八久和川の遡行記録・2001 |
<8月18日(土)> 移動日 晴れ 盛岡―バス―仙台―バス―鶴岡ビジネスホテルに宿泊 <8月19日(日)> 晴れ 鶴岡にて合流―タクシー―八久和ダム車止め:10:00→フタマツ沢→ベンノウ沢(ここより入渓)→カクネ沢出合▲ (15:30) <8月20日(月)> 晴れ ▲ (7:30)→茶畑沢出合→平七沢出合→岩屋沢出合▲ (14:30) <8月21日(火)> 晴れ曇り雨 ▲ (7:30)→オツボ沢出合→コマス沢出合→呂滝→東俣沢出合970m右岸枝沢▲ (17:00) <8月22日(水)> 雨 ▲ (7:00)→右俣出合→連瀑帯→狐穴小屋泊 (17:30) 台風11号直撃の日 <8月23日(木)> 雨 狐穴小屋 (8:30)→竜門山→日暮沢小屋(13:30)→タクシーで羽前長崎の温泉旅館【ゆ・ら・ら】にて打ち上げ! <8月24日(金)> 晴れ 羽前長崎駅→左沢駅-タクシー→羽前長崎駅→山形→仙台→盛岡(バス) |
下中流域 |
下中流域は長くとっても美しいです。岩質は全山花崗岩で白い岩、エメラルドの水、新緑のように輝く木々の森の中にゴルジュ帯が続きます。夢の世界にいるようです。もうウットリ~!そして、水の美しさは格別です!白神と北アの上ノ廊下を足して2で割ったような雰囲気と言えばわかって貰えるでしょうか? 我々が行った時は、平水以下でしたので楽しく突破できる程度のレベルでした。それなりの泳力と徒渉力は必要です。今回のメンバーは全員泳ぎが達者でした)。しかし、あと水位が数十センチ高ければ、それなりに苦労していたかも知れません。爪先立ちでどうにか突破できた廊下帯もありましたので…。 中流域(岩屋沢出合)まではビバーク適地が随所にあります。高巻くといずれもかなりのアルバイトを強いられるので積極的に泳いで水線突破をした方が時間の節約が出来る上、楽しめるかと思います。万が一流されても致命傷になる所があまり無かったのでガンガン思い切って行けました。中流部上のオツボ沢出合ゴルジュ帯までの難所の高巻きルートは、結構ハッキリしています。 |
中上流域 |
ここから深いゴルジュ、釜、滝、ナメ、瀞が随所に出てきて結構楽しませてくれます。泳ぎ、登攀(落ちてもドボンで済むので思い切って行きましょう!)が頻繁に出てきます。高巻きも踏み跡はほとんど無く、自分達でルートファインディングを要します。特に中俣沢以降は赤茶けた花崗岩の滝、ナメ、瀞が連続し湯檜曽本谷を思わせる雰囲気ですが、もっとスケールも大きく楽しいです。『おぉ~こりゃ~湯檜曽だぁ~』って思った程です。 『連瀑帯』は数個登ったものの、後はほとんど右から高巻きました。あの台風による大雨の濁流状態ではとても登れたものではありません!(平水なら3級程度の岩登りで、ほとんど直登できるらしいです)連瀑帯の高巻きは草付きが多く、いやらしいです。特に雨でグッショリ濡れていましたので、ブッシュ帯に入るとホットしました。プロテクションはあまり取れなかったので、真剣でした。 いわば草付き帯とブッシュ帯をつなぎ合わせるようにルートを延ばしていったわけです。全体的に極端に困難な所は有りませんでしたが、総合的な力が要求されると思います。特にルートファインディング力。ビバーク適地は、コマス沢出合を過ぎるとあまり適所は無かったように思います。 |
感想 |
雨の中でも『美しい!』と思ったほど『アルプスの少女ハイジ』になれます。草原のお花畑の中をツメあがるのは、雨の中でも楽しかったです。台風を忘れさせてくれるオアシスでした。『平ケ岳の沢のようなツメ』と考えていただければわかるでしょうか?とても変化に富んだ楽しい沢でした。下流、中流、上流域と変化に富み、1粒で3度美味しい沢でした。 Yちゃんが『俺のアパートより綺麗で立派だ!』と絶句していたほど、快適でした。トイレは小屋の中にあり、しかも水洗トイレ。水場は歩いて10歩。最近改築したのだろうか?とても新品でした。床や壁なんかピッカピッカでしたよ!何日でも居たくなるような所です!参考までに…。以上 ※八久和川の増水の速さと凄さは、想像を絶するものでした。今後入渓される方は、くれぐれも天候の判断には細心の注意を払う必要があります!これ程までに増水の激しい沢は、あまり類を見ません。過去300本以上入渓している私の経験でもビックリさせられました!増水の凄さは過去の入渓者(私の山仲間)から聞いていたのすが…。 |