酔いどれ日記 2011年09月

  1. HOME
  2. INDEX
  3. 翌月
  4. 前月

9月30日(金)読書の秋

9月も今日でおしまいですね。ここ岩手は、一気に寒くなりました。2週間前までの暑さがウソのようです。我が家では、朝はストーブを着けているほどなんですよ。さて、昨日はモンベルさんとICIさんに山装備を買いに行って参りました。

まずは渓流スパッツをモンベルさんで購入4,200円(ICIさんで売っていなかったので)。時期的に沢シーズンおしまいなのでしょうね。実は、モンベルさんでも売ってなくて、結局取り寄せて頂きました。これまで愛用していた渓流スパッツ、8年ほど使ったでしょうか。色あせてヤブで穴だらけなんです。「さすがにこれは…」は思い、購入した次第です。

次に購入したのがエアーマットです。これはICIさんで買いました(10,290円)。従来愛用していたエアーマット、かれこれ10年ほど使ったと思います。さすがに壊れてしまいました。これまで使っていたものと同じメーカー、サーマレストを買ったのですが、1万円とは高いなぁ~!でも、重さが100gも軽くなり(世界最軽量310g)、収納サイズも従来に比べ2/3ほどコンパクトになりました。それにしても収納ケースが別売り(1,680円)とは驚きです。

『読書の秋!』てなことで、最近(ここ一か月)、暇を見つけては読書に励むことが、私の楽しみになっています。最近読んだ本のいくつかをご紹介いたします。まずは、斎藤一人さん。事業所得全国高額納税者番付(総合の順位)12年間連続し10位内という、まさに成功者の本。『道は開ける』と『人を動かす』の二冊、読みました。斎藤さんの愛弟子、永松茂久さんが斎藤一人さんの教えをわかりやすく解説した本です。ごく普通の青年(著者の永松氏)の人生を大きく変えた教えの全てがここにあります。「ビジネスで成功する」ためにも、「人間として幸せになる」ためにも必要な、本質的な成長を助ける一冊であると思います。

飯田史彦著の『ツインソウル』、『生きがいの創造Ⅱ』も読みました。特に「ツインソウル」は衝撃的な内容でした。著者が臨死体験を通じて「死んだらどうなるのか?何のために生まれてくるのか?人生とは?」をわかりやすく解説しています。本書では、著者は「死にかけた」ことで初めて体験できた「スピリチュアルな世界と深くつながった貴重な学び」の事実報告書です。死んでからあの世で問われることは、①充分に学んできたか?②充分に愛してきたか?③充分に使命を果たしてきたか?の三つのみ(この三つが全て)。どれだけ成功したか?や地位や財産など、まったく問われないと言います。

そして、昨日読み終わった本が、我が恩師、福島正伸先生の『キミが働く理由』です。働く理由を考え続け、20万人の生き方を変えた著者が語る仕事が楽しくなる考え方をまとめた本です。「毎日感動しながら仕事するには?」のヒントが得られると思います。これまで福島先生の本はたくさん読んできました。数週間前のこと、私のHPの読者の方からメールを頂戴しました。この『「キミが働く理由」がバイブルです!』と書いてあったので、「あっ!この本、まだ読んでいなかったなぁ~!」と思い、買って読んでみた次第です。福島先生の人生哲学の原点がわかる本で、貪るように一気に読んじゃいました。

上の写真は、うちの近所の梁川に咲くコスモスです。お天気の良い日で、時間がある時は、この梁川の川辺で、川のせせらぎを聞きながら、コスモスに囲まれながら読書しています。私にとって至福のひと時なんですよ♪(^o^) PS.そのコスモスの拡大写真を『酔いどれ画像掲示板』に掲載しました。ご興味のある方は、ご覧くださいね♪

『酔いどれ画像掲示板』 近所のコスモス 今すぐ見たい方はクリック!


9月27日(火)酔いどれパソコン講座

パソコン講座の前に…何気なく只見町のホームページを拝見したところ、平成23年7月新潟福島豪雨災害の被害状況が詳細に記載されていました。大増水した際の生々しい写真と共に道路や林道状況も記載されています。もし、出発前にこの只見町のホームページを見ていたら、間違いなく山行を中止にしていたでしょう。「知らぬが仏」とは、このことです。

その只見町のホームページの冒頭に、『林道への立入禁止についてのお知らせ』とあり、『7月29日の「新潟・福島集中豪雨災害」により、林道の至るところで崩落が起き、大変危険な状況となっています。このことから、しばらくの間、町内すべての林道を立ち入り禁止といたしますので、ご理解をお願い致します。』 何と我々が行った黒谷林道の被害状況を空撮した写真が載っていました。さらに我々が懸垂下降した場所(林道)の空撮写真も載っていました。帰宅後気づいたとはいえ、私達は、入ってはいけない場所に行ったことになります。

特に災害時、「沢や山へ入る時は、林道状況など、地元のホームページを厳重にチェックしないといけないな!」と思いましたし、今回同行してくれたK君には「申し訳ないことをしたな…」と、反省すること、しきりです。新潟の豪雨は何度もテレビで放映され、記憶にあったのですが、「まさか福島も…」とは想像さえしておりませんでした。いずれにせよ、リーダーである私のチェックミスであることには変わりません。この教訓を次回以降の山行に活かしたいと思っています。

「酔いどれパソコン講座」に移らせて頂きます。例えば今回の山行を例に述べますね。私の場合、『沢の扉』に掲載するため、私が撮影した写真、K君が撮影した写真を組み合わせて編集します。同じ場所で、私もK君も撮影したとします。『沢の扉』の編集時、私とK君の写真のどちらか写りの良い方(もしくはアングルの良い方)の写真を採用することにしています。

その際、私が撮影した写真とK君が撮影した写真を混ぜあわて、撮影した時間順に並び替えるのが、結構手間のかかる作業なんです。さらにファイル名も撮影時間順に変えれたらいいな!そんなことが出来る「なんか良いフリーソフト(無料ソフト)、ないかな?」と探していたのです。そしたら、ありましたよ~♪

まず一本目、単に撮影時間順に並び替えたいのであれば、『デジカメ一発整理2』がお勧めです。使い方は、とても簡単。画像ファイルまたはフォルダをソフトにドラック&ドロップするだけ。取り込まれた画像は自動的に撮影日別に分類され、一覧で表示されます。高速で画像を表示するので、画像が増えてもストレスは増えません!このソフトのいいところは、撮影時間がサムネイル写真の右下に表示されるため、一目で「この写真、○時○分に撮影したのだな!」とわかります。山行記録をまとめる際に便利だと思います。動作環境が、XP,Win2000とあります。しかし、私はWindows7にインストールし使っていますが、今のところ不具合は起きておりません(自己責任で行って下さい)。但し、メニューバーの「設定」で「画像保存フォルダ」を指定する必要があります。

二本目のソフトは、さらにリネームしたい(ファイル名を時間順に変更したい)という際に役に立つのが『JPEG Renamer 』です。デジカメで撮影したJPEGファイルから日付時刻を抽出し、SSyymmdd-hhmmss または SSyymmdd-nnn形式にリネームします。

このソフトのいいところは、ファイル名がそのまま撮影日時(秒も)に変換されますので、ファイル名を一目見ただけで撮影日時が分かります。ファイル名がそのように変わると、当然、写真も撮影日時順に並び替えられるワケです。私は、コチラのソフトの方が、使う機会が多いです。動作環境が、Windows98/ME/2000/XP とありますが、Windows7にインストールして問題なく使っております(自己責任で行って下さい)。これは山行を共にし、一緒に行った仲間からの写真をまとめて整理したい人にお勧めですよ♪※撮影前にデジカメの日付を正しく合わせておかないといけません。

『デジカメ一発整理 2 』 撮影日時順に写真を整理するソフト 今すぐ見たい方はクリック!
『JPEG Renamer 』 撮影日時順にファイル名を変更するソフト 今すぐ見たい方はクリック!


9月26日(月)南会津
大幽西ノ沢を遡行するハズが…その4

23日の日記の続きです。遡行2日目、2011年9月18日(日)6時10分、1046mの天場よりアタックに必要な装備のみ持参し出発!今日も朝からお天気がい~い♪と言うことは、台風16号が逸れたということか…。それにしても朝から暑い…。とても千メートルの標高にいるとは思えない蒸し暑さでした。これもきっと台風の影響かもしれません。

1046mよりヨシノ沢は、一気に傾斜が強くなります。何たって、山頂までの標高差、774mもあります。快適に登れる小滝が連続し楽し~い♪あまりの暑さに10時頃からバテ気味でペースダウンする私…。そんなこと、お構いなし!元気一杯ガンガン飛ばすK君。1550mの二俣、本流は右なのですが、ある遡行記録によると、左を遡行していましたので、「左が正解なのかな?」と思い、我々も左沢を詰めることにしたのです。しかし、稜線まで50mということころでヤブに突入してしまいました。

右へ右へとトラバースし、本流に戻ったら、なんといたる所に目印の青いビニール紐がぶら下がっていました。そして、藪を漕ぐことなく草原へポンと飛び出しました。よって、1550mの二俣は、右へ行くのが正解のようです(下りは右沢を下降)。草原に飛び出した時の、あの解放感ったら、たまりませ~ん♪まるで天国だぁ~♪「山上の楽園」とはよく言ったものです。草原の中に顕著な踏み跡があり、ビックリしました。しかし、所々突然踏み跡が消失し、ヤブ漕ぎを強いられました。でも、ちょっとヤブを漕ぐとまた踏み跡が出てきました。

歩いていて何とも清々しく気持ちいいです♪他の山にはない原始性を感じました。9時45分、ベースより3時間半かけて登頂!ひっそり静まり返った山頂、登山道がなく、限られた一部の人のみ許される日本的霊峰、丸山岳。360度、どこを見ても深い山、山、山…。山頂の展望をジックリ堪能し、いよいよ下山開始です。あとはせっせと下るだけ。「楽勝!」と思っていたのですが、暑さでダウン…。頭痛はするし体に力が入りません。体はオーバーヒートし熱っぽい。熱中症気味だったようです。9月中旬だというのに、このうだるような暑さは一体…。あせらずにのんびり下ることにしました。

12時30分、1046m二俣ベースに帰着。明日のお天気が心配です。大雨が降ると、黒谷川は大増水し、徒渉が困難(不能)になるからです。「今日下れるだけ、下っちゃおう!」。熱中症気味で具合が悪かった私ですが、ゆっくりマイペースでなら、なんとか大丈夫そう。夕方になり涼しくなってくると、やっと体調が回復してきました。この日は頑張って歩き、取水堰堤の350m手前の素敵な台地(左岸)に幕営しました。ここは、まるでオートキャンプ場のように広くて開放的!しかし、アブが凄い…(^^ゞ。薪は流木が多く、直ぐに集まりました。お酒、ちょっとしか残ってない…。昨夜、飲み過ぎました(^^ゞ。酒がなくなれば、会話も弾みません。8時前に寝ることにしました。「朝かな?」と目を覚ましたら、まだ10時でした。そして、長い長い夜…。何度目を覚ましたことだろう。

9月19日(月)、やっと長い夜が明け、カップヌードルで軽く朝食を済ませ、6時、いざ出発!10分も歩くと取水堰堤に到着しました。あとは、仕事道を辿り、またズタズタの黒谷川林道を通り、8時10分無事車デポ地に到着しました。黒谷川の水量は、行きの時より減水していましたし、濁りも緩和されていて、行きに比べれば楽勝でした。

行きの時は暗くて気づかなかったのですが、黒谷川沿いの黒谷集落が凄いことになっていました。黒谷川の氾濫により田畑は削り取られ、家々は生々しい浸水の跡が…。7月末の豪雨の被害の大きさを目のあたりにしました。さらに只見川の国道252沿いは、もっと凄いことになっていました。国道は削り取られ、橋や鉄道(只見線)も流された跡が…。今なお急ピッチで復旧工事が行われています。増水の跡を見る限り、水位が7~8mは上がり、大洪水状態だったのではないでしょうか。被害があまりにも甚大で、目を覆いたくなる光景でした。

帰りに会津坂下IC手前にある会津柳津温泉、清流の宿、ホテル・かわちにて入浴♪琴の音色を聴きながら入浴したの、初めてです。入浴料 600円でした。何はともあれ、波乱万丈の3日間でした。こんな山行に付き合わせてしまって、K君にはちょっと申し訳ないことをしました。事前調査を怠った私のミスです。今回の反省点です。(完) PS.『酔いどれ画像掲示板』に今回撮影した写真を掲載しました。ご興味のある方は、ご覧くださいね。それと、『沢の扉』にも掲載ました。写真枚数81枚、未公開写真も多数あります。

『酔いどれ画像掲示板』 南会津・大幽東ノ沢 3 今すぐ見たい方はクリック!
『沢の扉』 南会津・大幽東ノ沢 今すぐ見たい方はクリック!


9月25日(日)ちょっと一休み!

沢から帰ってきてからというもの、毎朝4時半に目を覚ましてしまいます(沢での起床と同じ時間)。夜は10時頃には睡魔が襲ってきます。これも沢の後遺症なのかな?(いつもですので、気にしていませんが)。今日25日(日)も4時半に目が覚めてしまい、仕事の準備に邁進することにしました。やがて夜が明け窓を開けると、青空一杯!お天気最高♪「このまま家に居るのはもったいないなぁ~!」

5時半頃だったかな?「母さん、天気いいから、ちょっと散歩へ出かけてくるね♪」と私。「どこさ行くんだ?」と母。「うん、ちょっくら三ツ石まで」。「三ツ石ってどこの町だ?」「八幡平だよ!」と私。「何時頃、帰ってくる?」「午後から仕事あるから、お昼には帰ってくるね!」と私。福島の沢から帰ってきてから、色々とバタバタしていたので、山に行ってノンビリし、下山後、網張温泉でマッタリしたかったのです。さらに読書もしたかったし。その続き、読みたくてウズウズしていたのですが、なかなか時間が取れず…。

網張からですと、1時間半で三ツ石山の山頂に立てますので、まさにお手軽&お散歩コースなんです。それに、我が家から近いし。朝早いせいか、登山者は少なく快適なペースで飛ばします。山頂に立ち、三ツ石小屋で朝食(カップヌードル)を食べ、下山している時のこと…。「あれ?酔いどれさんじゃな~い!」と声を掛けられました。山仲間のNさんでした(Nさんとはホントよく山で偶然会います)。Nさんも私同様、疲れを癒しに登りに来られていたようです。「昨日まで日光の山(栃木)を登って来てさ、疲れを癒しに三ツ石山に来たんだぁ~!お天気、いいしな!」と。そんな、手軽でいい山なんですよ、三ツ石山って。

9時ちょい過ぎには下山しちゃって(下山中、登ってくるおびただしい数の登山者とすれ違いました)、網張温泉に入り(私の大のお気入りの温泉)、その後休憩室で読書三昧♪眠くなったらまた温泉に入り…の繰り返し。なんと贅沢なひと時か!露天風呂、最高♪網張温泉でゆったりした時間を過ごし、12時半頃帰宅し、午後から仕事に邁進し、現在に至ります。今日は山に温泉に読書に、ほんと癒された一日でした。明日からまた頑張れそうです。大幽東ノ沢の山行報告の続きは、後日書きま~す!PS.上の写真は、三ツ石山の山頂より岩手山を望む。本日撮影したものです。三ツ石山、素敵な私のお散歩コースです。


9月23日(金)南会津
大幽西ノ沢を遡行するハズが…その3

まずは悲しいお知らせからしなければなりません。先の日記に書いた丸山岳での遭難…。本日の新聞によると、残念ながら一人が22日の朝、お亡くなりになられたようです。「三人とも無事が確認されて、いがったぁ~!」って、K君と喜び合っていた矢先だけに、とても残念です。新聞によれば、台風15号の影響で登山道が水没するなどして、救助は難航しているとか…。それにしても、亡くなられたMさんに一体何が起きたのだろうか…。今はただMさんのご冥福を祈るばかりです。

さらに新聞によると、「救助に向かった町消防団などの捜索隊19人が二次遭難し、救助活動は22日、約40人態勢で行われた。関係者によると、Mさんと、捜索中に滑落し怪我をした南会津署の巡査部長、同署員、南会津地方広域消防本部職員の計8人は山中にある電源開発の取水設備通信機械室に残っており、捜索隊が23日早朝から救出活動を再開している。」とのこと。

大がかりな救助活動、これ以上死者や怪我人が出ないことを、ただただ祈るばかりです。私たちは同じ場所を通っているのでわかりますが、黒谷川では林道の崩落により、徒渉箇所が何か所かあります。増水したら減水するまで待つか、もしくはヤブを漕ぎ山越えでもしない限り帰れない…と思っていました。

さて、9月20日の日記の続きです。話があちこち飛んでいましたが、ズタズタの林道をどうにかクリアし、やっと入渓地点の大幽沢出合に到着しました(本来ならここまで車で来れたハズなのにね…)。まったくの想定外でした。黒谷川に掛かる青い橋を渡り、大幽沢の上流にある取水堤まで続く仕事道を利用して歩きましたが、結構アップダウンがあります。この異常な暑さは一体なんだ!9月半ばだというのに、まるで真夏のような蒸し蒸しした暑さでした(台風の影響と思われる)。

天気予報では、今日は午前中は雨、午後は曇りという予報でしたが、思いの外、雲は薄く「なんとか今日はお天気、持ちそうだね!いや、持ってくれると嬉しいね!」とK君と言い合っていました。その左岸沿いに付けられた仕事道を歩くこと40分で取水堰堤に到着!この仕事道、草茫々のところ多々あり、最近いかに人が入っていないか!って、感じでした。取水堰堤より大幽沢に降り立ち、やっと遡行できるぞ~♪ふぅ~!ここまで長かった…。7月末の記録的な豪雨の影響でしょう、想像した通り沢は荒れていました。

山肌から削り取られた巨岩や土砂、そして倒木が沢に散乱し、変わり果てた姿になっていました。正確に申せば、今回初めて遡行する沢なので過去の状態(荒れる前の状態)が分かりません。しかし、帰宅後、他の遡行記録や写真と比較すると、明らかに違いが分かりました。出発前、「原生林と調和した穏やかな流れで、開放的で明るい渓」というイメージを抱いていたのですが…。現実は、それとは逆で、荒々しい(荒れた)印象を受けました。今年2011年7月末の「新潟・福島豪雨」が、新潟及び福島(会津)の川や沢に壊滅的な影響を与えたことが伺えます。この荒れた状態、一体どこまで続くのだろう…。

本来遡行するはずだった西ノ沢出合を過ぎ、左の東ノ沢へ進みます。巷は三連休なのに、我々以外誰もいません。例年ですと、この9月の三連休、釣り師や沢屋が大勢遡行する大人気の沢なのですが…。我々だけの静寂な世界…。静か過ぎて寂しいくらい。ビックリしたのは、この季節(9月中旬)にアブですよ…(^^ゞ。信じられな~い!ビシバシ刺されて痛いのなんのってぇ~!勘弁してよ~!雨具を着れば良いのですが、あまりの暑さに着る気にもなれず…。いやはや参りました(^^ゞ。

やがて窪の沢出合手前にある難所のゴルジュ帯に突入です。左岸に巻き道が付いているようですが、せっかくですので、水線突破してみることにしました。両岸狭まり釜と小滝が連続し、予想以上に楽しませてくれました。ゴルジュ出口がちょっと厭らしいです。水量の多い時、突破は厳しいかもしれません。

ゴルジュ帯を抜け、あとはせっせと歩くだけ。14時、1046mの上部二俣に到着。この日はズタズタの林道歩きから始まって、東ノ沢を遡行し7時間45分の行動でした。8時間も歩いていないのに長く感じられました。この先、幕営適地は期待できないので時間は早いですが、ここに幕営することにしました。過去の遡行記録を拝見すると、この二俣に「素晴らしいテントサイトがある」と書かれていますが、どこにも見当たりません。土石で埋まったものと思われます。「今晩雨が降るかもしれないし、川原には怖くて張れないなぁ~」。付近を探し回り、1046m二俣より90m下流の左岸台地をせっせと整地し、テントを張りました。ここなら大雨が降っても大丈夫!

それにしても蚊が多いです。アブの次は蚊ですか…(^^ゞ。勘弁してよ~!早く焚火をして蚊を追い払おう!薪は、流木があちこちに散乱しており豊富、直ぐ大量に集まりました。今日の晩飯は、盛岡山友会さん直伝、手巻き寿司です。酢飯って食をそそるのでしょうね、K君に大好評でしたよ♪焚火はいいな♪心まで温まります。天気予報によれば明日も雨の予報だったのですが、満天の星空です。「明日も晴れるんじゃな~い?」。沢のせせらぎ、焚火の炎、そして綺麗な星空を見ながらお酒を飲む!贅沢な夜でした。明日はいよいよ丸山岳の山頂を目指します。明日晴れることを祈りながら、おやすみなさ~い!後日の日記に続きます。

PS.上の写真は、窪の沢出合手前のゴルジュです。今回、遭難されたパーティーとお会いした場所が、まさにココでした。私達は下山中、彼らは遡上中で、3~5分ほど、会話させて頂きました。亡くなられたMのことは、ハッキリと覚えています。ご冥福をお祈りいたします。今回撮影した写真を『酔いどれ画像掲示板』に掲載しました。このような荒れた沢での遭難救助、どれだけ大変なことか…。さらに増水の中ですから…。ご苦労、お察し申し上げます。これ以上、怪我人が出ることなく、皆さんが無事下山されることを心より祈っています。

『酔いどれ画像掲示板』 南会津・大幽東ノ沢 2 今すぐ見たい方はクリック!


9月23日(金)南会津
大幽西ノ沢を遡行するハズが…その2

いよいよ山行報告の続きを書く前に…もう一つだけ書かせて下さい。今回、大幽東ノ沢を遡行し登った丸山岳について、述べておきたいのです。丸山岳と言っても「何それ?」って言う方が多いのでは?と思いますゆえ(沢屋であれば、ご存じの方も多いと思いますが)。私の抱いていたイメージとしては…「四方を深い渓に囲まれ、山頂へ至る登山道もなく、会津の秘峰!原始の姿を今に止めた山、山上の楽園!」って感じでしょうか。

この丸山岳が特に脚光を浴びたのが、山の専門雑誌、『岳人』2002年4月号に紹介されてからでしょうか。「岳人特選・マイナー12名山」の特集コーナーで紹介されたのです。本誌によれば、「マイナー名山…道がなく、登頂するのが困難な原始の姿を残す山々から山容などの風格に満ちた名山を選出した。登ろうとするだけで創造の香りが溢れる登山が出来るだろう。その時、岳人は純粋な登山を経験する」

【マイナー名山の選定基準(本誌より抜粋)
マイナー名山とは「四季を問わず創造的登山をしなくては登頂できない名山」をさし、以下がその条件となる。①道がなく、登頂するのが困難なこと(体力があっても、登山技術や経験、地図などがなくては登頂して下山するのは極めて難しい)。②山容風格とも名山と呼ばれておかしくないものであること。③山群の主峰、もしくはそれに準ずるものであること(が望ましい)。一つの山群からは基本的に一つとする。

【選考メンバー】大内尚樹、高桑信一、宮内幸男、岳人編集部。

【丸山岳の本誌紹介文】
その雑誌『岳人』では、次のように丸山岳を紹介しています。標高1,820m、福島県南会津郡只見町と桧枝岐村との境。たおやかなる日本的霊峰、山上の楽園。『南会津の、たおやかな緑の山波の果てに身を横たえる丸山岳。山上の楽園と讃えられた、この山の頂に広がる静謐と華やぎは、おそらく他に類を見ない。苗場山や平ヶ岳が木道の敷設によって野生の牙を抜かれてしまったいま、丸山岳ひとり、原生の輝きを放っているといっても過言ではないだろう。(一部省略)』高桑信一。

【選考されたマイナー12名山】
①黒部・黒部別山 ②朝日連峰・化穴山 ③増毛山塊・群別山 ④越後・ネコブ山 ⑤和賀山塊・朝日岳 ⑥屋久島・障子岳 ⑦会津・丸山岳 ⑧川内山塊・矢筈岳 ⑨毛猛連山・毛猛山 ⑩日高山脈・ピリカヌプリ ⑪飯豊連峰・烏帽子山 ⑫奥利根・赤倉山。

この日記を書いている最中、ネットで丸山岳について調べていました。そしたら…えぇぇ~!とんでもないニュースを発見してしまいました。えぇ~マジですか…!どうかご無事でいますように、祈るしかありません。以下、昨日の産経新聞より抜粋します。

【丸山岳で男性3人が遭難か 家族が捜索願 福島】
福島県只見町と檜枝岐村の境界にある丸山岳(1819.9メートル)に向かった同県郡山市の男性登山者3人が、予定の20日になっても下山せず、家族が21日未明、県警南会津署に捜索願を出した。

同署によると、行方不明になっているのは、郡山市の○○、○○、○○の3人。Hさんらは今月18日午前4時半ごろ、「黒谷川から丸山岳に登る。20日に帰る」と家族に伝えて出発したが、20日深夜になっても帰宅せず、連絡もとれなくなった。只見町の国道289号から黒谷川沿いに約7キロ入った沿道に3人の車があった。

同署は遭難したとみて、21日朝から署員10人体制で地元の消防とともに、捜索の準備を進めている。現場は台風15号の影響で大雨、洪水などの注意報が発令。気象庁によると、22日まで悪天候が続き、突風や土砂災害などの二次災害も懸念される状況で、本格的な捜索は大幅に遅れる可能性がある。

ビックリです!この三人って、まさに我々が今回の沢で会ったパーティー。丸山岳の山頂を踏み大幽東ノ沢を下降中、核心部の窪の沢出合手前のゴルジュでお会いし(彼らは遡上中)、お互いにビックリ!いろいろお話をさせて頂きましたので、鮮明に覚えています。しかも、「郡山から来ました!」と言っていました。この三連休、この沢に入ったのは、私達と彼らの2パーティーのみでしたので間違いようありません。いかにも地元の屈強な山男!って感じの面々で、しかもでかいザックを背負っていました。「きっとあの大きなザックにお酒や豪華なおつまみが一杯詰まっているんだろうね~!」って、K君と言い合っていました。ご無事であること、心より祈っています。

さらに、この日記を書いている最中、最新ニュースを発見!どうやら三人全員、ご無事であるとのこと…。いがったぁ~♪ホッとしました。以下、朝日新聞より抜粋。

【南会津・丸山岳の3人遭難 1人が自力下山、2人は山小屋に待機】
県警など約30人が21日捜索し、午前9時半ごろ黒谷川の登山道付近で、自力下山したHさんを発見。Hさんの案内で、捜索隊は、衰弱して動けなくなったMさんと、介抱のため付き添っていたIさんがいる約4時間離れた地点に向かい2人と合流。だが、台風の影響で足場が悪く21日は下山できず、3人は捜索隊とともに山中にとどまり、22日に再び下山する予定。

いやはや、安心しました♪三人ともご無事で、何よりです。良かった、良かった!ほんと良かったです。一つ間違えれば、我が身…。気を引き締めて山に取り組みたいものです。「Mさんが衰弱して動けなくなった」とありますが、なんとなく想像できます(真相はわかりませんが、以下に述べる季節外れの猛暑も一因なのかも?)。というのは、特に18日(日)、沢は9月とは思えない異常気象(超猛暑で熱射病になったほど)で、私も前代未聞といえるほど、体力の消耗を感じました。頭痛はするし(飲み過ぎではなく熱中症)、体は脱力状態でフラフラし何度コケたことか…。若手のホープ、元気一杯のK君は、そんなこと、お構いなしでガンガン飛ばすし…。

遡行中、一番気になっていたのは、台風の進路でした。出発する時点、9月16日(金)の予報では、19日(月)に台風16号が関東に上陸する予定でしたので、「台風が上陸する前に少しでも前へ前へ!」という気持ちで、18日(日)は丸山岳の山頂を踏んだ後、「少しでも多く下ろう!」と思い、猛暑の中(熱中症に喘ぎながら)、10時間行動の末、遡行開始地点の取水堰堤手前まで下りました。大増水すれば、黒谷川の徒渉は厳しく、戻れなくなる可能性がありましたゆえ。ここまで下れば、もう安心です。あれれ~!気づいたらもうこんな時間ですぅ~!前回の日記の続きを書く予定が、どんどん話が逸れてしまいました。ゴメンなさい。続きは、後日の日記にて。PS.上の写真は、山上の楽園、丸山岳の山頂にてパートナーのK君。まさしく秘境、「原始の山」でした。


9月22日(木)緊急速報!

山行報告の続きを書く前に、臨時ニュースです♪私の山仲間であり当パソコンスクールの生徒さんでもあるHさんが、この度、岩手県の復興イメージ用ポスターになりました♪以下、岩手県のホームページより抜粋いたします。

『岩手県では、震災から立ち上がる岩手の姿、イメージコピー「黄金の國、いわて。」に表現される岩手の普遍的価値を県外に向けて発信することにより、本県のイメージアップと「岩手ブランド」の構築を図り、震災からの復旧・復興の力とするため、次のポスターを作成しました。このポスターは、全国で数多く開催されている復興応援フェア等で活用していきます。』

東京などの電車の中吊り広告に掲示されるようです。このポスターを見かけたら、「あっ!あのHさんだ!岩手を応援しよう!」と思って頂ければ、とても嬉しく思います。左の写真がそうです(拡大版は『酔いどれ画像掲示板』に掲載しました)。全部で6種類あるうちの一つです。字が小さくて読めないと思います。以下のように記載されています。素晴らしい文章ですね♪自然と山を愛するHさんらしいな!と思いました。

【いわてで笑顔に】
いわての人に出会い、土地の味覚を味わう。
いわての神秘に触れ、風景に癒される。
いわてに来れば、元気になる、笑顔になれる。
さあ、魅力あふれるいわてへ。

【いわての山はね、飽きることがないんです】
ここはね、何度登っても新しい発見がある。
虫や鳥、花や樹々、あらゆる生物との出会いが
いろんな自然の楽しみ方を教えてくれるんです。
だから、下ばかり見ていちゃもったいない。
全身で自然に向き合ってみるの。
五感を澄ませば、新しい世界が開けるはずよ。
山岳ガイド(八幡平市) 平山順子さん

Hさんは、ほんと山を愛する笑顔が素敵な女性です。誰もが彼女の笑顔に引き込まれてしまいます。人は彼女の笑顔を「100万ドルの笑顔」と讃えます。うちの母も、Hさんと初対面の時から「笑顔が素敵な人だね!」と、すっかりファンになってしまいました。まさにこのポスターのテーマにピッタリ♪昨日は仲間達とクライミングの練習を行ったのですが、「Hさん凄いねぇ~!女優?デビューじゃな~い!素敵なポスターだね♪」って、皆で喜び合いました。岩手って、ほんといいところですよ♪人も自然も大好きです。東京から岩手に戻り12年目になりますが、「岩手に戻ってきて、ほんと良かったな♪」って、心から思っています。



9月20日(火)南会津
大幽西ノ沢を遡行するハズが…その1

久し振りの日記の更新で申し訳ございません。実は、16日(金)のお昼より19日(月)の夕方まで福島県は南会津の沢を若手のホープK君と共に遡行して参りました。よって、4日間も家を空けたことになります(山中2泊3日)。福島は猛暑(34度)だったのに、今日の岩手(盛岡)の最高気温、15度しかありません。といことは、気温差なんと19度ですよ…(^^ゞ。今日の盛岡は炬燵が欲しいほど寒いです。まるでハワイから南極へ帰って来たような気分です。

いや~今回は想定外だらけの山行となりました(^^ゞ。私の沢人生の中でも、これだけ頻繁にハプニングが起こった山行も珍しいと思います。先月オール岩手のメンバー達で行った北海道・日高遠征では悪天の為、山行計画の変更を余儀なくされ、楽しかったものの目的の沢を遡行できず不完全燃焼に終わりました。

「先月が不発に終わっただけに、今月こそはガッツリ手ごたえのある沢へ行きたいな!」と思っていました。いろいろ候補を考えた結果、福島県は南会津の大幽西ノ沢遡行~丸山岳~大幽東ノ沢下降(山中2泊3日)の山行計画を練りました。パートナーは若手の急成長株、K君32歳。彼となら問題なく遡行できるだろう!と楽しみにしていたのです。盛岡を出発する当日の朝までは…。

今回の遠征の為にK君は16日(金)午後から有給休暇を取得し、やる気満々です。ここ盛岡から大幽沢の入渓地点(駐車場)まで440k、約6時間半もかかります。同じ東北とは思えないほど、南会津は遠いのです。仕事が終わった夜に出発すると寝る時間がないまま、遡行することになり兼ねません。そんなことで、年寄りの?私を気遣ってか、わざわざ有給休暇を取得してくれたようです。

台風15号と16号の今後の動きが気になります。台風の進路次第で、天気が大きく左右されます。14日(水)までの天気予報は、まずまずで「よしよし♪」と思っていたのですが、15日(木)の予報では「ちょっと悪くなったけど何とか大丈夫かな!」に変わり、岩手出発当日の16日(金)の予報は、さらに悪くなり「う~ん、こりゃ無理かも?」と判断せざるを得ない状況に陥ったのです。だって、予報によれば遡行の三日間(17日~19日)、ず~っと雨マークに変わったのですから…。くぅぅぅ~!先月に続き、またしても…。

遡行期間中3日間、ず~っと雨マークとは…トホホでごじゃる。沢は増水しますし、遡行距離が長く難度の高い大幽西ノ沢の遡行は厳しいと判断しました。「ならば晴れる地域の沢へ行こう!」と遡行する沢を変更しようと考えましたが、この三日間、全国ほぼすべて雨マーク(北海道を除く)…。くぅぅぅ~!ダメか…。「いっそのこと、山行自体を中止にするか!」とも考えました。せっかくK君が有給休暇を取ってくれたことだし、私だって思い切って三日間も連休を取ったのです。さらに二人分の食糧も全て購入済みだし。

いろいろと考えた結果、心は決まりました!大幽西ノ沢より難度(グレード)と魅力は落ちるけど、大幽東ノ沢を遡行しよう!「東ノ沢なら余程大増水でもしない限りK君となら問題なく遡行できるだろう!」と。K君も快く私の意見に賛同してくれて、いざ福島目指して出発です♪

盛岡南ICから東北道、郡山JCで磐越道に入り、会津坂下IC下車。その後、国道252を南会津(只見)目指して車を走らせました。あれは金山町と只見町境のトンネル付近だったかな?「この先、通行止め」の看板が…。しかも、迂回路情報の看板も何もない…。「え~これってどういうこと?ここを通らねば南会津に行けないじゃないか~!困ったなぁ~!目的地に辿り着けず敗退だなんて…あまりにも悔しいよ~!」。そのトンネルの奥に人影発見!工事関係者の方が帰り支度していました。「す、すみませ~ん!この通行止めって何が原因なんですか?○○方面へ行きたいのですが、迂回路ってないんですか?」

約一ヶ月半前、新潟県と福島県会津地方を中心に2011年7月27日から30日にかけて降り続いた記録的な豪雨(平成23年7月新潟・福島豪雨)による土砂崩れで工事中の為、通行止めになっているとか…。新潟・福島の多くの観測地点で観測史上最大となる降水量を記録した「あの豪雨」のこと、すっかり忘れていました。正確に申せば、新潟のことは頭にあったのですが(新潟の沢へ行く際は注意しないと!と思っていました)、福島の方はスポ~ンと頭から抜けていたのです。

その工事関係者の方が、「ちょうどこれから帰るところだから、迂回路の分岐まで案内してあげるから!俺の車の後ろ、着いておいで!」と。ありがとうございます。山道の峠越えで大分遠回りになりますが(R352の松坂峠越えでR153へ、そしてR289)、黒谷川林道付近までは行けることを聞き、ホッとしました。黒谷川林道へ入るとどうやら様子がおかしい。道と言えるようなものではなく、最近突貫工事でどうにか通れるようにしただけの簡易道路でした。やがて私の車では通行不可能なほどの荒れたひどい道になりました。私のカーナビによれば、大幽沢の出合駐車場まで(当初の目的地まで)6.2Kと出ていました。「もはやここまで!今日はこの辺にテントを張って、明日はここから歩くしかあるまい…。」

迂回路を通ったり山道を走ったりしたため、自宅から黒谷川林道まで車でのアプローチ、7時間もかかりました。夜9時過ぎにテントを張り、遅い晩飯を食べ(コンビニ弁当)、軽く晩酌をして10時前に寝ました。この日はとても蒸し暑かったです。テントは蒸し風呂状態で、K君はあまりの暑さに寝袋に入らずゴロ寝したようで、蚊の集中攻撃を喰らい、朝起きたらあちこち湿疹状態で「かゆ~かゆ~!ちくしょう!」って、憤っていました。私はほとんど被害はありませんでした。蚊の立場で考えれば、若い人の血の方を好むのでしょうね。かくして、K君は蚊の生贄になったのでした(その後も)。

9月27日(土)6時15分、黒谷川林道を歩き始めました。天気予報は雨のハズなのに、曇ったり晴れたりの空模様で思いの外、お天気がいいじゃないかぁ~♪少し歩いてビックリ仰天!林道がズタズタ状態なんです。というより崩落して林道がなくなっているところも多々ありました。寸断された林道上より懸垂下降で沢床へ降り、さらに遠方の先にある林道の急斜面をよじ登ったり、徒渉を幾度も繰り返したりで、結構時間がかかります。流れが強い徒渉箇所もあり(一か所スクラム徒渉をしました)、「こりゃ、増水でもしたら帰れなくなるかも?」と不安が頭をよぎりました。沢の水が灰色に濁っていて、深さが分からず、徒渉も侮れません。これら林道の崩壊も先に述べた7月末の記録的な豪雨によるもので、想像を絶する光景でした。水位が3~4mは上がったと思われます。

黒谷川林道の車デポ地により2時間かかって、やっと大幽沢の出合に到着しました(本来ならここまで車で入れたハズなのにネ!)。「やっと遡行が出来るぞ~♪」と楽しみ半面、この豪雨の爪痕で東ノ沢は、大荒れだろうなぁ~!きっと、7月に遡行した和賀の辰巳又沢のように土石で埋まっているかもしれないなぁ…。続きは後日の日記に続きます。なお、今回撮影した写真の一部を『酔いどれ画像掲示板』に掲載しました。林道の崩落状況をご理解いただけると思います。上の写真は、林道を懸垂下降するK君です。30mロープ、ギリギリ一杯で沢床へ。下の写真は、大幽沢出合に架かる橋。流されてなくて、いがったぁ~!でも土台は傾いていて進入禁止のチェーンが張られ、ちょっとヤバそうでした。いよいよ、遡行開始で~す♪(^o^)

『酔いどれ画像掲示板』 南会津・大幽東ノ沢 今すぐ見たい方はクリック!


9月14日(水)山の食について考える

三連休の沢遠征に備え、暇を見つけては日々体力トレーニングに励んでいます。といっても、10K程度の荷物を背負って自宅から近所の山、岩山を登ってくるだけですが…(往復約1時間)。一般登山道ではなく、傾斜が強く登り甲斐のあるバリエーションルートから登っています。

このルート、ほとんど人が登らないせいか、蜘蛛の巣が凄いんです。蜘蛛の巣を払いながらせっせと登っていますが、結構汗だく状態で良いトレーニングになります。今度一緒に沢へ行くパートナーK君は32歳、私と年齢差17ですよ…。親子ほどの?年齢差。彼は体力&クライミング能力抜群!まるで忍者のようにスタスタと音を立てずに遡行するんです。

そんな若い彼に置いてきぼり喰らわないように、せっせとトレーニングに励んでいるわけです、ハイ。それと、今回遡行予定の沢は、とにかく長~い!1日の行動時間11~12時間は、覚悟しています。まさに体力勝負なんです。遡行の成否は、登攀スピードと遡行スピード、そして時間との勝負!だと思っています。

私がK君と同じ年齢の頃は「カモシカのおがちゃん!」などと呼ばれていた時期もありましたが、現在はカモシカならぬカメシカ?です(年齢の割には早い方だと思いますが…)。何はともあれ、加齢と共に体力・技術が落ちるのは止むを得ません。少しでもそれらを食い止めるために、今自分が出来ることを精一杯努力するだけです。それが、毎日の岩山へのボッカ訓練であり、週に数度のクライミングの練習です。もうちょっと現役で頑張っていたいですし、それに岩手の後輩たちにも出来る範囲で貢献したいし。

それを考えると北上のS先生や山友会のSさんはバケモンです。御年67歳で、いまだに現役バリバリなのですから。お二人とも、ほんと若いです(特に気持ちが)。東京時代のA先輩は、なんと70歳でエベレストの登頂を果たしちゃうし。どうしたらそんなになれるのか?教えてもらいたいです。

あっ!そうそう、今日のテーマは「山の食について考える」でしたね。そんなワケで、スピードと体力勝負の沢へ行くため、今度の山行の食事は超軽量化に努めることにしました。K君は、調理が苦手。よって、私が食当をすることになりました(実は私も調理が苦手です)。てなわけで、昨日はICI石井スポーツさんに行って軽量化食を調達して参りました。簡単に言えばフリーズドライです。最近のフリーズドライは、ほんと美味しくなりました。昔(20年前)のそれは、薬臭くてマズイのなんのって~!

写真の左上に写っているのが「瞬間美食・野菜カレー」です。先月盛岡山友会さんと葛根田川を遡行した際、朝食で食べさせていただきました。これが旨いのなんのってぇ~♪「朝からカレーなんて食べられるのかな?」と心配でしたが、ペロリと食べちゃいました♪一人分で重さたったの29gしかありません。しかもお湯を注いで10秒で完成!化学調味料無添加、そして、17種類以上のスパイスが食をそそるのかも知れません。とっても美味しいのですが、高価で315円もします。でも、背に腹はかえられません。

注目は、写真中央に並べられている四角形のモノ。これ何だかわかりますか?実は、カップに入っていない「カップヌードル」なんですよ。いや~これはアイディア商品です。山などの携帯用に、さらにカップがない分エコです。登山家、栗城史多氏もこれをエベレストで食べたと言います。特徴としましては…①コンパクト(カップに入っていないため) ②衝撃に強い(ザックに入れても割れにくい ③いつもと変わらぬ味が山で楽しめる。作り方は、通常のカップ麺と一緒で、カップの代わりに山用の食器に麺を入れ、お湯を注いで3分で出来上がり♪商品名は、「登山食料の新定番・カップヌードルリフィル(158円)」と言うそうです。

去年、仲間達と兵衛谷を遡行した際、食当のSさんが朝食にカップ麺(天ぷらそば)を作ってくれました(餅入り)。当時は、上記述べた商品はなく(私が知らないだけかも)、カップから麺とかやくを取りだしビニール袋に入れて沢に持参したのです。山でインスタントラーメンを食べることはよくありますが、カップ麺を食べたのは初めてのことでした。朝起きがけの食欲がない時でもカップ麺ですとスルスルと食べられます。それと燃料の節約も出来、まさに一石二鳥!他の山岳会の方々と山や沢へ行くと、いろんな勉強をさせて頂き、学ぶべきところ大で楽しいです。

今日は仲間達とクライミング練習の日!仕事の合間を縫って昼休み時間を利用しての練習なので、1時間くらいしか登れませんが、気の合った仲間達と顔をあせるのが楽しみです♪さ~って、これから仕事、頑張りま~す!PS.そうそう、10日(土)に行った八幡平・小和瀬川・湯ノ又沢右俣右沢遡行~大倉沢下降を『沢の扉』に掲載しました。ネットでの遡行記録が皆無のようでしたので、かなり詳しく記載したつもりです。今後遡行される方々の参考になれば幸いです。

『沢の扉』 八幡平 小和瀬川・湯ノ又沢右俣右沢遡行~大倉沢下降 今すぐ見たい方はクリック!
『カップヌードル リフィル』 カップに入っていない山用カップ麺 今すぐ見たい方はクリック!


9月11日(日)八幡平・小和瀬川 
湯ノ又沢遡行~大倉沢下降

昨日は、タラさん含む盛岡RCCさん3名とヤマメさん、そして私の計5名で八幡平は小和瀬川流域の湯ノ又沢右俣右沢を遡行し、大倉沢を下降して参りました。ヤマメさんとは山で何度かお会いしたことがありましたが、沢をご一緒するのは初めてでした。山屋の世界は、ほんと狭いものです。特に岩手は。

以前タラさんより「9月10日、沢へ行きませんか?」とのお誘いを頂いた時、「倉沢山に突き上げる小和瀬川の湯ノ又沢右俣なんぞ、楽しそうですよ♪」とご提案申し上げたのです。日本登山大系には記載されているものの、ネットでいくら調べても遡行記録は出てきません(2005年7月に途中敗退した私の記録のみ)。地元の人ですら遡行しない超マイナーな沢なんです。でも、今回遡行してみて思ったこと…。「楽しい沢じゃないか~♪もっと遡行されて良い沢だな!普及のきっかけになれば幸い♪」と。そうそう、虎毛山塊にも同じ名前の沢(役内川の湯ノ又沢)がありますが、全く別な沢です。

2005年に遡行した時は、相方の時間の都合により途中で下山せざるをえませんでしたが、その時「ここまでの遡行でも結構面白い!この上はどうなっているんだろう?またいつか遡行したいな!」と、興味を抱き続けていました。あれから6年が経ち…再度遡行できるなんて楽しみです♪ボルダーチックな滝とゴルジュが連続し、間違いなく小和瀬川流域(八幡平)で一番難度の高い沢だと思います。っていうか、岩手でも三本の指に入る難度だと思いました。焼石連峰の天竺沢と同じくらいのグレード(3級上)はあると思います。

今回は入山と下山場所が異なる為、前もって車を下山口(中ノ又林道終点)まで回しておかなければなりません。よって、集合時間も朝が早く、真っ暗の中、自宅を出発しました。「お天気が気になるなぁ~!」天気予報によれば、午前中は雨で午後は曇り、とのこと。その逆であって欲しいけど…(^^ゞ。中ノ又林道終点に車をデポした後、入渓地点の湯ノ又林道終点を目指します。ところが…湯ノ又林道に入り3.3K進んだところで道路が崩壊しており通行不能(車高の高いRV車なら通行可能)!よって、林道終点まで約5.4k、1時間15分も歩くハメに…。これはまったく想定外でした(^^ゞ。

天気は、シトシト小雨が降ったり止んだりの繰り返しで、「この位の雨なら問題ないだろう!」と突っ込むことにしました。まずは懐かしい三階ノ滝(2段40M)の登攀から始まります。今回はRCCさんの「若手のホープ」で「ガンガン登りたい盛り」のY君やK君がいるので、私やタラさん、ヤマメさんの「おじさん組」は、楽させてもらいました。いやはや、ありがたいことです。特に45歳を過ぎてからは体力、技術、そして度胸の衰えを痛感するこの頃…。30代までは「全国どこの沢でも行けるぞ!」と自信満々に思っていたのにね。若手の成長の為にも、厳しいところはどんどん若手に任せるようになりました。

2005年の遡行時、この三階の滝に30mロープをFIX(固定)しておいたのですが(下降の為に止むを得ず残置)、無くなっていました(支点のみ残っていました)。その三階の滝の上以降は、「これでもかぁ~!」ってくらいに、ボルダーチックな滝とゴルジュが連続します。高巻きは悪いので「登るしかない!」って滝がほとんどで、シャワークライミングもビシバシです。小雨降る中のシャワークライミングは体の芯まで冷え、まるで修行僧のようです。ほんと寒くってブルブル状態でした。沢の規模は小さいですが、ナメが発達した沢で、ハーケンを打ちこむリス(裂け目)は期待できません。

滝、滝、滝の連続で「またかぁ~!」って感じでした。ザイルを頻繁に使用した為、中々前に進みません。2万5千図で見ると短い沢なのですが…。「時間が許せば倉沢山までツメ上げたい!」との気持ちもありましたが、そんな余裕はありませんでした。それどころか、「このペースだと明るいうちに下れるだろうか?」と不安が頭をよぎりました。

上部はナメ滝の連続です。この沢の岩、フリクションはバッチリ!これでお天気が良ければ最高なのになぁ~♪枝尾根をヤブ漕ぎしながら1070mコルまで下り、大倉沢を下降しました。この沢もナメが発達した綺麗な沢でした。大きな滝はなく、懸垂下降することなく下れました。大倉沢を下降したのち、本流の中ノ又沢の右岸沿いに付けられている水路の点検道を利用し、林道終点へ。その後、車の回収を行い雫石のあねっこ(温泉)へ寄りひと風呂浴び気分スッキリ♪何たって、今日一日雨の中の遡行で体は汚れビショビショに濡れ、体も冷え切っていましたゆえ。温泉最高♪(^o^)

三連休の南会津・大幽西ノ沢の遡行に向け、良いトレーニングになりました。「今日はいい沢が出来たな♪」と思えた時は、自分にご褒美を与えるようにしています。それが「日本酒(高級酒)+お寿司(かっぱ寿司)」なんです。私にとって、何よりのご馳走でありご褒美なんですよ♪昨夜購入したお酒(高級酒)と沢で撮影した写真を『酔いどれ画像掲示板』に掲載しました。ご興味のある方はご覧くださいね♪

『酔いどれ画像掲示板』 八幡平 小和瀬川 湯ノ又沢 今すぐ見たい方はクリック!


9月7日(水)道は開ける

先日9月5日NHK放映された『鶴瓶の家族に乾杯』、ロケ地は沖縄の読谷村(よみたんそん)でした。母として『懐かしいねぇ~!』と言い合い、『あれから7年も経つんだなぁ~!』と月日の流れる早さを実感しました。

2004年10月末、7つ下の弟の結婚式が沖縄の読谷村の教会で行われたのです。テレビでは、我々が泊まったホテル日航アリビラや、その側の海水浴場も映っていました。母は『沖縄、綺麗だったねぇ~!よかったねぇ~!』って、あれから7年も経つのに今でも言います。余程刺激的で楽しかったのでしょうね。沖縄、ここ岩手からとても遠いですが、またいつか行ってみたいです。

最近読んだ本に『斎藤一人の道は開ける』があります。っていうか、本日読み終わったばかりです。読後は気持ちスッキリ♪って気分にさせてくれます。また非常に納得できる内容でした。『人生、難しく考えなさんな!成功の秘訣は人を喜ばせること!人生の成功の基礎は、笑顔、うなずき、天国言葉!』などなど、非常にシンプルでわかりやすいです。核心をついていて「なるほど…」と頷きながら読んでしまいました。以下、アマゾンHPに記載されている本書の概要です。

『日本一の大実業家、一人さんから“人生がよくなる方程式”を伝授された著者。その教えの実践により九州のダイニング「陽なた家」を年間1万人が訪れる驚異のお店に育てました。本書では「今いる所で必要とされる人になる」「著者に会うよりその本を何回も読む」「夢よりも使命感を持つ」など、人生が好転する効果抜群の知恵が満載。多くの人の人生を変えた“一人さん渾身の授業”をまとめた本です。』

読後、『もっと斎藤一人さんに関する本を読みたいなぁ~!』と思い、アマゾンで『斎藤一人の人を動かす』を買っちゃいました。読むのが楽しみです♪五日市剛氏著の『ツキを呼ぶ「魔法の言葉」』と同じことが書かれていました。斎藤一人さんはそれを『天国言葉』と呼んでいました。ついてる、嬉しい、楽しい、感謝してます、幸せ、ありがとう、許します。この言葉を普段から言ってると、また言いたくなるような良い事が起きるのです。

ところが、起きたことに対して不平、不満とか、悪口とか、文句ばっかり言っていると、また言わなきゃいけないことが、また次の日同じ目に遭うとかということが起きる。だから、嫌なこととさようなら出来る言葉が「ありがとう」とか「感謝している」なのです。ただ、時々試練みたいのがあって、感謝していても嫌なことが起きる、どんな時でも感謝できるかが、神様の試練。

これ、ほんとそう思います。天国言葉は、自分も相手も楽しい気持ちにさせてくれます。ちなみに故松下幸之助氏は、この天国言葉を使う名人だったようです。幸之助氏が自転車を運転している時、車とぶつかったそうです。自転車に積んでいた商品は滅茶苦茶に壊れてしまいましたが、自分の体は壊れませんでした。「わしゃ、ついている!」と言ったそうです。

昨日の昼の番組「ひるおび」で松下政経塾のことをやっていました。最終面接で故松下氏がした質問…『あなたはついていると思いますか?』だったと言います。つまり「自分はつている人間だと思っていることが大事だ!」ということらしいです。「ついている」と思えば、運も付いてくるのかもしれません。人って、しゃべっている通りの人生になるのかもしれませんね。


9月5日(月)最近読んだ震災関連の本

チャリンコ並みの速度のノロノロ台風12号の影響で各地に甚大な被害を及ぼしました。ここ盛岡も連日雨、しかも蒸し暑い…(^^ゞ。山へ行くことは考えられず、家でおとなしく仕事に邁進したり、今後の山行計画を練ったりしておりました。

今月は三連休2回もあります。そして来月は1回、貴重な三連休、「出来れば遠方の沢へ行きたいな♪」と山行計画を考えるのも至福のひと時です。図書館に行って山の専門雑誌『山と渓谷』のバックナンバーを読み漁り情報収集するのも、これまた楽しいです。沢シーズンも残すところ僅か、貴重なお休みをどん欲に遊び尽くしたいと思っています。

さて、最近読んだ「東日本大震災」関連の本二冊…。①『がれきの中で本当にあったこと(産経新聞出版)』②『心をつなぐニュース(文芸春秋)』。どちらの本も震災の中で本当にあった様々な出来事が書かれていて、涙なくして読めませんでした。そこには生々しい様々な人間ドラマが…。その中から一つご紹介したいと思います。

教科書や鍵盤ハーモニカ、絵、写真などが散乱した校舎。そこにはがれきをかき分け、児童たちの遺留品をみつけて涙する親の姿があった。北上川の河口にある宮城県石巻市立大川小学校は、地震で校庭に大半の生徒と教職員が避難していたところを津波にのみこまれた。23日現在、全校生徒108人のうち、生存が確認されたのはわずか34人。教員も12人のうち10人が死亡、または行方不明になっている。

ステンドグラスが施されたホールは面影もなく崩壊していた。校舎と体育館をつないでいた2階の渡り廊下もねじれたように落ちていた。校舎内は腰の高さほどまで土砂で埋まり、津波で押し流されてきたがれきが散乱していた。音楽室のピアノはひっくり返り、4本の足をつき上げていた。毎日のように遺体が見つかった。

「ケンちゃん、ケンちゃん。苦しかっただろう。ケンちゃん、ケンちゃん。ゴメンな」。ビニールシートに包まれて運ばれてきた子供の姿を確認した親の悲痛な声が響く。近くには、捜索隊が持ち帰った泥だらけのランドセルやピアニカ、学習用具などが山積になっている。「少しでも子供の思い出が見つかれば」と山積の遺留品の中から懸命に自分の子供の写真を探していた母親(37)がいた。小6の長女(12)と小3(9)の長男を失ったという。「学校で避難したと聞いて、安心していたが…。泣くしかできない」と唇をかんだ。

大川小付近では、4月に入ってからも自衛隊と米軍による集中捜索が行われた。自衛隊らは小さい女の子の遺体を大切に収容した。がれきと化した学校跡には行方不明となった児童の家族らが連日足を運んでいる。「悔しい。子供たちが一番怖いときに迎えに行ってやれなくて」。農協職員の男性(37)は目に涙をため、捜索を見つめた。一年だった長男(7)は遺体で見つかったが、三年の長女(9)は行方不明のまま。「家にいると気が狂いそうになる」。毎日、学校跡に姿を見せては、長女の遺品を探し続ける。「昨日、娘が履いていた靴が左だけ見つかった。だけど…」。4月8日は娘の誕生日。「それまでに見つけて、誕生会をやってやりたい」。

「どんな状態でもいい。娘を家に帰してあげたいんです」会社員の男性(44)と一緒に一年の長女(7)を探し続ける妻は目を赤くしながら訴えた。4年の二男(10)は遺体で見つかった。「早く娘を確かめたい。見つからないと、次のことが何もできません」…以下、略…。

子供の死ほど親にとって辛いものはないと思います。ご冥福をお祈り申し上げます。震災以降、考え方が変わりました。「日常のごく当り前のことが、いかに大切であり幸せなことなのか!」つくづく感じました。家があること、飯が食えること、布団に寝れること、電気があること、働けること、山に行けること、そして何よりも生きていることへの感謝、などなど。

沿岸を中心とする被災地の復興がなかなか進んでいない様子…。昨日兄夫婦が陸前高田より帰省したのですが、「県や国に対して復興の為のたくさんの要望書を提出しているが、一向に進展がない。読んでくれているかどうかさえも分からない…」と嘆いていました。支持率が一気に62%に跳ね上がった野田新総理に期待したいものです。 PS.『沢の扉』に二口山塊・エシコ沢遡行~高倉沢下降を紹介しました。ご興味のある方は、ご覧くださいね。

『沢の扉』 二口山塊・エシコ沢遡行~高倉沢下降 今すぐ見たい方はクリック!


9月1日(木)二口山塊、
穴戸沢支流 エシコ沢遡行~高倉沢下降

今日から9月ですね!ということは、沢シーズンも残すところ約1か月半です。現在既に遡行予定が入っている沢は、①小和瀬川流域・湯ノ又沢遡行~大倉沢下降(日帰り)②南会津・大幽沢西ノ沢遡行~東ノ沢下降(2泊3日)③二口山塊・小松原沢(1泊2日・仕事)④オール岩手・懇親会沢山行(1泊2日・おそらく森吉の沢)です。

今日は台風の影響で、ここ盛岡は土砂降りです。この雨、今週一杯降り続くようです。よって、今週の沢は絶望的ですので仕事に邁進します。「先週行っていがったぁ~!」って、つくづく思いました。「北海道から帰ってきたばかりだし、節約したいし、仕事もたまってるし…」で「来週にしようかな?」と思ったのです。ところが、「来週晴れるとは限らないし、晴れる日を有効に使いたい!」と思い、思い切って行くことに決めたのでした。結果、それが正解でした。

宮城県と山形県の県境付近にある二口山塊は、ここ盛岡から約200K、高速道路を使って3時間かかります。ということは、車の運転だけでも往復6時間も要します。しかし、エシコ沢は短い沢ですので「前夜に行かなくても日帰りで大丈夫だろう!」と判断しました。このエシコ沢、2万5千図には沢名が記載されていませんが、昭文社のエアリアマップには記載されています。また『日本登山大系』には、遡行記録は記載されていませんが、次のように紹介されています。『穴堂沢流域で興味があるのは、本稿で紹介する本流と鹿打沢、それ以外ではエシコ沢くらいであろうか。』と。いざ出発!

天気予報によれば、遡行日の8月28日(日)、降水確率10%で朝から夕方までお日様マークで一杯でした。「よし、週末のこの貴重なお天気を大事に使わなくっちゃ!」と思い、沢へ行くことに決定したのですが、「果て?どこへ行こうか?」と悩む私…。北海道疲れもあり、「近場の沢にしたいな!でも、また遡行したことのない沢がいいな!」と思うも、中々見当たらず…。ネットを駆使して「近場でまだ遡行していない沢で、面白そうな沢はないものか?」と物色し始める私。遡行記録を読み「あっ!この沢、なんかいいかも~♪」と興味をそそられたのが、今回遡行したエシコ沢遡行~高倉沢下降だったのです。

4時10分に起きて一路二口山塊を目指しました。天気予報とは裏腹にあまりお天気がよろしくない…(^^ゞ。特に二口山塊に入ると厚い雲とガスが垂れ込め、今にも雨が降り出しそうなお天気。さらに路面にはたくさんの水溜りが出来ていました。昨夜、結構降ったのだろうなぁ~!でも、支流の沢だし多少の増水でも問題ないだろう!と突っ込むことにしました。エシコ沢は、穴戸沢の支流の沢です。7月に本流の穴戸沢を遡行していますので(この時は雨降りの中での遡行)、アプローチはバッチリです。本流と違って林道歩きが短くて(約40分)楽です。そうそう、ゲートの前で釣り師のグループ(4人)にお会いしたのですが、「エシコ沢へ行かれるのですか?」と聞かれ、ビックリしました。普通だったら穴戸沢とか鹿打沢だと思うでしょうけど…。「地元では意外と有名なのかな?」と思いました。

いよいよ遡行開始です!どんな沢か?ワクワク・ドキドキ♪いきなり堰堤が出てきて、しかも沢自体がヤブっぽい。っていうか、いきなりヤブ漕ぎモードなんですよ(^^ゞ。いくら支流の沢とはいえ、あまりにも水が流れていない…。この沢、どうなってるんだ!一つは堰堤で水がせき止められていることと、伏流になっている感じでした。よって、遡行開始約10~15分は、半ヤブ状態の遡行が続き、その後やっと沢が開け、水が流れてきたときは、ホッとしました。

遡行開始から約30分、突如巨大な滝が(標高520m付近)!沢の規模からは想像できない立派で大きな滝でした。30Mはありそうだなぁ~!遠くから見た時は、絶壁のように見えた滝でしたが、近づいてみると傾斜もさほどではなく直登出来そうでホッとしました。登るにつれて傾斜が強くなってきます。高度感タップリで楽しく登りました。いざという時は(水量の多い時など)、右岸より高巻けるので安心です。マイナーな沢だと思っていたのですが、所々に踏み跡が付いていて、結構人が入っている沢なんだな!と感じました。

次なる見せ場は、標高580m(二俣)右岸枝沢にかかる30~40mはあろうか!という立派な滝です。滝下まで行って観察すると、登れそうに見えました。二俣に戻り遡行を続けます。この二俣から先が滝とナメの連続でまったく飽きさせることなく、かつ一番美しく楽しい所です。次から次へと出てくる滝は、ほぼ全て直登出来ました。さらに上部では長~いナメが続きます。まさに舗装道路を歩いているような感じで楽しいです。

当初の予定では、655mの二俣を右へ、660mの二俣も右へ進み高倉山のコルに突き上げる予定でしたが、ヤブが濃くルートを変えることにしました。655mを左へ、670mを右へ進むとヤブを一切漕ぐことなく林道へポンと出ます。林道を歩き高倉山のコルまでは約20分でした(高倉山へ至る踏み跡あり)。ここから高倉沢を下降します。林道から高倉山のコルの間に降りられそうなルンゼが2か所あります。今回私は、奥の本当のコル(高倉山に近い方)から降りましたが、急登なスラブ状態で沢通しでは降りられず、傾斜が緩むところまで尾根通しに下り(私は右岸の尾根から下ったのですが、左岸の尾根から下った方が楽です)、2回も懸垂下降をしました。

「もう一つの林道に近い方のルンゼから降りた方が楽だったかも?」と思いましたが、こればかりは行ってみないとわかりません。高倉沢は特に難所もなく下降に適した沢でした。遡上の際は、物足りなさを感じる沢だと思います。もう直ぐ遡行終了するって頃に、やっとお日様が出てくれました♪太陽の力は絶大ですね。水がキラキラ輝き、まるで夢の世界を歩いているようでした。帰りは二口温泉で汗を流し、のんびり帰って参りました。

エシコ沢は、短くコンパクトに上手くまとまった楽しい沢だと思いました。林道歩きを除けば、エシコ沢自体は2時間もかからずツメ上げています。また高倉沢も2時間で下っています。この日は、林道歩きを含めればトータル5時間半(休憩含む)の行動でした。雨で本流が遡行できない時のサブ候補の沢として、また寝坊した時とか(エシコ沢とツメて林道に出て、その後、林道を下ればもっと短時間)、初級者の沢登り講習会とかに適した沢だと思います。想像以上に美しく楽しい沢でした♪(^o^)

PS.『酔いどれ画像掲示板』に今回撮影した写真を掲載しました。ご興味のある方は、ご覧くださいね♪今回は7月31日の日記に記載した新しいデジカメ(ニコンCOOLPIX P300)で撮影しています。今回の遡行、お天気が悪く沢の中は暗かったのですが、自然の光でこれだけ綺麗に撮れるのですから驚きです。さすが「暗いところに強いカメラ」です。このカメラ、沢や向きです。これで防水機能があったら文句なし!なんですけど。

『酔いどれ画像掲示板』 二口山塊 エシコ沢 今すぐ見たい方はクリック!

  1. HOME
  2. INDEX
  3. 翌月
  4. 前月