ロバート・キヨサキ

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掲載の本

金持ち父さん貧乏父さん 筑摩書房

著者紹介

ハワイ生まれ。大学卒業後、ベトナムに出征。帰還後、彼のビジネス・キャリアが始まる。1977年、ナイロンとベルクロを使ったサーファー用財布を考案。世界的大ヒットで何億ドルという売上を記録。その成功が「ジェントルマン・クウォータリー」「サクセス・マガジン」「ニューズ・ウィーク」「プレイボーイ」等で取り上げられる。

1985年、ロバートは七カ国にまたがる国際的なビジネス教育会社を設立し、以来、何万人という大卒成人にビジネスや投資について教えてきた。47歳で実業界を引退、億万長者になる方法を教え、「金持ち養成学校の先生」と呼ばれている。ロバートは、「人々が経済的に苦しんでいる理由は、何年も学校に通いながらお金ついて何も学んでいない事にある。学校で人はお金の為に働く事を学ぶ。だが、お金を自分の為に働かせる事は知らないままで一生を終わる」と主張する。その他の著書に『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』などがある。

本の概要

もともとはビジネス教育スクールの教材として書かれたもの。だからアメリカでのスタートは1,000部だけ。 それが口コミや紹介記事などで広まり、現在では全世界で1,000万部突破!日本でも110万部突破の超ミリオンセラーに…話題騒然の1冊!

著者はハワイ在住日系4世、貧しい少年時代を経て、コピー機のセールスマンからスタート、起業家、投資家として一代で財を成し、多くの経済誌に紹介された立志伝中の人物。本書は、彼の現在の成功を導くことになった親友マイクの父親「金持ち父さん」から学んだ「金持ちになるためのお金の考え方」を伝えています。起業家時代の子どもたちに教えたい、お金に関する知恵と知識や、金持ちになる秘訣、金持ちであり続ける秘訣をやさしく説いています。

本書は、金持ちになるためにはたくさん稼ぐ必要があるという「神話」をくつがえしています。持ち家が資産だという「信仰」を揺るがす。資産と負債の違いをはっきりさせる。お金について教えるのに、学校教育があてにできないことを親にわからせる。そして、お金について子供たちに何を教えたらいいかを教えてくれる。 そういう書です。私が、ぜひ皆さんに一読を勧めたい書でもあります。

目次

お金持ちが教えてくれるお金の哲学

序幕 いま子供達に必要な事 From シャロン・レクター

いま学校で、子供達が実社会に出るための準備が充分になされているだろうか?「一生懸命に勉強していい成績をとれば、いい会社に入ってたくさん給料がとれるようになる」両親は私にそう言い続けてきた。子供達に大学教育を受けさせよう!そうすれば人生で成功を収められるから…と。親の期待に添うべく私は上を目指してひたすら働き続けた…。私は自分が両親から言われた事を、そっくりそのまま息子に言っていた事に気付き始めた。

確かに世界は変わりつつある。それなのに、親が子に与える忠告は変わっていないのだ!いい教育を受け、いい成績をとるというのはもはや成功へのパスポートではない。それなのに、だれもその事に気付いていない…。子供以外誰も…。がむしゃらに働いて、税金が増えたらそれを払う為にもっと働いて、それで結局は借金だらけで終わる…。社会保障や企業年金だってあてにできない…。今の時代、子供達に向かって「学校に行っていい成績をとって安定した仕事を見つけなさい!」などと容易に忠告する事はできなくなったのだ…。

★人生のラットレース
平均的な教育を受け、真面目に働く人の一生には共通のパターンがある、それは?最近では男も女も働くようになったので生活は楽だ。一家に収入の道が二つあるのは実に快適だ。若い二人は人生における成功を手に入れたように感じる。未来は明るい。二人は家を買い、車を買い、テレビを買い休暇には旅に出かける。それから子供ができる。お金がもっと必要になる。

子供ができて大喜びの両親は、昇進と昇給をめざしてさらに頑張って働く。次の子供が生まれ、もっと大きな家が必要になる。両親はさらに一生懸命働き、会社に献身する良き従業員となる。

一家の収入は上がるが、累進課税の為それにかかる税金も増えるし、家を大きくしたため固定資産税も増える。社会保険料、その他諸々の税金も増える。二人は『給料が増えているのに、そのお金はどこへ行ってしまったのだろう?』と不思議に思いながら、あまった僅かなお金で生活必需品をクレジットカードで買う。子供達は学齢期に達し、大学進学の為のお金を貯める必要がでてくる。それと同時に自分達の引退後の生活のお金も貯め始めなければならない。35歳になった幸せな二人はいまや完全に『ラットレース』に巻き込まれ、退職の日までがむしゃらに働き続けなければならない。

彼らは会社の持ち主に利益をもたらす為に働き、政府に税金を払う為に働き、銀行にローンを返済する為に働き、クレジットカードでの買い物の支払いをする為に働く。そして、両親は子供に『一生懸命勉強していい成績をとって、安定した職業につきなさい』と言い聞かせる。こういう親達はお金について一生何も学ばず、ただがむしゃらに働き続ける。このプロセスは次の世代でもまた繰り返される。これが『ラットレース』だ!

「もし子供に経済的に安定した将来を持たせてやりたいと思うのなら、昔のルールでゲームをさせる事はできない。それはあまりにも危険すぎる…。現在の学校教育では金持ちが知っているような事を教えてくれません。このラットレースから抜け出す唯一の方法は会計と投資に関する能力を高める事が必要なのです。会社が必要としている技術を身につける為に何かを学ぶのではなく、自分が学びたい事を学ぶ事が必要なのです。

お金の教育が必要な理由
企業が経費の削減を理由にリストラしたらどうなる…?解雇が行われ、職を失った人の家族が路頭に迷い、失業率が上がるわね。そうだ。だが、企業事態はどうなるかな?特に株式の公開をしている企業だったら?ふつうリストラが公表されると株価が上がるわ。企業が機械化や人員整理などによって人件費を削減すると市場はそれを好材料と見るのよ。その通りだ。で、株が上がると私のような人間、つまり株主の懐にまたお金が入ってくる。従業員は負け、企業のオーナーと投資家は勝つというわけだ。

ロバートが説明してくれた違いは、雇用する側とされる側の違いだけでなく、自分の運命を自分でコントロールすることと、その操縦を誰かにゆだねてしまう事の違いでもあった。世の中には二つのルールがある。金持ちが使っているルールと、残り95%が使っているルールだ。いま、ただ単純に『しっかり勉強していい仕事につきなさい』と子供に言い続ける事が危険な理由はここにある。お金に関する知識と技術、この教育こそが成功の鍵だ。

いま私たちが生きる時代の世界的な変化、テクノロジーの変化はこれまで人類が体験したどんな変化よりも過激だ。未来がどうなるか知っている人は誰もいない。しかし、何がどうなろうと、私たちに与えられた二つの選択肢は変わらない。一つはひたすら安全のみを求める道。もう一つは将来に備えて教育を受け、自分や自分の子供の中に眠っている「お金に関する才能」を目覚めさせる道だ。

金持ち父さん貧乏父さん

正反対の事言う金持ち父さんと貧乏父さん
貧乏父さんは、『それを買う為のお金が無い』というのが口癖だった。金持ち父さんは、『どうやったらそれを買う為のお金を作り出せるだろうか?』と言わなくてはいけないと私に教えた。なぜなら、『それを買うお金が無い』と言ってしまうと、頭が働くのをやめてしまうからだ。一方、『どうしたら買えるだろうか?』と自問すれば頭が働き出す。

世界で最も優秀なコンピューター、つまり自分の頭を使えと言いたかったのだ。一方の父は、『勉強しろ、そうすればいい会社に入れるから』と私を励ました。もう一方の父は『一生懸命勉強しろ、そうすればいい会社を買う事ができるから』と励ました。

一方の父は『私にお金が無いのは子供がいるせいだ』と言うかと思えば、もう一方は『私が金持ちになれたのは子供がいるからだ』と言う。

頭の中がその人の人生を作る
存在感の強い二人の父親のもとで育った私は、異なる考え方が人間の人生に異なった影響を与える事を目のあたりにする事ができた。その結果、「頭の中の考えがその人の人生を作る!」と言う言葉が本当である事を知った。例えば、お金に困ってばかりいた父親はいつも「私は絶対金持ちにはなれない」と言っていた。その予言は見事にあたった。一方、後に金持ちになった父親は、そうなる前から「自分は金持ちだ!」と言い切っていた。この父は、金詰りになってほとんど破産状態になった時でさえ自分は金持ちだと言い続け、「貧乏と破産は大違いだ。破産は一時的な状態にすぎないが、貧乏はずっと続く!」と言っていた。

一方の父は私に、「学校で一生懸命勉強し、いい大学を卒業していい仕事につき、できるだけ多くのお金を稼ぐために働くように」と言った。もう一方の父は金持ちになるために学ぶ、つまり、お金がどのように動くかを理解し、お金の為に働くのではなく、お金を自分の為に働かせるにはどうしたらよいか!を学ぶ奨励をした。「私はお金の為に働いているわけじゃない!」この父はよくこう言っていた。「お金が私の為に働いているのだ!」

金持ち父さんの六つの教え

第一の教え:金持ちはお金の為に働かない
第二の教え:お金の流れの読み方を学ぶ
第三の教え:自分のビジネスを持つ
第四の教え:会社を作って節税する
第五の教え:金持ちはお金を作り出す
第六の教え:お金の為ではなく学ぶ為に働く

第一の教え 金持ちはお金の為に働かない

お金持ちになりたかったら、お金を作る方法を学ぶ事!ロバートが9歳の時、父さんに聞いた…。「どうしたら金持ちになれるの?」「お金を作りたかったら、お金を作る方法を学ぶ事だ。」「どうやってお金を作るの?」「さぁ、それは自分で考えてごらん」。ロバートは何と歯磨きのチューブを溶かした鉛でお金を偽造したのでした。金持ち父さんは私にこう言った…。「お前達、貧乏になるのは、あきらめてしまうからだ。あきらめない限りは貧乏じゃない。一番大事な事は、おまえたちが何かをやったということだ。世の中には金持ちになる話ばかりして、夢ばかり見ている人がたくさんいる。おまえたちは何かをやった。私はお前達の事を誇らしく思うよ!決してあきらめるんじゃないよ!」と。

人生から学ぶ、人生につつきまわされた時が学ぶチャンス
もし人生から教訓を学ぶ事ができれば、君は成功する。もし学べなければ、人生につつきまわされるばかりだ。人間には二種類ある。一つは人生につつきまわされても、ただそのままにしておく人たち。もう一つは、怒ってつき返す人だ。でも多くの人は、つつき返す時に相手を間違える。上司や仕事そのもの、あるいはだんなさんや奥さんに向かってつつき返すんだ。みんな人生が自分をつついでいるとは知らないからなんだ。」

人生から教訓を学んで先に進んでいく人はとても少ない。でもそういう人は、人生からつつかれるたびに何かを学び、先に進んでいく。大事な事は、問題なのは相手ではないことだ。人生が私に与えた試練・学びの場、つまり自分自身が問題なのだ。その事に気付けば、自分の事なら変えられるし、何かを学んでより賢くなる事もできる。たいていの人が自分以外の人間を変えたいと思う。でも、よく覚えておくんだ。他の誰を変えることより、自分自身を変えるほうがずっと簡単なんだ!自分の抱えている問題を相手のせいにしないことだ。

貧乏人とお金持ちの違い

★中流以下の人間はお金の為に働く。★金持ちは自分の為にお金を働かせる。★お金がどのようにして働くかを学ぶ事。

お金の為に働く事を選んだ人生は?
「たいていの人は恐怖が原因でひとつの所で働き続けるってことを覚えておくんだ。月末に請求書の払いができないじゃないか、首になるんじゃないか、お金が足りなくなるんじゃないか、やり直したら失敗するんじゃないかと思って怖いんだ。この恐怖は、一生懸命勉強して会社に入り、お金の為に働くという道を選んだ場合に支払わなければならない代償のようなものだ。たいていの人は、お金の奴隷になっている。

恐怖と欲望が仕掛ける人生の罠
「たいていの人には値段がある。それは人間誰しも恐怖と欲望という感情を持ち合わせているからだ。まず、お金を持たずにいる事が怖いから必死に働く、そして給料を受け取ると欲張り心が頭をもたげ、もっとお金があればあれも買えるこれも買えると考え始める。その時に人生のパターンが決まる。そのパターンとは、朝起きて、仕事に行き、請求書を支払う、また朝起きて、仕事に行き、請求書を支払う…この繰り返しだ。その後の彼らの人生はずっと恐怖と欲望という二つの感情に走らされ続ける。そういう人はたとえお金を多くもらえることになっても、支出が増えるだけでパターンは決して変わらない。これが、私が『ラットレース』と呼んでいるものなんだ。

みんな本当の気持ちを見つめず、お金が無くなったらどうしよう…と心配ばかりしている。そして、その恐怖に真正面から立ち向かおうとしないんだ。つまり、考えようとせずに反応だけしている。頭を使うかわりに感情に任せて反応ばかりしているんだ。

恐怖を感じるから仕事に行く。お金がその恐怖をやわらげてくれる事を願いながらね。でもお金が入っても恐怖は消えない。それからまた新たな恐怖に襲われて仕事に戻る。今度もお金が恐怖をやわらげてくれるのではないかと思いながらね。でも今度もそうはならない。恐怖が彼らを罠の中に閉じ込めているんだ。こういう人の人生はお金によって動かされている。彼らは感情も魂もお金に支配されているんだ。

金持ちになっても問題は解決しない
お金がもたらしてくれる喜びはたいていあまり長続きしない。より多くのお金を必要とするようになるからだ。だから働き続けるんだ。金持ちがお金を持っているのは、欲望の為ではなくて恐怖の為だ。金持ちはお金を持たないでいる事の恐怖、貧乏になる事の恐怖をお金が打ち消してくれるだろうと本気で信じている。

だからたくさんお金を貯める。でも、その結果わかるのは恐怖がもっと強くなっている事だけだ。今度は貯めたお金を失う恐怖が襲ってくる。この罠から抜け出す為には、自分の感情に正直になって、自分にとって悪い方向にではなく、自分の為になるように心と感情を使うんだ。感情に対してただ反応するだけでなく、それを観察して考える事を覚えておくんだ!

「私は君達にお金の持っている力を学んで欲しいと思っている。お金を怖がるのではなくてね。そういうことは学校では教えてくれない。でも、それを学ばなければ君達はお金の力の奴隷になるしかないんだ。「欲望と恐怖を大きくするのは無知だ。」「恐怖と欲望が人間の考え方を左右しているということを意識しないでいると、この二つの感情に引っ張られて、知らない間に人生で最大の罠が待ち構えている道へ迷い込んでしまう。」給料の額によって決められた人生なんて本当の人生じゃない!お金に振り回されないようにして欲しんだ。

大切なこと

★感情に支配されず、頭で物を考える!★頭を使ってお金を生み出す!

頭を使ってお金を生み出す
働きながら頭を使うんだ。そうすれば目の前にあるチャンスが見えてくる。たいていの人はお金と安全な道ばかり求めているから、このチャンスが目に入らない。一つでもこのチャンスを見つける事ができれば、それから一生、こういったチャンスを見つける事が出来るようになる。店でのただ働きのおかげで、私たちはお金を作るためのチャンスを見つける必要に迫られた。マンガ図書館というビジネスを自分達で始めることで、雇い主に頼ることなく自分のお金で管理する立場を手に入れたのだ。このアイディアで一番良かった事は、私たちがその場にいなくてもその事業自体がお金を生み出してくれた事だ。お金が私たちの為に働いてくれたのだ。


第二の教え お金の流れの読み方を学ぶ

お金について知らなければ、お金は出て行くばかり
多くの人がお金の心配ばかりしていて、もっと偉大な富、つまり「教育」に心を砕こうとしないことに懸念を抱いている。お金があれば全て解決すると思っている人は、これから先、苦労するだろう。問題を解決しお金を生むのは頭脳だ。ファイナンシャル・インテリジェンス(お金に関する知性)の乏しい人が持っているお金は直ぐになくなる。長い目で見た場合大切なのは、どれだけの金を稼げるかではなく、どれだけの金を持ち続けることができるかだ。子供や孫など、何世代までもそれを残す事ができるかだ。だが、これに気付いている人は少ない。金持ちになりたければ、お金について勉強しなければならない

資産と負債の違いを知る事が第一
まず大切なのは、資産と負債の違いを知り、資産を買わなければならないという事だ。金持ちになりたい人が知っておくべき事はこれにつきると言ってもいい。いわば金持ちになる為の鉄則だ。ところが、資産と負債の本当の違いを知らない人があまりにも多い。ホントは負債なのに資産だと思って買ってしまっている人がなぜ多いのだろうか?

資産と負債

★金持ちは資産を手に入れる。★中流以下の人たちは負債を手に入れ、資産だと思い込む。

資産と負債はここが違う
お金に困ってあくせくする最大の原因は、資産と負債の違いを知らない事だ。金持ち父さんが二人の少年にした説明は簡単だった。

資産:私のポケットにお金を入れてくれる
負債:私のポケットからお金を取っていく

知らなければならない事は本当にこれだけなのだ。金持ちになりたいのなら、ただ「資産を買うこと」に生涯を捧げればいい。中流以下にとどまっていたい人は負債を買えばいい。資産と負債の違いを知らないこと、これが多くの人がお金に困っている最大の理由だ。

★中流の人のお金の流れ→仕事より収入を得る。負債を買っている事に注目!

★金持ちのお金の流れ→資産により収入を得る。資産を買っている事に注目!

これによってわかる事は、中流の人のお金の流れでは、いまより多くお金が入ったところで、それはその人の頭のお金の流れのパターンが加速するだけなのだ。つまり、お金を稼いだ後どうするか?人にそれをとられないようにする為にはどうするか?それを長く持ち続けるにはどうしたら良いか?そのお金をどうやって自分の為に働かせるか?といった事を知らなければ、いくらお金を稼いでも無駄だ。たいていの人はキャッシュ・フロー(お金の流れ)を理解していない為に、なぜ自分がお金に苦労するか分からないでいる。このような人は「一生懸命働く事はいい事だ!」とだけ教えられ、「自分の為にお金を働かせる」方法を知らないでいるため、必要以上に働き続けることになる。

鏡を見て己を知る
多くの人は自分の内に潜む知恵、自分の中にある天賦の才能を信じることなく、みんなと同じ方法を選ぶ。つまり、ほかの皆がそうしているから…という理由で行動するのだ。こういう人は疑問を持つことも無く、ただみんなと同じようにする。つまり、「リスクの分散」「安全な仕事を見つけろ」「危険を冒すな」といった考え方である。多くの場合、人と違った事をするのを恐れる気持ちが問題解決の為の新しい道を見つけるのを難しくする。お金に関する大きな問題の多くは、他の人と同じ事をしよう、隣うちに負けないようにしようとするところから生じる。これらは仲間はずれにされる事に対する恐怖からきている。

持ち家は資産でも投資でもなく「負債」である
※以下を見てもわかるように家は資産ではない。なぜなら、家計からお金を吸い取っていくから。それを「負債」という。

金持ちはこうやってどんどん金持ちになる
金持ち父さんの財政状態を表す財務諸表は、負債を減らし投資をする事に全力をつぎ込んだ生き方が見事に反映されている。資産が大きいから、そこから生まれる収入が支出を上回り、あまったお金を再び資産に回す事ができるのだ。そうすれば、資産はさらに増え続け、収入は増え続ける。そして、金持ちはますます金持ちになる。

中流以下の人はいつもお金に困っている。彼らの主な収入源は会社からの給料だ。給料が上がると税金も上がる。支出のほうも給料と足並み揃えて増えるのが普通だ。だから結果として永遠に終わる事のないラットレースを続ける事になる。こういう人はたいてい、収入を生む本当の資産にお金を投資する代わりに家を買い、それを最大の資産と考えている。これこそが、お金に関する教育不足から生まれる、リスクをともなった生き方だ。

一番大切な事は、資産と負債の違いを知る事。次は、収入を生む資産を買うことだけに努力を集中する。これが金持ちになる為の道を歩み始める最善の方法だ。この方法を実行し続ければ資産の欄が大きくなっていく。その一方で、負債と支出は低く抑えるように努力する。そうすれば資産の欄につぎ込むお金を増やす事ができる。収入を生む資産を買うことだけに努力集中する!

誰の為に一生懸命働くのか
①他人の為に働く
たいていの人は会社に勤めて給料を貰う。こういう人はその会社のオーナーあるいは株主を金持ちにする為に働いている。あなたの努力と成功は、結局はオーナーの成功と引退後の生活を助けるだけだ。

②政府の為に働く
政府はあなたの給料から分け前を差し引く。だから、給料の全額をあなたは拝む事すらできない。一生懸命働けば働くほど、税金を多く払わなければならない。たいていの人は年に五ヶ月は政府の為、税金を払う為だけに働いている。

③銀行の為に働く
税金を引かれた後の支出で一番大きいのは、たいていの場合、住宅ローンの返済とクレジットカードの支払いだ。※このように増えた収入の大部分が、今あげたような仕組みで他人のふところに入ってしまう。だから一生懸命働くだけではダメなのだ!※一生懸命働いたらその努力した分がそのまま自分や自分の家族の利益になる為の方法を学ぶ必要があるのはこのためだ。

まとめ

金持ちは資産を買う ★貧乏人の家計は支出ばかり ★中流の人間は資産だと思って負債を買う

第三の教え 自分のビジネスを持つ

第三の秘訣とは、自分の「ビジネス」を持つことだ。多くの人がいつもお金に苦労している直接の原因はたいていの場合、一生他人の為に働いていることにある。世の中には、毎日いくら働いても結局は何も自分の手元には残らないという人がどんな多い事だろう。彼らは「労働者」となって「賃金」の為に働く。

自分のビジネスを持つ=本当の資産を持つ
経済的な安定を確保しようとするなら、自分のビジネスを持つ事が必要だ。自分のビジネスは「収入」ではなく、「資産」を中心に展開する。前にも言ったように、金持ちになる為の第一の秘訣は、資産と負債の違いを知り、資産を購入する事だ。金持ちは資産に常に注目し、そうでない人間は給料明細の数字ばかり気にする。様々な支払いを済ませた後のお金を収入を生み出す資産にまわし、そこから充分な収入を得られるようにならない限り、給料はその人の経済的安定には少しも役に立たない。自分では資産と思っていても実際は負債だったり、買った時点で大きく価値が減少してしまう消費財ではなく、利益を生む本当の資産を買い始める事だ。支出を低く抑え、負債を減らし、確実な資産の基盤を築くように努める事をお勧めする。

本当の資産とは何か?
自分が一番好きな資産を手に入れること。なぜなら「好きでなかったら、きちんと世話ができない」から。「自分のビジネスを持つ」とは、本当の意味での資産を増やし、それを維持する事を意味している。一度手にしたお金は二度と出て行かないようにする。あなたの貸借対照表の資産欄に入ってきたお金は、あなたの為に働いてくれる労働者だと考えるといい。お金のいい所は人間の労働者と違って二十四時間働いてくれるし、次の世代へ受け継ぐ事もできる点だ。

本当の資産とは…?

①自分がその場にいなくても収入を生み出すビジネス(会社の所有) ②株 ③債権 ④投資信託 ⑤収入を生む不動産 ⑥手形、借用証書 ⑦音楽、書籍などの著作権、特許権 ⑧その他、価値あるもの、収入を生み出すもの、市場価値のある物品など

第四の教え 会社を作って節税する

金持ちは4つの力使ってお金を作り出している

<会計力>ファイナンシャル・リテラシー(お金に関する読み書き能力)貸借対照表や損益計算書といった財務諸表を読んで理解できる能力 ②<投資力>「お金がお金を作り出す科学」を理解し、戦略を立てる力 ③<市場の理解力>需要と供給の関係を理解し、チャンスをつかむ力市場が欲しがっているものを市場に与える ④<法律力>会計や会社に関する法律・国や自治体の法律に精通し、合法的に行う力合法的にゲームをするのが一番だ。

会社を持つと法律を利用できる<有利な税金対策>
会社に雇われている人は、稼いだ収入から税金を引かれ、残ったお金で生活をやりくりする。一方「会社」は収入を得たら、そこから経費を差し引き、残ったお金に税金が課せられる。これが金持ちが利用する最大の合法的な税金の抜け道の一つだ。会社によって与えられる法律上の利益と保護について詳しく調べる事をお勧めする。

第五の教え 金持ちはお金を作り出す

度胸が大切
才能を充分に発揮できない理由の一つは自分に対する「疑い」の気持ちだ。専門的な知識の不足などは障害にならない。それよりも、人によって影響の大きさは異なるが、「自信の無さ」が私たちの足を引っ張る。個人の才能の開花を邪魔する最大の要因が、過度の「恐怖心」と「自信の無さ」にあるということだ。頭がいい人よりも「度胸のある」人の方が成功への道を先に進んでいく。

お金についての才能を開花させるには、専門知識と同時に「度胸」が必要だ。その理由は、恐怖が強すぎると才能が萎縮してしまうからだ。それを克服する為には、リスクを負うこと、大胆になること、恐怖心を力と知恵とに変えることだ。たいていの人は、お金の事になると安全な道を歩みたがる。これからの時代は、大胆に前に進んでいく人と、腐りかけた救命浮き輪にしがみついたままの人とが同居する時代となるだろう。300年前は土地が財産→次ぎに工場や製品が財産→現在は情報が財産(タイムリーな情報を持っている人が金持ちになる)

大切なこと

★お金に関する私の哲学の基本は、資産欄に種をまくことだ!★株や不動産やその他のマーケットに投資するよりも、まず最初にお金に関する知識を習得する為に投資しなさい!★勝者は負けを恐れないが、敗者は負けを恐れる!★失敗は成功に至るプロセスの一部だ。失敗を避ける人は成功も避けている!

大きなチャンスは目に見えない。頭を使って感じるものだ。たいていの人はお金に関する訓練を受けていない為、目の前のチャンスを見逃してしまう。

楽しむ事!負ける事を恐れるな!
勝つこともあれば、負けてそこから何かを学ぶ事もある。でも、どんな時にも楽しむ事だ!勝った事が一度も無い人のほとんどは、勝つ事を望む気持ちより負けるのを恐れる気持ちが大きいから勝てないのだ。人間は間違えることで学ぶ。私たちは転びながら歩く事を学ぶ。もし、まったく転ばなかったら歩く事はできないだろう。金持ちになるのも同じだ。大部分の人が金持ちでないのは、みな損する事を恐れているからだ。※あなたにとって最大の財産は、あなたの知識、「知っていること」だ。反対に最大のリスクは「知らないでいること」だ。どんな事にもリスクはつきものだ。だからこそ、それを避けるよりも上手く乗り越える方法を学ぶことが大切なのだ。

第六の教え お金の為ではなく学ぶ為に働く

私が若者にアドバイスをする時、「いくら稼げるか?」ではなく「何を学べるか?」で仕事を探しなさい!と言う。

長い目で学ぶ
私はよく、「今毎日やっている事の行きつく先はどこですか?」という質問をする。篭に閉じ込められたあの小さなハムスターのように、請求書の支払いの為に毎日働いている人たちは、そのつらい労働が自分をどこに運んでいくか?を考えた事があるのだろうか?将来に待っているものは何なのか?考えた事があるのだろうか?お金をもっと儲けたいと思うのなら「人生の先まで見通す」事が大事。

長い目で見た場合、教育はお金よりも価値がる。専門的な技術の中でもっとも大事なのはセールスとマーケティング、つまり売る能力だ。その基本にあるのは、相手が顧客であれ従業員であれ、上司、配偶者、また子供であれ、他人と意思疎通をさせる能力だ。人生で成功するのに必要不可欠なのは、書く、話す、交渉するといったコミュニケーション能力だと言ってもいい。重要な技術は、セールスとマーケティング能力だ。

「与える」ことの大切さ
本当の金持ちになる為には「もらう」だけでなく「与える」ことも出来なければならない。お金に困っていたり、適職が見つからずに困っている人は、この「まず与えて、次に貰う」ことが欠けている場合が多い。金持ち父さんは、もらう為には与えなければならない事を知っていた。そして、与えれば与えるほど、多くのものを得た。もらってから与えるのでなく、与えてからもらう。

実践の書 実践その一 まず五つの障害を乗り越えよう

第一の障害 お金を失うことに対する恐怖心
損をするのが怖いのは当たり前だ。その恐怖は誰もが持っている。金持ちだって同じだ。問題なのは恐怖そのものではなく、それに対する対処の仕方だ。つまり、損をした時にそれにどう反応するかが問題なのだ。つまり、失敗に対する対処の仕方が人生に違いを生み出すと言ってもいいだろう。金持ちと貧乏人の間の大きな違いは、この恐怖をどのように処理するかにある。

金持ち父さんはマイクと私に、人が金銭的に成功を収める事が出来ない最大の理由は、慎重にやりすぎるからだと良く話してくれた。「人は損するのが怖くて、そのために損をする」というのが金持ち父さんの口癖だった。自転車に乗れるようになるまでには、何度も転ばなければならなかった。失恋の経験が一度もなくて大恋愛を実らせたという人にもお目にかかった事がない。

それと同様に、一度も損をせずに金持ちになったという人にもお目にかかった事がない。たいていの場合、人が金銭的な成功を手に入れられない最大の原因は、金持ちになる喜びよりも、損をする苦しみの方を考えてばかりいるからだ。世の中の大部分の人が金持ちになる事を夢見ているが、損をするのを恐れるあまり何もしない。だから決して金持ちにはなれないのだ。

恐怖心を克服する

★ 勝利は敗北の後にやってくる ★ 失敗は自分をより強く、より賢くしてくれる ★ 敗北によってやる気を奮い立たせるものが勝者となり、敗北によって打ち負かされる者が敗者となる。勝利の最大の鍵はここにある。だから負ける事を恐れてはいけない ★ 勝つ事は、負けを恐れない事を意味する!

バランスよりも一点集中
手持ちのお金が少ししかないが金持ちになりたいという人にとって必要なのは、バランスをとることではなく焦点をしぼることだ。これは成功を収めている人を見れば直ぐにわかる。たくさんの卵をごく少ない数の篭に入れる。これが秘訣だ。ビル・ゲイツもしかり。「ラットレース」から開放されたいと思っている人は、まず自分にこう言い聞かせて欲しい=「失敗に対して自分はどのように反応するだろうか?」と。負ける人は失敗を避けようとして負ける。だが実際は失敗は敗者を勝者へと変える。

第二の障害 悪い方にばかり考えて臆病になる
「臆病な人間は決して勝者にはなれない」金持ち父さんはよくそう言っていた。また、次のようにもよく言っていた。=「根拠のない疑いや恐怖が臆病な人間を作る。臆病な人間は批判をし、勝利を収める人間は分析をする」。「批判」が人の目を見えなくする一方、分析は人の目を開いてくれる。分析をする勝者には、批判ばかりしている人間に見えないものが見え、また、ほとんどの人が見逃してしまうチャンスが目に入る。人が見逃してしまうものを見つけること、これこそが、どんなことにおいても成功の秘訣だ。

第三の障害 忙しい事を理由に怠ける
金持ち父さんは「それを買うお金がない」という言葉を口にしてはいけないと教えてくれた。なぜなら脳が働きを止めてしまうからだ。一方「どうやったらそれを買えるようになるか?」と考えると脳は一生懸命に働く。これは可能性を開き、ワクワクした気持ちや夢を持つことにつながる。魂を活性化させるのだ。

自分の心を開いて『正しい』と思う事をやる事だ。なぜなら、いずれにせよ批判を受ける事になるのだから。たとえ何をしようと、また何もしなくても、文句を言われる。エノリア・ルーズベルト

第四の障害 自分の支払いを後回しにする悪い週間
自分に対する支払いを先にすれば、お金に関して自分が強くなる。頭も鍛えられ、実際にお金も儲かる。自分にプレッシャーをかけることによって強くなるのだ。

第五の障害 無知を隠す為に傲慢になる
知識が私にお金を儲けさせる。無知はお金を失わせる。あることについて自分が知らないと気付いたら、その分野の専門家を探すか、それについての本を見つけるかして自分で自分を教育し始める事が大切だ。

実践その二 スタートを切るための十のステップ

①強い目的意識を持つ
なぜ金持ちにないたいのか?という強い目的意識、理由付けを持つこと。

②毎日自分で道を選ぶ-選択する能力
まず選択すべきは教育に投資することだ。私たちが持っている本当の唯一の資産は私たちの頭脳だ。頭脳は私たちは自由に使う事が出来る最も強力な道具だ。人の話に耳を傾ける事は自分が話す事よりも大切だ。もしそうでないとしたら、神様は人間の口と耳の数を逆にしたはずだ。新しい考え方や可能性に耳を傾け、それを吸収する事をせずに、自分の口ばかりで考えようとする人間がこの世には多すぎる。そういう人たちは質問する代わりに自分の言いたい事を言ってばかりいる。

一番大切な資産、自分の頭脳に投資する事が大事だ!

③友人を慎重に選ぶ
大事な事は、私が友人から多くを学んでいると言う事だ。富を築くのを妨げるハードルのうち超えるのが最も難しいのは、自分自身に正直になり、人と違った事をするのをためらわない事だろう。情報を手に入れるのが早ければ早いほど、少ない危険で大きな利益を得るチャンスがあるということだ。友達というのはそのような情報交換ができるいい関係だ。

④新しいやり方を次々と仕入れるー速習の力
⑤自分に対する支払いをまず済ませる

自分で返済しなければならないような大きな借金はしない。経費を低く抑える。まず資産を作る。大きな家やいい車を買うのはその後。

⑥ブローカーにタップリ払う
人を管理する事の本当の意味は、専門分野で自分より優れている人を上手く使うこと、そして充分な報酬を与える事にある。

⑦元は必ず取り戻すーただで何かを手に入れる力
⑧ぜいたく品は資産に買わせる-焦点を絞る事の力

お金に振り回される人は、お金の奴隷になっている。そうなったら一生お金のために働かなければならない。お金の主人になるには、お金より賢くなる必要がある。そうすればお金はあなたの言うとおりの事をするようになる。あなたに従うようになるのだ。お金の奴隷ではなく主人になること。これこそがファイナンシャル・インテリジェンスだ。

⑨ヒーローを待つ-神話の力
⑩教える事で得るー与える事の力

金持ち父さんが教えてくれた事で、私がこれまでモットーとしてきたことの一つは、出し惜しみをしないこと、与える事だ。この本で読んだ他の事はみな忘れたとしても、絶対忘れないで欲しい事が一つある。それは、何かが足りないとか何かが必要だと感じた時には、まず、それを人に与える事だ。そうすれば後になって、二倍にも三倍にもなって返ってくる。この事はお金、ほほえみ、愛情、友情などいろいろな事に当てはまる。私はこれまでずっと、お金が足りなくなったり、何か助けが必要になったりした時には、いつも自分が欲しいと思っているものをまず人にあげるようにしてきた。そんなふうにして何ををあげると、必ずそれが戻ってきた。

自分が欲しいと思うものを人に与える。

実践その三 具体的な行動を始める為のヒント

繰り返し言っているように、金儲けをしたいと思ったらまず行動しなければダメだ。さぁ、こんなところでぐずぐずしていなで、今すぐ行動に移ろう!

お金持ちになるための行動

①今やっている事を止める。今やっている事を見直し、上手くいっていない事は止めて、新しくやる事を探す。②新しいアイディアを探す。③自分がやりたいと思っている事を、直ぐにやり遂げた人を見つける。④講座に出席する、自習用のテープを買う。⑤オファー(買付申し込み)をたくさんする。⑥ジョキング、ウォーキング、ドライブをするこれらをしながら「変化」を見逃さない。⑦将来の価値を見極める。⑧株式を「バーゲン」で買う。⑨適切な場所で探す。⑩買い手を見つけてから売り手を探す。⑪歴史から学ぶ。

最後に一言!

お金を自分の為に一生懸命働かせることを学べば、あなたの人生はより楽に、より幸せなものになるだろう。今の世の中では「安全に運用する」のではなく「賢く運用する」ことが大切なのだ。お金を自分の頭に投資し、資産の獲得の仕方を学ぼうとする人は、自分の目標、未来の自分の姿として「金持ちになる道」を選んだ人だ。どの道を選択するかは、他の誰でもない、あなたが決める事だ。

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