岩井俣沢 八久和川 角楢沢下ノ沢

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朝日・岩井俣沢

三面川 岩井俣沢

初めて5級の沢の洗礼を受けたのが この沢。これは出合で撮ったもの… 入渓して早々、アブの洗礼を受ける。 雨で増水しており最初の本流徒渉で 苦労。

緊張の為か写真を撮るゆとりが なかった。結局、途中で敗退。 5級の沢の難しさが身にしみた 山行であった。また、挑戦してみたい!! S山岳会の方々と。
八久和、ベンノウ沢出合にて

赤川 八久和川 1

『朝日連峰「三方境」を源頭とし、悠久の流れ を日本海に注ぐ大渓谷・八久和川はその源 から八久和ダムまで延々23Kに及ぶ長大な 渓谷である。急峻な山域の中を貫流し、川底や 側壁を削る。有史以来の積年の浸食は長大に して深く、

険しいゴルジュ帯を形成している。』 この写真はベンノウ沢出合にて。ここより入渓。 2人でじゃれ合うYちゃん、Tちゃん。『最高ですか~?』『最高で~す!』
八久和、下流部2

赤川 八久和川 2

ベンノウ沢出合より入渓すると早速、泳ぎを 満喫。暑い日にはたまらない! 部分的に流れは強い!

顔面で水しぶきを切りながら、たくましい 泳ぎを披露するWさん! さすが、W山岳会の『鉄人28号!』
八久和下流部3

赤川 八久和川 3

長い廊下帯をヘツリながらドスコイ徒渉! それにしても美し~い!ウットリ! 体がトロケそう…! これほどまでの底抜けに明るい 5級の沢を私は知らない…。
八久和下流部4

赤川 八久和川 4

若いって素晴らしい!パワー全開! イワナのごとく、元気良く泳ぎ回るYちゃんであったが…
八久和下流部5

赤川 八久和川 5

『Yちゃんゴルジュに死す…!』 ナンマイダ~、ナンマイダ~! な~んて冗談です。 ウォーターベッドでお昼寝中で~す! このゴルジュの先は流れが強い! 下の写真がこの先です。ザイルを出す。
八久和下流部6

赤川 八久和川 6

頑張るWさん…。さすが野生人? 激流なんのその! ここはYちゃんリードで大活躍であった!
八久和下流部7

赤川 八久和川 7

<水と戯れる男達> 仕事も家族も悩みも恋も?全て里に置き去りに して男達は渓を遡く!晴れた空と酒と笑いが 何よりの褒美と。 ひとり、またひとり、渓の水に身を浮かべて・・。
八久和、岩屋沢出合

赤川 八久和川 8

遡行2日目の泊まり場。 岩屋沢出合にて。この日のシェフ担当は Wさん。朝からイタリア~ン! フム、うまい!デリ~シャスですねぇ~!

皆さん、料理の腕は確か! 以前Y先輩からご指摘がありました。 どうやら私が作る食事は『犬や猫のエサ』 らしい。皆良く我慢して食べてくれました。 感謝!
八久和中流部9

赤川 八久和川 9

せっせと泳ぐWさん。皆さん泳ぎが達者なので このくらいの所はザイルも不要! 八久和川中流域、オツボ沢出合手前にて。
八久和中流部10

赤川 八久和川 10

確かこの先がオツボ沢だったよな…? 長さ、約50Mほどあります。 『イワナの楽園!』とまで言われている川であるが、我々が行った時は、魚影ほとんどなし。

きっとお盆に皆釣られてしまったのだ ろうか…?皆さん、ほどほどに…。 ここまで来ると沢屋の領域なのだが…。
八久和コマス滝

赤川 八久和川 11

コマス滝です。ウシ沢より高巻く。 一見の価値あり。高さはないものの 自然の造形美の驚異を感じる滝でした。 右岸の岩を登り上から撮影。 この滝は人工でなければ突破不可能。
八久和中流部12

赤川 八久和川 12

重量級のTちゃんは激流をものともせず! 激流を戦車のごとく突進! 『激流よ、かかってこんかい!』 さすが徒渉隊長! ドスコイ! ドスコ~イ!
八久和、呂滝

赤川 八久和川 13

これが八久和の象徴、呂滝です。 潜水艦級の化け物岩魚が生息する と言われています。

その昔S翁が60センチ級の大イワナ を釣ったとか…。 なんか神秘さを感じさせる雰囲気 漂っていました。
八久和中流部14

赤川 八久和川 14

これは、湯ノ沢出合上部あたりであった ろうか?定かではないが…。 頭を垂れてバテテいるTちゃん! 『頑張れ~!もう少し?だぞ~!』 な~んて、ホントはまだまだだぞ~! と叱咤激励?するWさん。
八久和上流部15

赤川 八久和川 15

上流部中俣沢だったろうか…? いよいよ上流域に突入! 『ここはあっしにバシッとリードを 決めさせて下さい!』と 張り切るYちゃん!赤丸印の人物です。 今後の成長が楽しみ。
八久和上流部16

赤川 八久和川 16

ビレーするYちゃん、これから泳ぎに入る Tちゃん、それを見守るWさん。 そしてカメラマンが私。 上流部でも結構泳ぎを楽しめる!
八久和上流部17

赤川 八久和川 17

これは中俣沢の10M滝だったような? どう見ても10M以上あるように 見えたのだが…。
八久和上流部18

赤川 八久和川 18

上流域、中俣沢は雰囲気が谷川の湯檜曽 川本谷と良く似ています。赤っぽい岩がそう 感じさせるのかも知れません。湯檜曽より スケールも大きく美しく、そして楽しいです!
S字雪渓付近にて

赤川 八久和川 19

上流域、中俣沢の「雪渓S字状」付近にて! 恐る恐る雪渓の下をくぐる。 雪渓が残っていたのは、ここだけでした。
八久和上流部19

赤川 八久和川 20

これは970M地点の右岸枝沢の直ぐ 上にある10M滝です。この1時間後、台風11号 の影響を受け、濁流の遡行を満喫?すること になる。よって写真を撮る暇が無かったので これでお終いです。

どうにかこの日の内に狐穴小屋へ辿り 着きました。10時間以上もかかって しまいました。寒かったなぁ~! 八久和の増水の速さと凄さには ビックリしましたよ。ホント…! 2001年8月22日(水)のことでした。 めでたし、めでたし…。
角楢避難小屋

荒川 角楢沢・下ノ沢 1

入渓日の21日は上ノ沢出合まで行く予定でしたが雨・風強く、この避難小屋に泊まりまし た。小さな小屋ですが、快適で~す! これが大正解!夜中も雨が降りましたし。

翌日上ノ沢出合に行ったところ、とても テントが張れるような場所じゃありません。 朝日は秋って感じで、フリース・カッパを着込 んでも寒くて震えが止まらず、せっせと薪を 集めストーブで暖をとりました。最高の一夜 でしたぁ~!小屋は貸切り状態でしたし・・!
角楢沢・2段20M滝

荒川 角楢沢・下ノ沢 2

※当初荒川本流・中俣沢を遡行する予定 でしたが、増水と悪天の為断念し、支流 の角楢沢へ変更する。荷物が重た~い!

8月21日: 盛岡 5時30分(マイカーにて朝日を目指す) 節約のため高速道路は使わず下を走ること 8時間→朝日登山口13時30分着→角楢小屋

8月22日: 6時出発→上ノ沢出合(6時45分着、7時出発) →祝瓶山(11時着、11時半出発)→ 登山口の車デポ地(13時着) 右の写真は上ノ沢出合を過ぎた所にある 10M滝が2つ連続する滝。右岸を高巻く。
角楢沢・中流部のナメ滝

荒川 角楢沢・下ノ沢 3

下流部は巾の狭いゴルジュ帯、水がとっても 冷たく、朝一から泳ぎ、シャワークライム、 胸までの徒渉がビシバシ!痺れるような 冷たさでした~!参った!って感じです。

全体を通して高巻きはほとんどできない渓相 なので「直登あるのみっ!」って感じです。 数歩がいやらし~い!って思う滝が多かっ たです。度胸を決めて登りましょう! これは中流部のナメ滝群、とっても美し~い!
角楢沢・上流部にて1

荒川 角楢沢・下ノ沢 4

上流部の連瀑帯、左壁を直登。稜線が 見えてくると側壁の草付きが多くなる。 今回の遡行の謎? 今回の遡行に関して参考にした資料が 中村成勝著の『沢登り』なのですが 『右の3M滝で流入する方が本流だ。 ここは両岸垂直な岩壁で登れず、 左の水量の多いガレ沢を少し上り、 小尾根を乗っ越して本谷に戻る。』と ありますが、そこがどこなのか?? でした。

高巻いた記憶がないので たぶん登ったのかなぁ~? 少なくても小尾根を乗っ越した覚え は無く、数個の滝以外は全て直登 しましたし…。どうりでショッパイと 思った!『この沢、3級じゃないよ な~!』って思いました。謎ですっ!
角楢沢・上流部にて2

荒川 角楢沢・下ノ沢 5

上流部の連瀑帯、ここも左壁を直登。 左の側壁が圧巻でした! 支流ながらも変化に富んだ素晴らしい沢 でした~!

天気はあまり良くなくて、雨が降ったり 時折日が差してくれたり…不安定状態。 風はとっても冷たく、すっかり秋風でした。
角楢沢・最上流部の「急なスラブ帯」1

荒川 角楢沢・下ノ沢 6

最上部の『急なスラブ帯』です! 圧巻でした~!『素晴らし~い!』の 一言です。登るにつれて傾斜がどんどん きつくなり、体力的にもきつくなる。

上部は小滝が結構出てきて楽しませて くれます。高巻くと本流に戻れなく なりますので注意が必要です。 私は本流を忠実にツメて登山道の分岐 へドンピシャリ出ました。
角楢沢・最上流部の「急なスラブ帯」2

荒川 角楢沢・下ノ沢 7

最上部の『急なスラブ帯』で~す! これを登っている時も雨でした。途中、強く なってきて…。

ヤブ漕ぎ全く無しで登山道 に飛び出しますよ~! 短い沢ながらもステキな沢でした! でも夏の暑い時期に入渓した方が良さ そうですっ!

八久和川の遡行記録・2001

<8月18日(土)> 移動日 
晴れ 盛岡―バス―仙台―バス―鶴岡ビジネスホテルに宿泊

<8月19日(日)> 晴れ
鶴岡にて合流―タクシー―八久和ダム車止め:10:00→フタマツ沢→ベンノウ沢(ここより入渓)→カクネ沢出合▲ (15:30)

<8月20日(月)> 晴れ
▲ (7:30)→茶畑沢出合→平七沢出合→岩屋沢出合▲ (14:30)

<8月21日(火)> 晴れ曇り雨
▲ (7:30)→オツボ沢出合→コマス沢出合→呂滝→東俣沢出合970m右岸枝沢▲ (17:00)

<8月22日(水)>
▲ (7:00)→右俣出合→連瀑帯→狐穴小屋泊 (17:30) 台風11号直撃の日

<8月23日(木)>
狐穴小屋 (8:30)→竜門山→日暮沢小屋(13:30)→タクシーで羽前長崎の温泉旅館【ゆ・ら・ら】にて打ち上げ!

<8月24日(金)> 晴れ
羽前長崎駅→左沢駅-タクシー→羽前長崎駅→山形→仙台→盛岡(バス)

下中流域

下中流域は長くとっても美しいです。岩質は全山花崗岩で白い岩、エメラルドの水、新緑のように輝く木々の森の中にゴルジュ帯が続きます。夢の世界にいるようです。もうウットリ~!そして、水の美しさは格別です!白神と北アの上ノ廊下を足して2で割ったような雰囲気と言えばわかって貰えるでしょうか?

我々が行った時は、平水以下でしたので楽しく突破できる程度のレベルでした。それなりの泳力と徒渉力は必要です。今回のメンバーは全員泳ぎが達者でした)。しかし、あと水位が数十センチ高ければ、それなりに苦労していたかも知れません。爪先立ちでどうにか突破できた廊下帯もありましたので…。

中流域(岩屋沢出合)まではビバーク適地が随所にあります。高巻くといずれもかなりのアルバイトを強いられるので積極的に泳いで水線突破をした方が時間の節約が出来る上、楽しめるかと思います。万が一流されても致命傷になる所があまり無かったのでガンガン思い切って行けました。中流部上のオツボ沢出合ゴルジュ帯までの難所の高巻きルートは、結構ハッキリしています。

中上流域

ここから深いゴルジュ、釜、滝、ナメ、瀞が随所に出てきて結構楽しませてくれます。泳ぎ、登攀(落ちてもドボンで済むので思い切って行きましょう!)が頻繁に出てきます。高巻きも踏み跡はほとんど無く、自分達でルートファインディングを要します。特に中俣沢以降は赤茶けた花崗岩の滝、ナメ、瀞が連続し湯檜曽本谷を思わせる雰囲気ですが、もっとスケールも大きく楽しいです。『おぉ~こりゃ~湯檜曽だぁ~』って思った程です。

『連瀑帯』は数個登ったものの、後はほとんど右から高巻きました。あの台風による大雨の濁流状態ではとても登れたものではありません!(平水なら3級程度の岩登りで、ほとんど直登できるらしいです)連瀑帯の高巻きは草付きが多く、いやらしいです。特に雨でグッショリ濡れていましたので、ブッシュ帯に入るとホットしました。プロテクションはあまり取れなかったので、真剣でした。

いわば草付き帯とブッシュ帯をつなぎ合わせるようにルートを延ばしていったわけです。全体的に極端に困難な所は有りませんでしたが、総合的な力が要求されると思います。特にルートファインディング力。ビバーク適地は、コマス沢出合を過ぎるとあまり適所は無かったように思います。

感想

雨の中でも『美しい!』と思ったほど『アルプスの少女ハイジ』になれます。草原のお花畑の中をツメあがるのは、雨の中でも楽しかったです。台風を忘れさせてくれるオアシスでした。『平ケ岳の沢のようなツメ』と考えていただければわかるでしょうか?とても変化に富んだ楽しい沢でした。下流、中流、上流域と変化に富み、1粒で3度美味しい沢でした。

Yちゃんが『俺のアパートより綺麗で立派だ!』と絶句していたほど、快適でした。トイレは小屋の中にあり、しかも水洗トイレ。水場は歩いて10歩。最近改築したのだろうか?とても新品でした。床や壁なんかピッカピッカでしたよ!何日でも居たくなるような所です!参考までに…。以上

※八久和川の増水の速さと凄さは、想像を絶するものでした。今後入渓される方は、くれぐれも天候の判断には細心の注意を払う必要があります!これ程までに増水の激しい沢は、あまり類を見ません。過去300本以上入渓している私の経験でもビックリさせられました!増水の凄さは過去の入渓者(私の山仲間)から聞いていたのすが…。
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