに遠路はるばる須川温泉まで来て頂いた感じになっちゃって…。その帰りも濃霧で5m先すら見えず車の運転が怖かったです。真湯温泉に着く頃には雨も止み、さらに一関に近づくにつれ先ほどの天気がウソのように晴れ渡ってくるじゃありませんかぁ~!なんか狐につままれた感じでした。沢納めのハズが、こんな結果になってしまって残念でしたが、前日の紅葉と宴会だけでも楽しめたのですから「よし」としましょう♪
PS.上の写真は、高台から見た須川温泉。下の写真は須川湖です。今回撮影した紅葉の写真を『酔いどれ画像掲示板』に掲載しました。また先々週行った朝日連峰の朝日俣沢を『沢の扉』に紹介しました。ご興味のある方は、ご覧くださいね~♪(^o^)
● 『酔いどれ画像掲示板』 栗駒山の紅葉 ← 今すぐ見たい方はクリック!
● 『沢の扉』 朝日連峰・朝日俣沢 ← 今すぐ見たい方はクリック!
今月末は岩手県の様々な山岳会が一同に集まりセルフレスキュー(山岳救助)講習会を行います。本日現在の参加予定者は8団体(岩手県内の8つの山岳会)計22名です。現在、その準備に多忙な毎日を過ごしています。このところ、睡眠不足の日々が続いていて「山に行ってのんびりしたいなぁ~♪」と思うこの頃です。
岩手県内でこのような大規模な山岳レスキュー講習会が開催されるのは、私の知る限り2008年以来のこと…。今回も一応講師を仰せつかってしまいましたので、「皆様のご参考になれば…」と思い、現在せっせと講習会用の資料作成に励んでいます。
今回の講習会は私の持ち時間に制限があるため(3時間)、出来ることは限られています。現在作成している資料(テキスト)は、講習会の為…というより「末永くご活用(ご愛用)いただけるように…」との思いを込めて編集作業にまい進しています。よって、結構膨大なページ数になりそうです。
特にこの数年、岩手県内の他山岳会の方々と沢へご一緒する機会が増えました。初級者の方もいれば大ベテランの方もいます。山岳会が異なるメンバーで行った際、遠慮があるのかな?様々なことを聞きにくい雰囲気があるように感じました。これが同じ山岳会であれば、気兼ねなく「○○の場合の対処方法、教えてください!このような時のザイルワークはどうすれば良いのですか?」って気軽に聞けると思うのですが…。私は聞かれれば親切丁寧に教えるように心がけています。しかし、聞かれなければ説明のしようがありません。岩手全体のレベルアップを図るためにも、今回のような講習会の機会を作って下さった盛岡山友会の重鎮Sさんには感謝してもしきれないほどです。本当にありがとうございました。心より感謝とお礼申し上げます。
この講習資料の「編集後記」にも書かせて頂きましたが、『初心者には基礎をしっかり学んでいただくために、ベテランの方には「見落とし」がないかどうか確認をしていただくために…。(略)
また、自分自身の良い「学びの機会」にもなりました。この資料が皆様のお役にたち安全に山を楽しむ一助になることを願って…。』これは偽ざる正直な私の気持ちです。何事もそうですが、山の世界でも基礎がシッカリしていることが何よりも大切だと、私は思っています。
私事で恐縮なのですが、私はこれまで日本全国の沢を400本以上遡行して参りました。その内9割以上はリーダーを務めさせていただきました。幸いなことに事故を一度も起こしたことがありません。単に運が良かっただけ…かもしれませんが、ロープワークやルート判断、天候判断など慎重に行った「積み重ねの結果」だともいえるかもしれません。特に沢では、ちょっとしたミスが事故に直結します。先輩や後輩など仲間が山で幾人か亡くなっていますので、より慎重になったのも事実です。
今回の講習会テキスト、セルフレスキューだけでなく沢登りの基本的な、かつ大切なこともたくさん盛り込む予定です。ここ岩手では厳しい泳ぎや激流徒渉を強いられる沢はなく、そういったザイルワークが苦手な方(知らない方)が多いかなぁ~!と以前より薄々感じていました。必要がなければ覚える必要がありませんが、今後「アルプスや朝日・飯豊の大渓谷に挑戦してみた~い!」って方の場合は、激流徒渉や泳ぎのザイルワークは必須項目になります。また、岩手県内の沢でも増水時にはそういったザイルワークが必要になることもあります。
激流徒渉の場合、遡行人数やザイル所有本数、流れの強さや深さ、川幅によってザイルワークが異なりますし、その判断も難しいです。そういったことも講習会でご説明させいて頂きたいと思っています。本当は実際に沢へ行って練習出来ればよいのですが…。「自分はどこまで激流に耐えられるかな?」自分の限界を体験し、判断の基準を知ることはとても大切なことです。
今日も仕事の暇を見つけては、自宅の庭の木にロープを縛り様々なロープワークの写真撮影に励んでいました。どんな優れた文章より写真でお見せした方が理解が深まりますゆえ。夕方には登高器を使ったオートブロック1/3システムを作って写真撮影に励んでいました。しばらくやっていないと忘れっちゃっていますねぇ~!自分自身、良い勉強(復習)の機会なりました。保険の営業の方や近所の方が「怪しげな視線」で見ていたように感じます(^^ゞ。いや~おしょす~!(岩手弁で「ほんと恥ずかし~い!」の意味)
今回参考にした資料(書物)は、以下の通りです。現在、私の机は以下の書物で埋め尽くされています…(^^ゞ。微力ながら山と沢を愛する岩手の皆さんのお役にたてれば嬉しく思います。明日にはこの講習テキスト、なんとしても完成させたいなぁ~!今宵も頑張るぞ~♪ PS.上の写真は現在作成中のテキストです。内容構成は1.徒渉(泳ぎ)技術、2.ザックの吊り上げ、3.支点の基礎と応用、4.セルフレスキュー、5.ロープの結び方、6.定番ロープワーク及びザックを使っての搬出方法
/ ザックで担架を作る方法(盛岡山友会様より資料提供)です。
4の「セルフレスキュー」に関しては、A.エイト環の仮固定及び懸垂下降時のバックアップ方法、B.登攀者の自己脱出とビレイヤーの自己脱出方法、C.負傷者の振り分け救助法、D.負傷者のテラスからの収容、E.負傷者の引き上げ1/3システム、F.懸垂下降時の連結部の通過方法を掲載しました。講習会では、ロープの結び方などの基本から支点の作り方、レスキューの応用まで実践したいと思っています。下の写真は、本日我が家の庭にて写真撮影のため、こんなことをしていました(^^ゞ。レスキュー時に用いる負傷者の引き上げシステムです。実りのある講習会にしたいです。参加者皆さんのご協力、何卒宜しくお願い申し上げます。レスキュー講習会、前夜の懇親会も楽しみです♪(^o^) 岩手県のレスキュー技術の向上と素敵な交流の場になることを祈って…。
① 登山技術全書 『沢登り』 深瀬信夫・宗像兵一著 山と渓谷社
② YAMAKEIアドバンスト・ガイド 『沢登り』 吉川栄一編 山と渓谷社
③ ヤマケイ登山学校 『沢登り』 若林岩雄 山と渓谷社
④ ROOK & SNOW BOOKS 『沢登り』 中村成勝編 山と渓谷社
⑤ すぐに役立つ『沢登り読本』 茂木完治・手嶋亨著 東京新聞出版局
⑥ 『沢登り技術メモ』 わらじの仲間
⑦ 『東京マタギの渓流跋渉術』 深瀬信夫 つり人社
⑧ 登山技術全書『セルフレスキュー』 渡邊輝男著 山と渓谷社
⑨ 『山の遭難 生きた、還った セルフレスキューの秘訣』 永田秀樹編 東京新聞出版
⑩ 『山岳救助技術 - 岩場編 - 』 東京都山岳連盟・遭難対策委員会
⑪ 『定番ロープワーク』 盛岡山友会・教育遭対部
本日は山岳ガイドの仕事で生徒さんを秋田駒ケ岳の山頂までご案内させていただきました(国見温泉より入山)。沢登り以外で山を登るの、ほんと久し振りです。今シーズンは毎週のように沢へ入っていましたゆえ。今年の沢初めは6月18日、気付けば15本遡行。ほぼ毎週遡行していたことになります。欲張って?あと数本遡行出来たらいいなぁ~♪なんて思っています。
今シーズン、ほんと忙しかったです。毎週のように山行計画を練りメンバーを集め実際に遡行し、帰宅後写真の整理、ホームページの更新作業…。この繰り返しの毎週でした。今月末には岩手県内の懇意にしている山岳会が一同に集まり、北上にて「山岳救助訓練」を行う予定です。その為の資料(講習テキスト)を現在せっせと作っています。2008年にも気合を入れて一度作りましたが、それを再度見直し修正・加筆した改定版を現在作成中です。
このテキスト、27日前までには何としても完成させなければなりません…(^^ゞ。「特に沢登りをする人は、最低限このくらいのことは知ってもらいたい!」という基礎的なことをシッカリと学んでいただけるように構成しながら作成しています。基礎がシッカリ出来てこそのレスキューですから。講師は岩手の大御所、北上のS先生。S友会の重鎮Sさん、そして僭越ながら酔いどれこと凡人である私の三名です。
私は沢登りを中心とした基礎的な技術を、S先生と重鎮のSさんには実際の現場でのレスキュー技術(負傷者の搬出等)をご講義いただく予定です。また、現在、様々なご質問をレスキュー参加者に募っています。「こんな時、どうするの?」といったような質問に対する回答やヒントを皆で知恵を出し合って解決していけたら…と思っています。27日(土)は親睦会を催します。実際のレスキュー訓練は28日(日)に行います。現在岩手県内の山岳会8団体の参加表明があり、盛り上がりそうで楽しみです♪
もちろん仕事もきちんとやっての作業です。この多忙な生活は今月一杯で終わる予定です。今シーズンは例年になく多忙を極めましたが、とても充実した毎日でした。仕事と山の両立、どちらも私の大好きなことですので、忙しくても楽しい毎日です。そういった意味でも、本日の秋田駒ケ岳の山岳ガイドは、ほんと久し振りの「のんびりマッタリ癒し山行」となりました♪
朝はガスっていましたが、徐々にガスも取れ視界が効き紅葉の展望を満喫できました♪そうそう、本日登山中に懇意にしているアルペンローズ山岳会のNさんと偶然お会いし、ビックリしました。岩手山や秋田駒ケ岳、早池峰山など、有名な山へ行くと仲間と会わないことはないです。それだけ岩手の山の世界は狭い…ということでしょうか。
秋田駒ケ岳、登山者がたくさんいました(その多くは秋田県側より入山)。さすが人気の高い山です。紅葉はちょうど見頃でいい感じ♪生徒さんも大喜びで嬉しかったです。私も大好きな山です。春夏秋冬、年に数回は登っているように思います。我が家からも近い(1時間)ですしね!冬の秋田駒ケ岳も綺麗で魅力的ですよ。下山後は、国見温泉・石塚旅館さんにて入浴♪ここの湯質は最高ですよ~!
最近の急な冷え込みでこのところ腰痛と膝痛だったのですが、入浴後、大分楽になったように思います。これも温泉効果ですかね♪いい湯でした。明日からまた新たな一週間が始まります。仕事も頑張らくなっちゃねぇ~!本日は仕事とはいえ、紅葉を楽しみながらのマッタリ、楽しい山行でした!たまにはこんな山行もいいもんですね~♪(^o^)
PS.上の写真は、本日撮影した秋田駒ケ岳の写真です。下の写真は、去年行われた岩手県合同のレスキュー訓練にて(岩場での事故者の救出方法)。
一晩降り続いた雨ですっかり意気消沈した私…。Mさんが豪華うどんを作ってくれました♪その時です!先ほどまで小雨とどんより厚い雲に覆われていた空にお日様と青空が広がってくるじゃありませんか~♪
青空が出ると元気が出てくるから不思議ですね。「お天気、回復傾向にあるのかな?青空が出た以上、遡行しない手はないよね!じゃ、行きますか~!」と。確かに増水はしていましたが、Mさんと二人なら何とかなるだろう!
朝一から高巻きです。その滝を超えると両岸狭まりゴルジュ帯に突入です。ゴルジュと言っても、朝日の沢特有の明るさと開放感があり気分爽快です!時折陽が射し気持ちい~い♪それにキラキラ輝き綺麗だなぁ~♪沢はやはりこうじゃなくっちゃね~!お日様のもと、遡行出来る喜びを噛みしめました。
標高980mの下ノ岩魚止沢出合を過ぎると見事な滝が~♪花崗岩の白い岩肌が美しい滝です。吉川栄一編の『沢登り』ガイド本に載っていた「落差50m岩魚止めノ滝」のようです。どう見ても50mもあるようには見えないけど…(半分の25m位でしょうか)。ここは右からも左からも登れそうでしたが、左から超えることにしました(容易)。
その花崗岩の美しい滝を超えると、側壁髙く4~5mほどに狭まるゴルジュになります。こんなところに不安定な雪渓がかかっていると苦労するだろうなぁ…(幸い雪渓はありませんでしたが)。順調に進むと1,210mの三俣に到着!ここで右の沢へ90度曲がり岩魚止沢へと進みます。出合からいきなり三連瀑です。岩が脆く、しかもシャワーを頭から思いっ切り被りながら直登!うぅぅ~寒い!
三つの目の滝を登り終えると「おぉぉ~!大滝だぁ~♪でっかいなぁ~!」迫力あります!ネットの遡行記録では50mとなっていましたが、それ以上あるように見えます。「直登した記録は多数あるようだけど、本当に登れるのだろうか?」と思うほどの巨大さを感じます。直登するか否か?結構悩みました。空身だったら間違いなく登れそうだけど…。上部がどうなっているか?不安。また30mロープ1本しか持ってきていなかったのは致命的かも…。
ここは安全を期して左岸より高巻くことにしました(右岸は草付きで悪そうに見えたので)。この高巻きも下から見ると楽勝そうに見えたのですが、実際に側壁に取りついてみると結構な斜度で気を緩められません。「ザイルを出すべきだった…」と反省しました。
高巻きの最中、大滝が望めましたが距離は100m位あるようにも見えました。この大滝を超えると、あとは山頂直下まで延々と滝、滝、滝(連瀑帯)のオンパレードです。その光景を目にした時、あまりの滝の多さに「マジですか…登れるのですか?自分…」と思ったほどです。しかし、実際に登ってみると…高巻いたのは一か所のみで、あとは直登出来ました。辛抱強く一つ一つ丁寧に、かつ慎重に登っていきました。次第に天気も崩れてきて雨こそ降りませんでしたが、雲とガスに覆われてしまいました。
遡行すること4時間20分、大朝日岳山頂直下のコル(登山道)に出ました。無事山頂を踏み、Mさんと握手を交わしました。紅葉が綺麗♪今一つのお天気でしたが、山頂にはたくさんの人で賑わっていました。中ツル尾根の下りが長かったぁ~!15時20分、下山に4時間要し無事駐車場に到着!帰りに五百川(いもがわ)温泉にて汗を流しました。入浴料が何と150円にはビックリ!しかも、石鹸まで置いてありました。その後、一路岩手を目指し途中前沢PAで晩飯を食べて帰りました。
夏はズダズダの雪渓で困難(危険)…。秋は日が短く時間との勝負!足の揃ったパーティーで臨むのが好ましい沢だと感じました。それほど難しい所はありませんが、直登するか高巻くかの判断、どちらから(右か左か)登るか(高巻くか)?などルートの見極め等、総合力を問われる沢だと思いました。久し振りの朝日の沢、とても楽しかったです。私の計画にお付き合いいただいたMさんに心より感謝申し上げます。ありがとうございました♪
PS.今回撮影した写真(7日遡行分)を『酔いどれ画像掲示板』に掲載しました。また先々週行った吾妻連峰の前川大滝沢と安達太良山の烏川左俣を『沢の扉』に掲載しました。ご興味のある方は、ご覧くださいね~♪
● 『酔いどれ画像掲示板』 朝日連峰・朝日俣沢 その2 ← 今すぐ見たい方はクリック!
● 『沢の扉』 吾妻連峰 前川 大滝沢 ← 今すぐ見たい方はクリック!
● 『沢の扉』 安達太良山 烏川左俣 ← 今すぐ見たい方はクリック!
さて、前回の日記の続きです。朝日鉱泉ナチュラリストの家より標高655mの二俣まで朝日川沿いに続く登山道を歩きます。それにしてもザックが重いなぁ~!その二俣で朝日俣沢と黒俣沢に分かれ、我々は左の朝日俣沢へと入渓します。
入渓して直ぐに三階滝なのですが、滝というよりゴルジュって感じでしょうか。その後、しばらくゴーロが続きます。水の透明度が高く綺麗だなぁ~♪標高720mのミカゲ沢出合の直ぐ先には、突破困難なプチゴルジュが…。ここはミカゲ沢にかかる小滝を登り小さく巻きました(踏み跡あり)。
それにしても倒木が多いなぁ~!740mの下ノ大沢出合は大量の倒木に埋もれ、意識しないと気付かずに通り過ぎてしまうほどです。やがて800mの上ノ沢出合に到着。ここまでは楽勝!時間は12時、朝日鉱泉より3時間半。本日の幕営予定地である標高940mまで標高差140m距離約650m、「これじゃ、早く幕場に着き過ぎだよねぇ~!もっと上を目指したいけど、テント張れそうにないだろうな…」とMさんと言い合っていました。
標高940mから上部は、等高線の間隔もきつくなりV字状の渓相を呈していますので、安全な幕営地は望めそうになく、「テントを張るなら940m地点以外ないな!」と当初より考えていました。その二俣(標高800m)を右に入ると沢幅もぐっと狭くなり、側壁も髙く聳えV字状の渓相(ゴルジュ)が続くようになります。「どんな滝が待ち構えているのかな?いよいよか!」と気合が入ります。
二俣の800mから天場予定地の940mまでのわずかな距離に立派な(困難な)滝が5つ…。そのうち三つはザイルを出して直登しました。残り二つは高巻きました。高巻きも重労働です。小滝を含めると、その対応に忙しい。これらの突破に時間が掛かりましたので、先に述べた「早く天場に着き過ぎるのでは?」という心配は必要なかったようです。「さすが朝日の沢だなぁ~!なかなか楽しませてくれるじゃないの~♪」
反面、「明日もこのような滝がバンバン出来てきたら時間的に大変だよなぁ…」と、ちょっと心配になったほどです。結局このゴルジュ帯は1時間半で突破出来、13時40分には幕営予定地(940m地点)に到着しました。時間は早いけど、幕営地としてはここしか望めないし。ここは広い河原になっている為、多少の増水でも比較的安心できる貴重な場所。薪を集めること15分、大量に集めることが出来ました!これも沢が荒れていたお陰?でしょうか。無事テントの設営も終わり、後は飲むばかり~♪
二人だけではもったいないくらいの盛大な焚火を囲みMさんと酔いどれていたその時、「あっ!人だ、遡行者だ!」。これにはビックリでした!まさか人に会うとは…。二人の遡行者がこちらに向かってきました。お互いに挨拶を交わし軽く会話をしました。その時何気に「ちなみに、どちらの山岳会ですか?」と聞いたところ「東京の逍遙渓稜会です!」と。
「あっ!実は私もかつて会員だったことがあるんですよ!かなり昔のこと(18年前の1994年当時)ですが…。これも何かのご縁、もしよかったら一緒に飲みませんか?」とお声を掛けさせていただきました。もちろん快諾して下さいました。
岩手チームと逍遙渓稜会さんとの懇親会の始まりです♪お互い初対面でも「沢」という共通の話題があり話が盛り上がります。「○○の沢はどうでしたか?」とか「○○さんは今…?」とか、沢の世界の狭さを感じました。私もMさんも関東暮らしが長かったので…。「今度ぜひ、岩手にいらしてくださいよ~!」って。
逍遙渓稜会のNさんは、現在会の代表を務められそのお名前は以前より知っていました。ネットで彼のたくさんの遡行記録を読んでいたからです。ましてや、今回の朝日俣沢に関しては、そのNさんが2006年に遡行した時の記録を参考にさせて頂いていました。なんという偶然でしょうか!楽しいひと時を過ごさせていただき、ありがとうございました♪この場を借りて心より御礼申し上げます。
夜8時…Mさんが「私、寝かせてもらっていいですか?」と。「えっ?まだ8時だよ!マジですか…(^^ゞ」と驚きましたが、きっとお仕事が忙しく疲れているのだろう!と思い、「じゃ、早いけど寝ましょうか!」と私。沢で8時に寝るなんて前代未聞です。夜11時、テントを激しく叩く雨音で目が覚めてしまいました。「夢かな?」と思い、外に出てみるとシッカリ雨が降っていました。マジですか…(^^ゞ。まさかの雨に愕然とする私…。
ヤバいなぁ…。テントが心配になり(増水で浸水しないか?)、1時間おきに起きて増水具合をチェックする私…。結局朝までず~っと降り続きました。寝袋の中で考えたこと…。「リーダーとして無事下山することを最優先に考えなければ…」と。5時起床、雲は厚くまだ雨がシトシトと降り続いていました。「Mさん、残念だけど、この雨(天気)じゃ今日の遡行は厳しいかもね…」と話を切り出しました。いよいよこれからだ!というのに…。その後の我々の行動はいかに?次回の日記に続きます。
PS.『酔いどれ画像掲示板』に遡行初日(6日)に撮影した写真を掲載しました。ご興味のある方は、ご覧くださいね♪上の写真は、940mの貴重な天場。写真左下に逍遥渓稜会さんのテントとお二人が見えます。あ~明日は朝一であの滝を高巻くのか…遠い目…(^^ゞ。下の写真は、今シーズン最後になるであろう盛大な焚火♪写真右上にMさんが見えます。
● 『酔いどれ画像掲示板』 朝日連峰・朝日俣沢 その1 ← 今すぐ見たい方はクリック!
心地よい疲労感と筋肉痛の中、さわやかな朝を迎えた今朝…。布団の中でウダウダしながら、お天気に翻弄されながらも(一晩中降り続くまさかの大雨に遭遇)楽しく美しかった朝日俣沢のことを思い浮かべていました。今朝はまさに秋晴れ!素晴らしい天気♪「あ~遡行中にこのお天気、欲しかったなぁ~!」。
朝日連峰の沢へ入るのは2007年9月末に単独遡行した根子川本流入りソウカ沢以来で、実に5年振りのこと、計画段階からとても楽しみにしていました。この三連休前半の休み(10月6日~7日)を利用し、北上在中のMさんと二人で朝日連峰の朝日俣沢を遡行して参りました。
この朝日俣沢、以前より「機会あらばぜひ行ってみたい沢」の一つでした。一般的に朝日連峰の沢と言えば、困難な(5級)沢がひしめきあい日程的にも3日以上要する沢が多い中、この朝日俣沢は貴重な沢だと思います。その理由は、なんたって山中1泊2日で朝日連峰の主峰、大朝日岳にダイレクトにツメ上げることが出来ますし、技術的にも中級レベルで入渓しやすいのも魅力だと思います。
この沢の存在を知ったのが22年前、山と渓谷社出版の沢ガイド本、『沢登り(吉川栄一編)』でした。その中で「朝日の沢の入門として最適であろう!」と紹介されていました。その記述によると遡行グレードは3級下で、いとも簡単に遡行出来そうに受け取られる印象で書かれていたように思います。
しかし、ネットで実際の遡行記録を調べてみると、どれもこれも「大変だった、苦労した!手強い沢だった、ガイド本の記述に騙された…」と言った記載が数多く、簡単に遡行出来た記録は、私が調べた限りでは皆無でした。これらたくさんの遡行記録を読み「決して甘くはない沢だな!」と確信した次第です。これらネットの遡行記録は、残念ながら写真が少なく、文章を読んでも今一つ実感が湧きませんでした。帰宅後、再度読み直すと「あっ!この滝の記述は、あの滝のことを言っているのだな!」と直ぐにわかりましたが…。
何はともあれ、実際に行ってみて現場で判断するしかない!他人様の遡行記録はあくまでも参考程度にとどめ、現場で判断し自分たちの力量に応じて遡行するのがベストだと思っています。今回の私のパートナー北上市在中のMさんは、関東ご出身(さがみ山友会)のバリバリ沢屋さんで、飯豊本流など日本を代表する大渓谷(5級の沢)を数多くこなされてきたエキスパートです。そんな強力なMさんと二人きりの遡行ですので、全く不安はありませんでした。
不安や怖さよりも、むしろ期待と楽しみの方が大きく、皆さんが遡行記録の中で記述されている「手強かった、厳しかった…」という部分は一体どこなのか?何が大変だったのだろうか?自分自身で体感してみたいと思いました。上記に述べた「沢登り」ガイド本の記載内容と、実際の数々の遡行記録の内容がこれほど大きく異なる沢を私は知りません。「その部分も解明してみたいな!」という気持ちもありました。
実際に遡行するうえで重要なことが二つあります。一つは幕場(テントを張る場所)。沢の場合、安全、かつ快適に幕営できるところは極めて少なく、過去の遡行記録が役に立ちます。もう一つは、遡行時間。遡行計画を立てる上で極めて重要です。これは気象条件や雪渓の有無、人数、パーティーの力量により大きく異なります。
実際にこの朝日俣沢、1泊2日のパーティーもあれば、2泊3日で遡行しているパーティーもありました。また遡行時間にも大きな差を感じました。それらの条件を踏まえ、一番参考にしたネットの遡行記録が東京の沢登りスペシャリスト集団、逍遙渓稜会さんの2006年の遡行記録(長島(L)・井谷)でした。私たちと同じ2名、かつ季節も同時期でしたゆえ。これが後のサプライズにつながるとは(後日の日記に掲載予定)、この時は予想だにしていませんでした。
10月6日(土)朝3時30分に起き、4時30分に北上江釣子ICにてMさんをピックアップ、一路山形県・朝日連峰を目指します。我が家から登山口の朝日鉱泉まで約300K、車で4時間の距離です。寒河江ICで降り、まるで夏油温泉の林道をほうふつさせるような怖い林道(片側崖でガードレールなし)を20Kも走り、やっと朝日鉱泉ナチュラリストの家に到着したのが8時ちょい過ぎ。沢支度をし8時25分には登山道を歩き始めました。久し振りの朝日連峰、ブナ林が美し~い♪天気予報では「晴れ」のハズが、どんよりした曇り空で寒い朝でした。紅葉はまだ早いかな?って感じでしょうか。今日はここまで!続きは後日の日記にて~!お楽しみに~♪(^o^)
PS.上の写真は大滝50mを見つめる沢の達人、Mさん(写真右下)。彼のルートの見極め判断能力の素晴らしさは見事です。また、何をするにも超素早いです。ザイル操作、登攀、ルート判断、設営、たき火、料理などなど(今回は寝るのも早かった)。Mさんは場数を踏んだ達人で、頼りになるお方です。
9月30日(日)遠征2日目、今日は吾妻連峰・前川大滝沢の遡行です。私にとって三度目の遡行。最初に遡行したのが17年前の1995年8月のこと。この時は東京から電車に乗って前夜この峠駅に泊まり、単独遡行しました。二回目は8年前の2004年8月、岩手より車でアプローチし、中津川を遡行したついでに遡行。この時は三名でした。
10月、秋に遡行するのは初めてです。朝目が覚めると曇り空の中、しとしとと雨が降っていました。峠駅より滑川温泉へ移動し遡行準備します。※滑川温泉に至る道路は、道路改修工事のため、10月1日から来春まで通行止めになり、一般車両は完全通行止になります(歩いて通過することは可能)。
いざ入渓!その時、奇跡が起きました!今まで雲に覆われていた空からお日様が~♪やはり沢には青空が似合います。キラキラ輝く清流とナメが美し~い♪水量は明らかに増水していました。徒渉ポイントを見極めなければならず、神経を使います。メンバーの皆さん、ベテラン揃いですので「まぁ、大丈夫だろう!」と判断し突っ込みました。
最初の難所2段15m滝、過去2度楽勝で登っているのですが、今回は激しい増水でジェット水流!慎重に登りました。増水のお陰で?滝やナメの迫力が増し、余計に綺麗に見えます。季節と水量とメンバーが異なれば、まったく別の沢に思えてしまうから不思議ですね。「綺麗だなぁ~!素晴らしいなぁ~!」と皆の口から笑みがこぼれます。
やがて大滝120mに到着!「うぉぉぉ~!わぁぁぁ~凄~い♪」歓声が上がります。今日の大滝は増水で一面水飛沫を上げ豪快に流れ落ちています。まさに絶景かな!しばし鑑賞♪この大滝は右岸より高巻きますが、登山道並みの立派な巻道がついていて、人気のほどが伺えます。大滝を超えてもナメと小滝が連続し、まったく飽きさせません。今日のトップは若手のホープK君!エネルギーが有り余っているのか、増水をものともせず超ハイペースでどんどん進んでいきます。
写真を撮っている間に姿が見えなくなってしまうこと数知れず…。おいおい、待ってよ~!盛夏なら釜に飛び込んだり滑り台したり、はしゃぎたくなるような沢です。増水の中、遡行すること4時間で潜滝下の登山道に到着!早っ!「せっかくここまで来たのだから潜滝も見に行こう♪」私は過去2回、見ずに下ってしまっていたのですよ…。お日様に照らされた潜滝は、ほんとお見事!しばし皆で見惚れていました。まさにフィナーレを飾るのにふさわしい滝ですね♪
遡行に4時間かかった沢も下山は1時間ちょいで滑川温泉に到着!この温泉で汗を流し岩手に戻りました。途中北上ICで降り、鶏のから揚げで有名な「カケタ養鶏場直売所(北上市花園町1-1-26)」に寄り買っていきました。メンバーのタラさんは、なんと盛岡よりここまで買いに来るほどで「ここのから揚げを食べると、他のが食べられなくなるほど旨いよ~♪」とのこと。まさに絶品でした♪こんな美味しいから揚げは初めてかも~!遠路滝沢から買いに来るタラさんの気持ちがわかりました。
今回沢でのリーダーデビューを見事に務めあげられたW女史、美味しい料理の数々、ありがとうございました。ず~っと車を運転して下さったタラさん、増水の大滝沢でず~っとトップを取ってくれた若手のホープK君、遠路神奈川から合流してくれた沢の達人Mさん、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました♪またご一緒させていただくこと、楽しみにしています。そうそう、上の写真は大滝120mです。滝下にタラさんとK君が小さく見えます。
PS.『酔いどれ画像掲示板』に今回撮影した吾妻連峰の前川大滝沢の写真をアップしました。ご興味のある方は、ご覧くださいね~♪(^o^)
● 『酔いどれ画像掲示板』 吾妻連峰・前川大滝沢 ← 今すぐ見たい方はクリック!
9月29(土)~30(日)はW女史リーダーのもと、4つの山岳会合同(計5名)で「チーム岩手」による福島と山形へ沢遠征!福島県は安達太良の烏(からす)川左俣を遡行し、山形県は吾妻連峰の前川大滝沢を遡行。2日間で2本の沢を満喫して参りました。
台風の接近により週末のお天気は期待できない状況の中、29日(土)早朝、盛岡を出発!まずは福島県・二本松ICを目指します。そこから岳温泉経由で安達太良スキー場へ。二本松ICを降りて途中のコンビニで昼食を買おうと思ったら一件も発見できず…。今日の昼食は非常食か…(^^ゞ。
安達太良山の沢は、過去3本遡行しています。杉田川、石筵川本流、湯川の有名どころですが(いずれも単独)、今回遡行する烏川左俣は初めて、どんな沢かな?楽しみです♪当初は「烏川、なにそれ、そんな沢あったの?」初めて聞く沢名で早速ネットで調べてみると遡行記録がたくさん出てきてビックリでした。なにやら山岳雑誌・岳人2010号10月号に紹介された沢のようです。しかも、「特集・岳人流
紅葉と温泉 厳選32ルート」の中の一つとして。
天気予報によれば今日はまずまずのお天気のはずだったのですが、安達太良山のスキー場に到着すると、濃いガスと小雨が…。しかも、沢へ降り立つと増水してるし…(^^ゞ。昨日28日(金)は、結構雨が降った様子。今回は気心知れた強力メンバーですので、このくらいの増水なら遡行上まったく問題ありません。いざ遡行開始!この沢で一番綺麗なところには遊歩道(あだたら渓谷自然遊歩道)が整備されていますが、そんなの無視!沢の中をジャブジャブと遡行しました。
正直あまり期待していませんでしたが、「なかなか綺麗な沢じゃん♪ナメが美しいなぁ~!」なんか得した気分です。しかも、増水により迫力を増し余計綺麗に見えたように思います。台風の接近による影響でしょうか、異常に蒸し暑いです。標高1200mの二俣を左に入り先に進むと大滝がドカ~ン♪見事な階段状の滝で高さ40m×長さ80mもあるだろうか(左上の写真がそうです)。増水のお陰で迫力を増し、見ごたえ十分!この大滝、快適に直登出来ます。
その後は、ヤブがうるさくなりペースダウン…。最後のツメは、ネットの遡行記録によると皆さんヤブ漕ぎに苦労されている様子、覚悟していました。「かかってきんしゃ~い!」と気合を入れて突入しましたが、思い他ヤブは薄くあっさり登山道に出てしまい拍子抜け…。一般登山道に出たら登山者の多さにビックリ仰天!小学生の団体が登っていました。この安達太良山はゴンドラを利用し楽して一気に高い所に登れ、しかも日本百名山でもあるし、さらに花の百名山でもあるし、非常に人気の高い山のようです。
この日はあまりお天気が良くなかったのですが、それでもこの人、人、人ですから~!駐車場から歩くこと約4時間、12時30分に安達太良山の山頂に到着しました。360度見渡す限り一面のガスで白色の世界…(^^ゞ。山頂は強風が吹き寒く、ちょっと休んで直ぐに下山開始!雨でグッショリ濡れた登山道、粘土質のため滑るのなんのってぇ~!沢よりこの粘土質の登山道下りの方が余程神経を使い核心だったように思います。
下山後は岳温泉にある「岳の湯(300円、シャンプーなし石鹸あり)」で汗を流し、福島飯坂IC側のヨークベニマル(スーパー)にて買い出し後、山形県は吾妻連峰・大滝沢の登山口である峠駅(今宵の泊り場)へ移動です。そうそう、W女史の山形在中のお友達がわざわざ差し入れを届けに来てくださいました。米沢牛に地酒(住吉)、そしておつまみまで~♪とっても美味しく頂戴いたしました。この場を借りて心から感謝とお礼を申し上げます。本当にありがとうございました!
この奥羽本線の峠駅は、「秘境駅」としても有名のようで、巨大なスノーシェルターがあり風雨をしのぐことが出来ます。今日の晩飯は芋の子汁♪早速乾杯です!19時38分、神奈川に出張中のMさんとこの駅で合流!こういうところで再会できるなんて感動モンです。フルメンバーが揃ったところで、またもや乾杯です♪(^o^) 楽しいひと時でした。続きは後日の日記に続きますね。