胎内川 楢ノ木沢鴨沢

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胎内川、楢ノ木沢鴨沢 1

5日(金)の午後2時に盛岡を出発して19時半着! 5時30分もかかりやっと奥胎内ヒュッテへ到着♪ 飯豊は遠いですなぁ~!

お寿司とおでんで前夜祭?を行い明日からの 遡行に備える私。今回も単独遡行です。 これは平成17年度にリニューアルオープンした 「奥胎内ヒュッテ」で~す!

2007年10月6日撮影

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翌朝、いよいよ沢へ向けて出発!まずは 奥胎内ヒュッテのキャンプ場の中を通り胎内川 の本流に降りる石の階段を降ります。

胎内川を徒渉し、黒石沢右岸の尾根に 取りつき、通称「アゲマイノカッチ」経由 (山越え)で楢ノ木沢へ降り立つ。ちなみに胎内川本流は、奥胎内ダムの 建設中の為、通行止めのようでした。

2007年10月7日撮影

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これがアゲマイノカッチの山越えの尾根です。 奥胎内ヒュッテの直ぐ裏手にある尾根です。 踏み跡は登山道並みにシッカリしていました。 ただ上部はかなりの急傾斜です。 登ること約40分でアゲマイノカッチ山頂部へ 到着しました。

2007年10月6日撮影

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これがアゲマイノカッチの道です。 ブナ林がとても奇麗でしたよ♪ 登りはシッカリとした踏み跡があったのですが 下りは、踏み跡不明瞭で、ついには わからなくなり、適当に降りちゃいました。

凄い急登(激下り)で転げ落ちるように 下ること約30分で楢ノ木沢へ降り立ちました。

2007年10月6日撮影

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ふぅ~!楢ノ木沢へ降り立ちましたぁ~! やっと遡行が出来るぞ~♪しか~し、 水が冷たいのなんのってぇ~!

最初に出てきた小滝…。水に浸かるのが嫌で 滝の左壁を直登しようと…そしたらズルッ! 釜に落ち、全身びしょ濡れ状態に! これで開き直り、ガンガン水線通しに遡行!

2007年10月6日撮影

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秋ということもあって、沢床や滝が非常に ヌメっていて、怖いくらいに滑りました。 上の写真の小滝もコケのヌメリで 滑ってしまったのです。それだけでなく 沢床の岩も滑るのなんのってぇ~!

何度か転び、それ以降、かなり慎重に足の 置き場を考えながら遡行しました。 この沢は、ゴルジュ(側壁)がとても発達していて まるで井戸の底を遡行しているような感じでした。 側壁が立っているため、高巻きはかなり重労働に なるため、出来るだけ水線通しに遡行しました。

2007年10月6日撮影

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腰や胸まで浸かりながら歩くこと数知れず…。 おぉぉ~冷た~い!そのはず、今は10月 ですもねぇ~!上下雨具に身を固め、 前進、前進!

2007年10月6日撮影

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今回は中村成勝著の『沢登り』を 参考にしました。その遡行図の 堂沢手前の出口に2M滝をもった ゴルジュだと思われます。

ここは泳げば突破できそうでしたが、 さすがに泳ぐ気になれず、左岸より 高巻きました。人気の高い沢のせいか 踏み跡はバッチリついていました!

2007年10月6日撮影

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上の写真を高巻いて出口の2m滝上から 下流部を撮影したものです。 まるで水路のようでした。

2007年10月6日撮影

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この沢、夏の暑い時期なら泳ぎを交えてほぼ 全て水線通しに突破できると思いました。

滝も大きなものはなく、小滝が多く、しかも 難しくもなく易し過ぎるわけでもなく、 楽しく突破できるレベルでしたし…。 夏向けの沢です。しかし、今は秋!

2007年10月6日撮影

胎内川、楢ノ木沢鴨沢 11

これが堂沢との出合(水量比1:1)です。 堂沢へ10Mほど入ったところの右岸側に テントサイトがありました。しかし、ゴミで 汚れていました。

本当はこの堂沢の方を 遡行したかったのですが、今回は単独でしたし より容易な鴨沢へ入りました。堂沢は 登攀的要素も強く、面白い沢のようです。

2007年10月6日撮影

胎内川、楢ノ木沢鴨沢 12

鴨沢へ入ってもゴルジュが続きま~す! しかし、沢床は平凡なゴーロや小滝が多く 安心なのですが、こんなところに直登不能な 滝が出てきたら高巻きがシンドそうです。

2007年10月6日撮影

胎内川、楢ノ木沢鴨沢 13

と思っていたら…深い釜をもった小滝が… さらにその奥にもテロテロの滝が…。 下の滝は3Mほどでしょうか?ここは容易。 奥に見える滝は、下に続く…。

2007年10月6日撮影

胎内川、楢ノ木沢鴨沢 14

これが上の写真の奥に見える滝です。 胸まで水に浸かり滝に取り付き 右壁を直登しました。一見テロテロで 登れないように見えますが、 細かいホールドを利用して登れました。

2007年10月6日撮影

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小滝が連続して楽し~い♪ 胸まで浸かって直登したりヘツったり。

2007年10月6日撮影

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暗い雰囲気のゴルジュが… 胸まで水に浸かりながらどんどん進むと あれぇ~まぁ~!下の写真に続く…

2007年10月6日撮影

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うわぁぁぁ~!プールのよう!完全な 泳ぎだなぁ~!泳げば突破できそうでしたが さすがに水が冷たく泳ぐ気になれず…。 ここは左岸より小さく高巻きました(容易)。

2007年10月6日撮影

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これは上の写真の小滝上から 撮影した滝下のお釜で~す!

2007年10月6日撮影

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その後、明るいゴルジュが続きま~す!

2007年10月6日撮影

胎内川、楢ノ木沢鴨沢 20

ここは右岸から回り込むように登ったような…?

2007年10月6日撮影

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ふぅ~!やっとゴルジュ地帯を抜け、 開けたゴーロへ♪心も解放されたような! ここは標高500M付近だったと思います。

515M付近の左岸側に素敵なテントサイトが ありました。テントを張るにはまだ時間が早く、 先を進みました。

2007年10月6日撮影

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ここは左岸をヘツリで超えました。 それにしてもここら辺の渓相が穏やかで 癒されました。とても美しいところです♪

2007年10月6日撮影

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ところどころナメも…♪

2007年10月6日撮影

胎内川、楢ノ木沢鴨沢 24

540M左岸枝沢付近にて。

2007年10月6日撮影

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標高580M付近で、ちょっとしたゴルジュ状に なり、小滝が連続し楽しくなってきます♪ ここは結構深~い!右岸をヘツリで超えました。

2007年10月6日撮影

胎内川、楢ノ木沢鴨沢 26

さらにこの小滝…。 ここは右から深い釜に入り 胸まで浸かりながら滝の右側を登りました。

2007年10月6日撮影

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上の写真の小滝の上から下流部を 撮影したものです。

2007年10月6日撮影

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ここの釜はかなり深~い! 泳げば容易に突破できそうでしたが、 水が冷たく勘弁…。 よって、ここは高巻き!

2007年10月6日撮影

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上の写真の深い釜をもった滝を高巻き 沢床へ降りようとしたたら、ちゃんと 残置シュリンゲがありました♪ 使わせていただきました。 人気のほどが伺えます。

2007年10月6日撮影

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その次に出てきた滝です。 ここは腰上まで水に浸かり右壁の バンドを利用し、トラバース。水線中間部から そのまま直登し滝上へ!容易

2007年10月6日撮影

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写真右下に見える水しぶきが640Mの 枝沢です。その枝沢の先には…。 凄いぞ、両岸迫ったこのゴルジュ! この沢の最狭部だと思われます。

深い釜に3Mのナメ滝、その奥には 2段8Mの滝がチラリと見えます。 腰上まで水に浸かりシャワーを被りながら 3Mナメ滝を登るが容易です。

2007年10月6日撮影

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上の写真の3Mナメ滝上から下流部 を望んだものです。結構水、被りました。

2007年10月6日撮影

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その3Mナメ滝の上には2段8M滝が…。 一見容易そうに見えますが、ヌメリが ひどく滑るのなんのってぇ~! ここは下段は左から上段は右から 慎重に登りました。

2007年10月6日撮影

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上の写真、2段8M滝上から下流部を 望んだものです。 最狭部は幅3~4Mくらいでしょうか。

2007年10月6日撮影

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ふぅ~!このゴルジュを超えると沢も開け ゴーロ状になります。あとは天場を探しながら 遡行しました。

690M左岸枝沢は大きな支流で 水量比3:2位だったでしょうか。 そこを過ぎ、結局725M付近を天場と致しました。 巨岩をどかし整地すること約40分!

2007年10月6日撮影

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それでも時間は13時30分。 胎内ヒュッテから歩くこと、この日の行動時間は 約7時間。上流部を偵察に行きました。

問題は、標高800Mの二俣で本流の 左俣へ入るか、遡行図通り右俣へ入るか? その見極めをしたかったのです。これは右俣の865M付近、2段10M滝にて。 ここまで偵察し、天場に戻りました。

2007年10月6日撮影

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本流の左俣は、上部で枝沢が細かく入り 混んでいて、ルートファンディングが 面倒そうだし、右俣の方がツメが楽そう! てなことで結局右俣を遡行することに決定!

偵察後、天場に戻りホッと一安心♪ やっとお酒が飲めるぞぉ~♪

2007年10月6日撮影

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せっせと薪を集め、焚き火をしました♪ 流木が少なく、集めるのに苦労しました。

2007年10月6日撮影

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だんだん日も暮れて参りました。 でも、奇麗だなぁ~♪ お酒を飲みながらマッタリモード♪

2007年10月6日撮影

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夜に近付いてくると冷え込みも厳しくなり 焚き火のありがたさを感じます。 とても寒かったので、フリースを着こみ さらに上下雨具を着ました。 これは私の足で~す!

2007年10月6日撮影

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腹へったぁぁぁ~! 晩飯の支度をしま~す♪

2007年10月6日撮影

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今日の晩飯はコレ! これ美味しんですよぉ~! 私のお気に入りで~す♪ 大きな牛タンがゴロゴロ入っています。但し… お値段はボンカレーが三つも買えちゃいます。

2007年10月6日撮影

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は~い、出来上が~り♪ いっただきま~す! 単独ですと、夜が暇でやることな~い! 8時半頃にはとっとと寝ることにしました。

夜中1時頃目が覚め、それから朝が来るまで 長いこと、長いこと…。寒さに震えていました。

2007年10月6日撮影

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そして、翌日…今日も快晴♪ 6時30分に出発!ここは標高800Mの 二俣で~す!遡行図通り右俣へ 入りました。水量比は2:1でしょうか。

2007年10月7日撮影

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右俣へ入りちょっと進むと4M滝が…。 ここは直登出来ます。

2007年10月7日撮影

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その次に出てきた2段10M滝です。 昨日はここまで偵察に来ました。

上の写真No.36と同じです。 直登出来そうでしたが、シャワーを被るのを 嫌い、ここは右岸より高巻きました。

2007年10月7日撮影

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遡行中、ふと後ろを振り返ると…。 わぁぁぁ~!朝陽がキレ~イ♪ 山の朝って、清々しくって好きなんです! ちょっと寒いけど…。

2007年10月7日撮影

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ここは10,50M付近のプチ連瀑帯です。 傾斜が強く小滝が連続しま~す。快適に直登出来ますが、失敗は許されない ところです。

コケるとどこまで落ちることやら…。 右俣は全体的に傾斜が強く、グイグイと 一気に高度を稼ぎます。顕著な枝沢もなく ルートファインディグには困りませんでした。

2007年10月7日撮影

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最後のツメは、ほとんどヤブを漕ぐこともなく 三光山の登山道(廃道)にポンと出ました♪

天場から登山道まで約2時間でした。 廃道とはいうものの、踏み跡はシッカリしていて、 歩行上、特に問題ありませんでした。 急傾斜のところには、ロープもありましたし…。

2007年10月7日撮影

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あとはせっせと縦走し、胎内ヒュッテへ 下山するだけです。稜線に出てからは 気が抜けたのか?結構シンドかったです。

この日もお天気に恵まれ、 展望を楽しみながら縦走出来ました♪

2007年10月7日撮影

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黒石山から日本海が見えましたよぉ~♪ 山から海を見るって、ちょっと感動しますよね!

2007年10月7日撮影

胎内川、楢ノ木沢鴨沢 52

歩いてきた縦走路を振り返ります。 紅葉が始まっていました。

2007年10月7日撮影

胎内川、楢ノ木沢鴨沢 53

おぉぉ~!胎内ヒュッテが見えたぞぉ~! 写真下中央の赤い屋根がそうです。 また写真右上には現在建設中の胎内ダムが 見えます。平成25年に完成予定とか…。

2007年10月7日撮影

胎内川、楢ノ木沢鴨沢 54

下山口の胎内第一ダムです。 あとは車道を歩き胎内ヒュッテへ…。

2007年10月7日撮影

胎内川、楢ノ木沢鴨沢 55

ツメ上げた三光山から黒石山~ナリバ峰~ 胎内第一ダム~奥胎内ヒュッテまで、 約3時間もかかりました。 あとは一路盛岡を目指して帰りました。

飯豊は遠かったぁ~!今度は夏に入りた~い! 水が冷たく、秋(10月)に入る沢じゃないなぁ~! って感じでしたが、楽しかったですよ♪ 何はともあれ、めでたし、めでたし♪

2007年10月7日撮影
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