駒頭山

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駒頭山 1

宮沢賢治の書いた童話「なめとこ山の熊」の モチーフといわれる駒頭山(標高940m)を 単独で登って参りました。

登山コースは、太田山口地区から寒沢沿いの 林道を経て登る寒沢川コース(現在廃道状態)、 鉛温泉スキー場からの鉛温泉コース (今回登ったコース)。 そして、出羽沢林道の終点から登る出羽沢コース (最短ルートで一般的)の3つがあります。

2012年1月9日撮影

駒頭山 2

無雪期であれば、いずれのコースをたどっても 「なめとこ山の熊」の原風景を訪ねる 静かな山旅が楽しめます。

今回は厳冬期ゆえ、 積雪期に唯一アプローチできるルートが 鉛温泉スキー場からのコースになります。 上と右の写真は、出発地点の 鉛温泉スキー場にて。

2012年1月9日撮影

駒頭山 3

標高千メートルにも満たない里山の部類ですが、 ロングルートで山頂までの距離は、なんと 片道6.6Kもあります。往復すると13.2Kですよ!

2012年1月9日撮影

鬼駒頭山 4

リフトの運行(9時より)を待っていたら 時間的に山頂を踏むのは困難を極めます。 よって、まずはスキー場から登っていきます。

2012年1月9日撮影

駒頭山 5

1月の厳冬期にこれだけ晴れるのは奇跡的です! 快晴無風♪最高の山日和です。 このゲレンデをグイグイ登っていきました。

2012年1月9日撮影

駒頭山 6

リフトの最中地点(460m)です。 駐車場からの標高差230mを 40分かけて登りました。 かなりの急傾斜で疲れました…。

2012年1月9日撮影

駒頭山 7

道理で急傾斜だったワケです。 私が登ったコースが、なんと チャンピオンコースだったようで…。

最大斜度38度と書いてありした。 スノーシューでズルズル滑り落ちる くらいの斜度でしたゆえ。

2012年1月9日撮影

駒頭山 8

1月の厳冬期にこのコースから登った記録を ネットで探したものの、皆無に等しかったのです。

唯一ヒットしたのが、東京の沢登り スペシャリスト集団、童人トマの風さんの記録 (2009年1月10日の山行記録)でした。

2012年1月9日撮影

駒頭山 9

地元の人ですら登らないルートを、 よくまぁ~遠路東京からおいでくださいました。 その探究心と行動力には脱帽です。

私としては、『岩手県の山60』に入っている 山だし近場だし、ノルマの一環として「こりゃ、 行くしかないべ!」と、そんな単純な理由で 行くことに決定した次第です

2012年1月9日撮影

駒頭山 10

今回は、不安要素がありました。 実は、二日前の7日から8日にかけて 花巻・北上地域では大雪・雪崩警報が出ていて、ラジオやテレビで盛んに注意を促していました。

「一体どれだけ降ったんだ!」と。 「注意報」ではなく、その上を行く「警報」ですから。

2012年1月9日撮影

駒頭山 11

ただでさえ長いルート、その上大雪 ともなれば、日帰りでの山行は厳しいです。 今回は、スノーシューで行くか? 山スキーで行くか?大分悩みました。

2012年1月9日撮影

駒頭山 12

かなりの深雪でビックリしました。 まさかこれほどまでに積もっているとは…。

スノーシューでもかなり潜り重労働を 強いられました。 この深雪、どうみても新雪でした。 きっと7日に一気に積もったものでしょう。

2012年1月9日撮影

駒頭山 13

潜る、潜るぅ~! まるで足に鉛を付けて歩いているような感じです。

2012年1月9日撮影

駒頭山 14

特に標高550m付近の急登は大変でした。 私の行く手を阻む巨大な雪壁…。 「マジですか!これを登るのですか…」 って感じでしたもの。

2012年1月9日撮影

駒頭山 15

その急傾斜、いくらラッセルしてもさっぱり 前に進むことが出来ず、まるでアリ地獄状態。 正直、心が折れそうになりました。 ヘトヘト、疲労困憊です。

2012年1月9日撮影

駒頭山 16

ふぅ~!やっとの思いで778.5mにある ロボット雨量計に到着しました。 扉は壊れてありませんでしたが、 2~3人なら退避できそうな広さでした。 ここが全行程のほぼ中間地点です。

2012年1月9日撮影

駒頭山 17

ロボット雨量計の付近は、広大な 雪原で気持ちの良いところでした。 そこに扇状の立派な大木が~♪

2012年1月9日撮影

駒頭山 18

こごれびが気持ちい~い♪ 今回は、登る前から決めていました。 12時まで頑張って登って、それでも 山頂に到着しなかったら、 その時点で下山を開始しよう!と。

2012年1月9日撮影

駒頭山 19

大変だったのが、標高550mの急傾斜と ロボット雨量計の手前、標高700mの 急傾斜の2か所だけ。 あとは雪が深いものの傾斜が緩く、 順調に歩を進めることが出来たようです。

2012年1月9日撮影

駒頭山 20

ブナの森の美しいこと~♪ ロボット雨量計の標高が約780m、 駒頭山の山頂が940m、ということは 標高差がたったの160mしかありません。

つまり小さな山々のアップダウンを 繰り返しながら稜線が長々と続いている ということです。

2012年1月9日撮影

駒頭山 21

今回この山を登った理由が単に 「岩手県の山60」に入っていたからであって、 正直、あまり期待をしていなかったのです。

ところが、ところが…まさかこんなにも ブナの森が綺麗な山とは思っていませんでした。 ウットリするほどの美しさでしたよ♪

2012年1月9日撮影

駒頭山 22

ラッセルは確かに大変でしたが、 ブナの森に囲まれ「癒されている自分」 を実感できました。 「体はシンドイけど、心はハッピー♪」 とでも言いましょうか。そんな感覚でした。 そう、この感覚、まさに和賀山塊に 抱かれている時と同じです。

2012年1月9日撮影

駒頭山 23

単独ゆえ、どっぷりと山に浸かることが出来ました。 無心で登っていると、時々自分と自然が一体化するような感覚に陥る時があります。

言葉で上手く表現できませんが…。 私が単独で行く理由は、そこにあるのかも 知れませんね。

2012年1月9日撮影

駒頭山 24

登ること4時間、駒頭山の山頂に到着です! 無雪期に沢登りで登ったことはありましたが、 厳冬期に登るのは初めてです。 同じ山とは思えないほど、違って見えます。

2012年1月9日撮影

駒頭山 25

無雪期は樹林に覆われ、展望なし。 しかし、厳冬期には雪のお蔭で、 このように展望を満喫できます。 山頂から松倉山方面を望む。

2012年1月9日撮影

駒頭山 26

山頂でのんびりランチタイム♪ その後、2時間10分で下山できました。 当初の不安とは裏腹に、全行程6時間10分で 厳冬期の駒頭山を往復することが出来ました。

2012年1月9日撮影

駒頭山 27

下山も潜る、潜る~! こりゃスキーの方がいいかも~! 千メートルにも満たない丘のような山を 登るのに6時間以上もかかる山って、 全国的にも珍しいかもしれませんね。

2012年1月9日撮影

駒頭山 28

下山した鉛温泉スキー場。 祝日ということもあって、スキー場は 家族連れで賑わっていました。

2012年1月9日撮影

駒頭山 29

帰りは花巻の「山の神温泉・幸迎館(600円)」 に寄りました。最高の湯質でしたよ♪

自分の満足が行く山行が出来た時には、 留守を守る母への感謝の気持ちを込めて、 かっぱ寿司でおみやげを買っていきます。 母も私もかっぱ寿司の大ファンですので♪ 久し振りに充実した山行を満喫できました! 気分スッキリです♪

2012年1月9日撮影

GPSの軌跡

<2012年1月9日(祝)>
行動時間 6時間10分 (休憩時間含む)
登り:4時間 / 下り:2時間10分

鉛温泉スキー場(7時20分)~リフト最終地(8時)~778.5mロボット雨量計(9時40分)~ 828m地点(10時20分)~865m地点(10時50分)~駒頭山山頂(11時20分) 828m地点(12時)~車デポ地(12時)~778.5m地点(12時30分)~鉛温泉スキー場(13時30分)
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