金目川本流左俣

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金目川本流左俣1

金目川本流左俣 1

金目橋から小雨降る中、入渓して早々 こんな感じ。濁流状態! ここはヘツリながら泳いで突破!

身長のあるMさんは爪先立ちで突破! 背が低いとこんなところでも苦労します。 ウォーミングアップに最適!
金目川本流左俣2

金目川本流左俣 2

これはハキダシ沢出合を過ぎたあたり だったかなぁ~? 「果たしてテントを張れる場所がある だろうか?」と、ちょっぴり不安になる。
金目川本流左俣3

金目川本流左俣 3

素敵な台地を発見!! 岩魚小沢出合いの7~8分ほど手前。 ここなら増水しても大丈夫そう!

しかも焚木は豊富! BUT アブが凄かったぁ~! 本日は早めに行動を打ち切り、宴会の準備! お酒が一杯詰まったザックが重かったよ~!
金目川本流左俣4

金目川本流左俣 4

ターフを張り、金目御殿の?できあがり~!
金目川本流左俣5

金目川本流左俣 5

当初の計画では荒川中俣沢に行く予定でしたので、金目沢についてあまり調べて いませんでした。

2万5千図を穴が開くほど? 見つめ、慌てて?資料を頭に叩き こんでいるワタシ! どんなに濡れた木でも焚火はできま~す! 私の特技かな?
金目川本流左俣6

金目川本流左俣 6

6年ぶりの再会に美酒に酔う! 右はS山岳会会長のMさん、そして左が私、 まさに酔いどれ絶好調でした~! 焚火で濡れた服を乾かし、暖を取り ながらお酒を飲む。あぁ~極楽ゴクラク!

Mさんと話しが盛り上がり何とMさんは 3日分のお酒をこの日全部飲んで しまったようだ。翌朝4時半の起床が辛かったなぁ~!明日は早く寝よっと。
金目川本流左俣7

金目川本流左俣 7

遡行2日目、13日は午前中は良い お天気でした。 やっぱ、沢はこうじゃなくっちゃね! BUT、水量は思ったより引いていない感じ。
金目川本流左俣8

金目川本流左俣 8

晴天の中の遡行は楽しいです! ウキウキ・ランランって感じです。
金目川本流左俣9

金目川本流左俣 9

ここまでは快適な遡行! この6M魚止の滝を越えると二俣です。

他山岳会の遡行記録によると水線右を登って いるようですが、この水量では無理でその上の逆くの字4M滝も一緒に左より高巻く。
金目川本流左俣10

金目川本流左俣 10

助け合い(愛?)!
金目川本流左俣11

金目川本流左俣 11

両岸狭くなった渓の中に深い釜とよく 磨かれて手がかりの少ない小滝が連続。 まるでスベリ台みた~い!
金目川本流左俣12

金目川本流左俣 12

いよいよ第1ゴルジュ帯に突入! またげるほどの狭いゴルジュにはしゃぐS嬢。 ここより釜、小滝の連続で両壁は絶壁に近く 高巻きはほとんど不可能。
金目川本流左俣13

金目川本流左俣 13

これも第1のゴルジュ帯だったかな? 水圧が凄いだけでなく水流に磨かれた 岩はテロテロ状態。

ハーケンを打てない ところが多かった。空身で突破しザックを 引き上げ、それから確保という感じでした。 ファイトォ~!一発!!のMさん。
金目川本流左俣14

金目川本流左俣 14

この滝はステミングで突破! 足が短いと苦労する。だんだん股裂状態にぃ~!
金目川本流左俣15

金目川本流左俣 15

白山書房の「日本の渓谷96」のP8に 掲載されているカラー写真と同じ滝です。

「水流に磨かれた3mほどの小滝を登る」 滝の落口がハングしている。フリークライミングをしていると、こういう 時に役に立つ!最近怠けていますが…。 水線右を直登する私。
金目川本流左俣16

金目川本流左俣 16

泳いで小滝に取り付き登るっていう パターンが多かったです。それが結構 それなりにしょっぱい滝が多かった 感じ。

高巻きは絶望的なところが多く、 登れなければ敗退かな?って感じでした。 手強い深い釜と小滝が次々と現れ、楽し ませてくれる?沢でした。
金目川本流左俣17

金目川本流左俣 17

この小滝の突破が結構しんどかったぁ~! テロテロの岩で手も足もホールドが な~い!

小滝だからと言ってバカにできませんっ! 結構考えないと登れない滝でした。 もっと岩登りのテクを磨かなくっちゃね。
金目川本流左俣18

金目川本流左俣 18

どうにか立ちこみに成功する私。 ヤレヤレって感じかな? 結構ボルダーチックな滝でしたぁ~! 微妙なバランスで登る。
金目川本流左俣19

金目川本流左俣 19

上の写真の滝を登るMさん! 結構四苦八苦していた模様。
金目川本流左俣20

金目川本流左俣 20

これは第2のゴルジュ帯です。 まるで井戸の底にいるような錯覚に陥る 場所で、両手を広げると両岸に手が届いて しまうほどでした。左側の側壁がハングしており 声を出すとエコーがかかってしまう一種異様な 感じのゴルジュでした。

その中に釜と小滝が 次々とかかり、全身ずぶ濡れになりながら 一つ一つ突破するしかな~い!って感じです。 登れなさそうに見えますが、取り付いてみると 何とか突破出来ました。
金目川本流左俣21

金目川本流左俣 21

第2のゴルジュ帯「井戸の底のような狭く 暗いゴルジュ帯」の出口近くにかかる5M滝。

ここは思いっきりシャワークライミング! この滝の連続クライミングシーンは2003年 8月20日の「酔いどれ日記」に掲載しました。
金目川本流左俣22

金目川本流左俣 22

その次に現れる5M滝。 この水量では直登は無理そうで 左岸の泥壁より小さく高巻く。 これを越えると第2のゴルジュ帯も終わる。
金目川本流左俣23

金目川本流左俣 23

上の写真の滝を高巻き、懸垂下降で 沢床に降りる私。 二俣を過ぎてから人工物は何一つ見かけ ませんでしたが、何とここで初めて 懸垂下降用の残置シュリンゲを発見!
金目川本流左俣24

金目川本流左俣 24

第2ゴルジュ帯の標高770M左岸枝沢を 10Mほど登ったところの右側の傾斜地を せっせと整地し今宵の泊まり場とする。

ここなら雨が降って増水しても安心して 寝られそう。焚木は豊富でした。
金目川本流左俣25

金目川本流左俣 25

遡行3日目は雨の中の遡行となりました。 天場を出発して直ぐの標高800Mにかかる 3M滝は側壁の右壁を登る。

左上はビレーしている私、登っているのが Mさん。見た目より快適かな? これを越えると直ぐに連続した10M滝が出現! 下の写真がそうです。
金目川本流左俣26

金目川本流左俣 26

標高800M付近にかかる2つの10M滝。 下の滝は左より登り、上の滝は右から 小さく巻きました。この滝を越えると一時的に 沢も開け、左俣で唯一心が休まるところです。

テントも張れそうなところもありました。 BUT それもわずかで直ぐに第3のゴルジュ帯 になり、また両岸が一気に狭まります。
金目川本流左俣27

金目川本流左俣 27

これは上の写真の「下の滝10M」の出だし。 結構テロテロ。
金目川本流左俣28

金目川本流左俣 28

これは写真26の「上の滝10M」の 出だし。スメアリングで登り右から 小さく高巻きました。頑張るMさん!
金目川本流左俣29

金目川本流左俣 29

第3のゴルジュ帯にある7M滝にて。

小雨降る中とっても寒く、とてもシャワー クライミングをする気になれず、右岸の ルンゼより高巻くが傾斜は強いです。 水量が少なければ左から登れそうな感じ。
金目川本流左俣30

金目川本流左俣 30

これも第3のゴルジュ帯でこの先に2条3Mチェックストーン滝がありシャワー クライムで越えました。

写真中央上に 見える直滝が大滝20Mで~す! 写真中央下が狭いゴルジュを遡行する Mさん。その斜め左上にS嬢の黄色い ヘルメットがちょっとだけ見える。
金目川本流左俣31

金目川本流左俣 31

上の写真の中央に見える2条3MCS滝を 登る。ここの岩もテロテロ、出口が結構 いやらしい感じ。 この滝の連続クライミングシーンは2003年 8月21日の「酔いどれ日記」に掲載しました。
金目川本流左俣32

金目川本流左俣 32

これが大滝20Mです。 右側の傾斜の強い小沢を登りそのまま潅木帯に突入。左側に望む岩盤を越えた あたりから左へトラバースを開始、そのまま どんどんトラバース、懸垂し二俣近くに降りた。

結局二俣まで巻いてしまった。この高巻きで なんと3時間もかかってしまったようです。 雨の中の急傾斜のトラバースはしんどいです。 当初は左沢へ入る予定でしたが雨と時間が心配で、より容易な右沢へ入ることにしました。
金目川本流左俣33

金目川本流左俣 33

標高980Mで右沢へ入るとナメ滝 の連続、このナメ滝は40M位あっただろうか? 直登したり部分的に小さく巻いたり。 最後はヤブを漕ぐこと小1時間で祝瓶山 山頂へ!
金目川本流左俣34

金目川本流左俣 34

これが祝瓶山山頂の三角点ピークです。
金目川本流左俣35

金目川本流左俣 35

14日に宿泊した朝日連峰の登山口手前にに ある民宿、美和です。徳網の奥にあるとても 良心的な民宿でした。山の幸、川の幸が一杯! 岩魚尽くし料理に感激致しました~!特に イワナの刺身が絶品でしたよ~!

今回のメンバーのS山岳会の行き付けの宿とか。 あれだけ飲んで食べてあの値段とはホント、 ビックリでしたぁ~!民宿の女将さん初め皆さん とっても親切。家庭的な雰囲気で、何度でも 泊まってみたい温かさを感じる宿でした。

行動記録

<8月12日(火)> 雨後曇り
盛岡4時出発―朝日連峰登山口・徳網の民宿(美和)にて東京組と10時半に合流。雨の為、今後の行動予定の打合せをする。荒川中俣沢を中止にし、金目川本流左俣へ急遽変更。車を1台大石橋にデポ後、もう1台の車で五味沢からの金目林道に入る。小枕山トンネルを抜けたちょい先にゲートあり、車はここまで。ここより金目橋まで歩く。橋より金目川へ入渓。雨で大増水。 金目橋(1:20)→岩魚小沢手前右岸台地(15:00)▲

<8月13日(水)> 晴れ後曇り
▲天場出発(6:10)→モチア沢出合(6:50)→魚止滝(8:00)→二俣(8:40)→第1ゴルジュ帯→第2ゴルジュ帯の標高770M左岸枝沢(16:00)→この枝沢を10Mほど登った左岸 ▲

<8月14日(木)> 曇り後雨
▲天場出発(6:15)→大滝下(9:25)→標高980m二俣(12:20)雨の為左沢から右沢へ変更→40Mナメ滝→最後の二俣標高1170M(13:40)→祝瓶山山頂着(15:20)→大石橋(17:40)徳網の民宿、美和にて宿泊&打ち上げ

<8月15日(金)>
民宿「美和」出発 (8:00)→盛岡着 (13:00)

感想

なんとか無事遡行出来て、今は充実感で一杯です。いや~しんどかったなぁ~!遡行日の2日前の10日は台風で東北地方は土砂降り、翌日の月曜日は夏晴れで「こりゃ何とかなるかな?」と思ったのも束の間、その翌日の出発日12日(火)はまたもや大雨…。朝4時に盛岡出発!東京組の山仲間と合流すべく、一路山形へ向けて車を走らせたのですが、土砂降り状態で車のワイパーを全開状態にしても前がよく見えないのですよ~。車の中で考えたこと…それは、「今回の遡行計画の荒川中俣沢の完全遡行はどう考えても無理だ!どうしたら行け行けGOGO!のS嬢を説得できるか?」でした。

朝日連峰の登山口、徳網という場所で東京の仲間2人と合流、6年ぶりの嬉しい再会!さっそく今後の行動について協議。行け行けGOGOのS嬢はどうしても荒川中俣沢へ行きたいみたい…。サブプランとして同じ朝日連峰の金目川本流左俣の方を私は勧めました。「この沢だったら、増水しても核心部は上流部だし明日は晴れることは保証されている、荒川中俣沢に比べてまだ遡行できる可能性が高い。明日どれだけ水が引いてくれるかが勝負かな?水量の多さといい、雪渓状態といい荒川中俣沢の遡行は厳しいものを感じる!」と話を切り出しました。

沈黙が続く中、もう一人のメンバーのMさんが金目川本流左俣に同意してくれたのでした。民主主義の原理に則って今回は金目川本流左俣へ行くことに決定!決定したのはいいものの、私はこの沢を甘くみていました。「増水していてもこのメンバーだったら楽勝だ!」なんてのん気に構えていたのです。他山岳会の記録を読んでいたのでどんな沢かわかっていたのですが、それと比較すると、かなりの増水でした。その記録では「上流の二俣までは河原歩きを楽しむ」とありますが、その部分でさえ特に初日は胸までの徒渉や部分的に泳ぎがあったほどで「えっ!河原ってどこにあるの?」って感じでした。

どんどん雨は降ってくるし寒いしで「えぇ~!泳ぎかよ~!テント張れるところあるかなぁ~?」って心配になりました。またアブも凄かった!!核心部のゴルジュ帯、特に「手強い深い釜と小滝が次々と現れる」の部分は、私にとって結構ハードな遡行でした。ザイルをかなり頻繁に出したので時間がかかってしまいました。沢での悪条件の中、この年齢で?12時間の重労働は結構辛いっす!

雪による浸食のゴルジュの凄さに驚嘆致しました。核心部の高巻きが絶望的とも思えるゴルジュ帯は、まるで井戸の底にいるような錯覚に陥り、「この滝、登れなかったら敗退するしかないよなぁ~!」って感じでした。とっても素晴らしい沢でした!「こうなりゃ~何としても登らなければ!!」とファイトが出ます!!3日間いて晴れたのは結局13日(水)の一日だけでしたが、それなりに増水していても晴れた日に核心部を何とか突破できたのが勝因だったと思っています。今はただただ体を休めたい一心です…体ボコボコ状態。アブの猛攻撃にあい体中アザだらけです。S嬢にいたってはまぶたを刺され、お岩さん状態に…。 思い出に残るとっても充実した遡行を楽しめました♪
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