千古の歴史 仙北街道

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仙北街道 1

豊ヶ沢林道を入って直ぐのY字路。 本来は右の豊ヶ沢林道を入るらしいけど 現在工事中の為、左の迂回路を通るのが正解。

私は右の工事中の林道へ侵入してしまい 大変な目(悪路)に遭いました…。 現在は、舗装工事も終わり右の林道の通行可能です。

2013年11月2日撮影

仙北街道 2

豊ヶ沢林道入り口から標高850mの 林道終点まで約 6キロです。 5~6台は駐車できそうです。

ここより歩き始めます。 林道は分岐がたくさんあり間違いやすいので 下にGPSの軌跡を掲載しました。

2013年11月2日撮影

仙北街道 3

今日は朝から快晴!まさに秋晴れです♪

今回、山行にあたり参考にした資料は以下の通り ①「千古の歴史を刻む仙北街道」 ②「まるごと自然館」 ③「仙北街道(仙北道) 古道を歩く岩魚旅」 です(一部抜粋)。

2013年11月2日撮影

仙北街道 4

駐車場から歩くこと6分で 「十里峠」の標石があります。 この仙北街道には要所にこのような 標石があり、現在地を知る上で 良い目印となります。

2013年11月2日撮影

仙北街道 5

十里峠から5分で「藩境塚」の標石です。 この直ぐ下に水場(沢)があります。 本コースの貴重な水場です。 ここから先、小出川に降りるまで 水場は一切ありません。

2013年11月2日撮影

仙北街道 6

駐車場から歩くこと30分で 「丈(じょう)の倉」の標石に到着しました。 本コースで一番展望の良い場所です。

2013年11月2日撮影

仙北街道 7

その丈の倉からの展望です。 奥に笹森山、手前にこれから 目指す柏峠(1018.2m)を望みます。

2013年11月2日撮影

仙北街道 8

これも丈の倉からの展望です。 焼石連峰が一望できます。 左の尖がった山が三界山(1381m)です。

2013年11月2日撮影

仙北街道 9

綺麗に刈り払いされた歩きやすい道でした。

千年を超す長い歴史を持ち、明治15年までは大いに栄えた仙北街道ですが、大正時代、北上-横手間の平和街道(国道107号)が開通すると、急速にさびれ、いつしか忘れ去られ国土地理院発行の地図からも消えました。

2013年11月2日撮影

仙北街道 10

焼石連峰をズームアップ!

近年(23年前より調査開始)、岩手県、秋田県の地元有志の皆さんによって、荒れ果てた街道を踏査し、刈払い等の作業を続けてくれたお陰でこの古道・仙北街道が復活したと聞きます。

2013年11月2日撮影

仙北街道 11

「引沼道」の標石です。

この街道が歴史に登場したのが奈良時代の776年!何と1200年余りの歴史を持ちます。 坂上田村麻呂が胆沢城を築城、雄勝城との連携路として整備されたのが、この仙北街道のようです。

2013年11月2日撮影

仙北街道 12

本コース最高所の「柏峠 (1,018.2m)」です。 ここから小出川まで約450m下ります。

単に歴史が長いということだけでなく、この一帯は1990年3月、白神山地や八幡平玉川源流部とともに栗駒山・栃ケ森山周辺森林生態系保護地域に指定されました。 そのど真ん中を横断し、現在もなお開発から 逃れて、ほぼ昔のまま現存しています。

2013年11月2日撮影

仙北街道 13

右に見えるのが東山(1,117.3m)です。 地元では、シンボル的な山のようです。

2013年11月2日撮影

仙北街道 14

ズームアップ!国道397が見えます。 街道は、ほぼこの国道397、そして 焼石連峰とと並行しています。

2013年11月2日撮影

仙北街道 15

千古のロマン溢れる街道! 「この道を絶やすまい!」と秋田県東成瀬村と岩手県奥州市の「仙北街道を考える会」が毎年「仙北街道探訪踏査」のイベントを実施しているようです。

今回歩いてみて、普通の登山道と何ら変わりなく立派な道でした。道幅は狭い場所で30センチ、広い場所で1メートルといったところでしょうか。ちなみに、文献によると当時の街道の幅は9尺(2.7m)もあったようです。

仙北街道 16

山神に到着! この石碑には、江戸時代(文化年間) の年号が刻まれています。

数百年のブナの森と険しい峰に刻まれた古道、 そして苔蒸した山神の石碑…千古の歴史を 刻む古道のロマン街道、もっと歩かれても よい道(ルート)だと思いまし歌。

2013年11月2日撮影

仙北街道 17

エミシ征討、前九年の役・後三年の役など戦の道としての役割を務め、一方では、キリシタン領主と呼ばれた後藤寿庵が逃亡したのもこの道だったようです。

当然、商いの道でもあり、天保の飢饉の際には、秋田から米3,000俵が牛や人によって運ばれたと言います。

2013年11月2日撮影

仙北街道 18

標高860mにある「粟畑」の標石。 ここより小出川まで一気に約300m下ります。

2013年11月2日撮影

仙北街道 19

ブナの紅葉が綺麗♪

2013年11月2日撮影

仙北街道 20

秋田と岩手の荷物の交換を行った中山小屋の跡。 ここに中継所兼仮倉庫であった笹小屋があった。

旅人の一夜の宿としても活躍したらしく 「お助け小屋」とも呼ばれていました。 小屋には、常時鍋と椀が備えられていました。 手倉からここまで3里12キロ、 ちょうど半分の道程です。

2013年11月2日撮影

仙北街道 21

紅葉を愛でながら歴史の重みを感じつつ、 街道を進む私…。

2013年11月2日撮影

仙北街道 22

森林生態系保護地域に指定されているだけあって、「自然の深さが違うなぁ~!」と体感出来ました。

何といってもブナの立派さと美しさが光っていましたし、紅葉は終わりかけていましたが、標高の低い場所ではまだまだ美しく、楽しめました。小出川の紅葉も見事でした。

2013年11月2日撮影

仙北街道 23

下るにつれて益々紅葉が美しくなっていきました。 ウットリするほどの美しさでした♪

2013年11月2日撮影

仙北街道 24

小出川に到着で~す! これはちょっと感動モンです。 柏沢遡行のアプローチとしても使えそうです。

2013年11月2日撮影

仙北街道 25

「小出の越所」 昔はここにオサゴ橋があったと言います。 この先、山から沢、沢から山へと道が続きます。 雨天による増水時は、通行困難…。

2013年11月2日撮影

仙北街道 26

概ね沢沿いに道が続いていますが、 何度も徒渉を強いられます。 登山靴では厳しいかもしれません。 私は渓流足袋で遡行しました。

2013年11月2日撮影

仙北街道 27

秋田県東成瀬村手倉の起点に設置された古道の案内図によると、元々は24キロの道程のようですが、ブナ原生林を縫う古道は、その約半分の13キロ。 全行程24キロの中間点が、 上の写真20の中山小屋です。

2013年11月2日撮影

仙北街道 28

そのルート(13K)は、秋田県側東成瀬村の起点・豊ケ沢林道終点(標高約850m)から峰伝いに柏峠(1018m)、中山小屋を経て、小出川(570m)を渡渉し、栃川、ツナギ沢沿いの古道を歩き、展望の良い大胡桃山(934m)を越え、峰伝いに下って岩手県胆沢町側の起点になっている大寒沢林道終点に至る約13キロの区間。

2013年11月2日撮影

仙北街道 29

駐車場から歩くこと3時間、ツナギ沢出合まで進むことが出来ました。

出来れば大胡桃山まで足を延ばせたら…との思いもありましたが、帰りのことを考えると無理はできません(帰りの登り返しが辛い)。 今度機会あらば、岩手県側から入り残りを歩き全13Kの行程をつなげたいと思います。

2013年11月2日撮影

仙北街道 30

往路を戻ります。巨木の森が素晴らし~い♪

1200年前の奈良時代から始まって、平安、鎌倉、室町、安土桃山、江戸、明治、大正時代まで歩き続けられた仙北街道、皆この景色を見ながら歩いていたんだなぁ~!と思うと感慨深いものがありました。

2013年11月2日撮影

仙北街道 31

うひゃ~!大量のナメコ発見! 朽ち果てた老木一面にビッシリですよ~♪

2013年11月2日撮影

仙北街道 32

天然のナメコって、美味しんですよねぇ~♪ これで母へのお土産が出来ました。 採れたのはいいけど、その重量たるや、 ザックが一気に重くなってしまいました。

2013年11月2日撮影

仙北街道 33

今回、山デビューの腕時計です♪これまで 15年間愛用した時計(Gショック)が壊れました。 この度、新調し、またもや今回もGショックを購!

80年後半に大ヒットした映画【スピード】 で キアヌ・リーブスが腕にしていたモデルDW-5600、 アマゾンで5,880円で購入しました。 G-SHOCKの最大の特徴は堅牢性、 まさに山屋&沢屋向けなんです。 世界の特殊部隊隊員の多くがこのG-SHOCKを 使用していることからも明らかです。

仙北街道 34

「街道」というだけあり急坂のアップダウンが少なく体に優しいルートですが、沢を徒渉&遡行する場所(小出川、栃川、ツナギ沢)もあり渓流足袋で歩くことにしました。

古(いにしえ)の浪漫街道と沢登りの両方を 満喫できる、私にとってまさにトキメキ山行♪

2013年11月2日撮影

仙北街道 35

帰路、真昼温泉にて入浴♪ 西和賀町(旧沢内村)を通る山行で単独の時は、 よく利用します。

だって、300円なんですよ~! 他の温泉の半額で、しかもシャンプーと石鹸、 そしてドライヤーまであります。但し、浴槽は 狭く、4人も入れば一杯になります。

2013年11月2日撮影

仙北街道 36

仙北街道の歴史や背景の詳細を知りたい方は 右記の高桑信一著 『古道巡礼』を一読される ことをお勧めいたします。

いかにしてこの径(みち)が出来たのか? の時代背景が分かりやすく記されています。 この本によれば、源義経が平泉の 藤原氏を頼って越えた道だったらしい。 また、牢を脱獄した高野長英が 水沢の母に会う為に通ったとか。 さらに、幕末の戊辰戦争の時も兵が この道を通って秋田に侵攻したとか。

2013年11月2日撮影

仙北街道 おまけ

翌週には岩手県側(胆沢ダム、つぶ沼方面) から入山し、歩き残しの仙北街道をつなげる 山行計画を立て、行って参りました。

ところがつぶ沼から先3Kのところで通行止め。 アプローチの猿岩隧道は湖の中に浮かんで いて現在は(今後も)全く通行不能状態です。 よって、岩手県側から入山できません。 2013年11月9日

豊ヶ沢林道入口にあった案内図 
※ クリックで拡大

片道 8.6キロ ※ クリックで拡大

<2013年11月2日(土)>
行動時間 6時間 20分(休憩時間含む)
行き:3時間 帰り:3時間20分

駐車場(7時20分)~丈の倉(7時50分)~柏峠(8時20分)~山神(8時55分)~粟畑(9時15分)~ 中山小屋(9時40分)~小出川(10時)~ツナギ沢出合(10時20分) ツナギ沢出合(10時25分)~小出川(10時45分)~粟畑(11時45分)~山神(12時20分)~ 柏峠(12時50分)~丈の倉(13時20分)~駐車場(13時45分)

仙北街道 下部 1

あれから1年、またここへ来ようとは…。 本当は、焼石連峰の合居沢を遡行する予定 でしたが、雨の為中止に…。 せっかく来たのだから、どこか歩きたいね! と言うことで、地元秋田のSさんが案内して くれたルートが、この仙北街道の下部です。

十里峠手前の駐車場(林道終点)までの道です。 去年来た時、工事中だった林道が完成! 舗装されていてビックリしました!

2014年7月27日撮影

仙北街道 下部 2

この街道は、1200年前、弘法大師も 歩かれたとか…。 この石碑には「弘法大師の足跡石」と 刻まれていました。

2014年7月27日撮影

仙北街道 下部 3

部分的に不明瞭な箇所はありますが、 地元の有志の方々によって整備されている ようです。道標は皆無です。 ちなみに、この道、2万5千図には 一切記載されていません。

2014年7月27日撮影

仙北街道 下部 4

弘法大師堂と書かれていました。

2014年7月27日撮影

仙北街道 下部 5

弘法大師の祠と刻まれていました。 新緑や紅葉の時期に歩いたら綺麗だろなぁ~♪

2014年7月27日撮影

仙北街道 下部 6

歩くこと1時間25分、林道終点の 駐車場へ飛び出しました。

2014年7月27日撮影

仙北街道 下部 7

下りは、林道を下ります。 歩くこと55分で車デポ地に到着しました。

2014年7月27日撮影

仙北街道 下部 8

下山後は、はるせ温泉にて入浴♪ 石彫りの浴槽が魅力です。 なんと400円でしたよ。

2014年7月27日撮影
GPSの軌跡
<2014年7月27日(日)> 
行動時間 2時間 35分(休憩時間含む)

車デポ地(8時20分)~林道終点(9時35分)~車デポ地(10時55分)
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