掘内沢 マンダノ沢 上天狗沢

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和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 1

マタギの渓として知られ、原始の魅力溢れる マンダノ沢へ行って参りました。草原の美しい 羽後朝日岳に突き上げる沢で、最近入渓者も 増えたようです。

掘内沢流域は、これまで 下天狗沢は3回、八瀧沢1回、シャチアシ沢1回 てなことで今度が6度目で上天狗沢へ初挑戦♪ しかも、和賀の沢を単独遡行するのは初めて! 写真は、出発地の夏瀬温泉の吊り橋にて。 夏瀬温泉、7時40分出発!

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 2

上の写真の吊り橋から見た玉川で~す♪ お天気もGOODで~す♪

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 3

吊り橋を渡り登山道をちょい歩き林道へ。 その林道を進むとやがて林道分岐があり T字路になっています。 堀内沢へ行くには右の林道を進みます。

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 4

堀内沢の取水口にて。 林道の終点です。ここより入渓します。 夏瀬温泉より30分ちょいで到着!

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 5

いよいよ入渓開始♪水量は平水状態か。 この沢、増水すると結構大変なんですよ~! (経験者は語る)。

秋特有のヌメリが出始めていて、 岩が滑るのなんのってぇ~! 足の置き場を慎重にしないと…。 今回は単独ゆえ、捻挫すら許されません。 ゆっくりと慎重に遡行することにしました。

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 6

結構豪快な渓ですよ~♪ 入渓者が増えたせいか?年々巻き道の 踏み跡がはっきりしてきたように感じました。 ここは、いつも水線右側を突破しています

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 7

この水の美しさと透明度、見て下さいよ~♪ 厳しい滝の登攀や、長い泳ぎでの突破はない けれど、澄んだ水、手付かずの原生林など、 原始性が色濃く残る貴重な渓だと思います。

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 8

東北でも有数なブナ林の中を滔々と 流れる堀内沢は、原始の姿を残していて 後世に引き継いでいきたい沢です。

私は6度目の遡行ですが、何度入渓しても 飽きない素敵な渓だと思います。

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 9

水の透明度が高く、浅いかな?と思って 徒渉しようとすると、結構深かったりで…。 釣り師の入渓も多く、淵や小滝の 巻道は、結構シッカリしています。

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 10

ただでさえ綺麗な清流が、日差しを 浴びて輝く様は、まさに夢の世界♪

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 11

このスラブの枝沢まで来れば、 マンダノ沢の出合までもうちょっと~! マンダノ沢まではゴーロが長いのですが、 それでも変化に富んで飽きさせませんよ~♪

標高が低い沢のせいか?水の冷たさを あまり感じませんでした。9月なのにね…。

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 12

ここがマンダノ沢と八瀧沢の二俣出合に ある絶好の天場です(標高400M付近)。

過去何度かお世話になった場所ですが、 明日の行動を考えると先に進まねば…。

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 13

ナメが美し~い!ウットリでしたぁ~♪ まさに「癒し系」の渓です。

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 14

ブナの原生林の森の中、清流と苔と… とても風流で、まるで「わびさび」の世界♪ 昔風に言えば、「いとおかし…」かな? 和賀山塊の渓ならでは魅力です♪

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 15

マンダノ沢へ入ると、傾斜も強まり、苔むした 巨岩が累積する中、瀑布が降り注ぎます。 この「巨岩滝」を越えるが結構な重労働…。

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 16

二条15M滝にて釣り師と遭遇! 写真左中央に小さく見えます。 釣果はまずまずのようでしたよ♪ このお方と、しばし快談しました。

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 17

上の写真の二条15M滝に近づく。 この滝は、巨岩の脇(洞窟状)から登れますが、 今回は単独なので、右岸より高巻きました。

高巻きと言っても数歩がいやらしく、 高度感タップリ!ザイルが欲しいところです。 が、今回は単独ゆえフリーで越えました。

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 18

急傾斜の巨岩を登っていくと、出口に滝が~! 見事で豪快な滝でしたよ~♪ ここは左岸より高巻きました。 水が織りなす饗宴は、まさに絶景♪

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 19

まだまだ巨岩帯が続きま~す! 今回のマンダノ沢山行計画では… 今月の5連休の沢へ向けて体力トレーニング! てなワケで、わざと荷物を重くしました。

遡行中に思ったこと…。「荷物を重くする んじゃなかったぁ~!」って、後悔ですよ…。

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 20

ここは2段の滝で15~20M位ありました。 一段目は左岸より小さく高巻き、上段は 右岸テラスより登り落ち口へ至りました。

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 21

上の写真の滝の2段目です。 一段目上より撮影。 落ち口に沿ってバンドが走って いるのがわかります(容易)。

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 22

うん、うん、この地形が出てくれば 蛇体淵までもうちょっとだぞ~♪

平水であれば膝下以下の水量なのですが、2004年9月、東京のW山岳会の皆さん(計6名) をご案内した際は、大増水で腹まで浸かって お助けヒモと背中を押しあって突破した所。 あぁ~!懐かしいなぁ~!

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 23

そこを超すと、一気に沢が開け穏やかに なります♪この激変には驚くかも~♪

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 24

やがて直ぐに蛇体淵に到着します。 マンダノ沢の象徴、神秘的な淵です。 場所は、標高760Mの魚止め沢出合の5M先。

昔、岩魚が入れ食い状態の淵だった ようですが、今はもう期待できない…。 ここの直登は無理で、左岸のハッキリした 巻き道を利用し、滝上に出ます。

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 25

時間はまだ2時50分!幕営するのは早い。 本当は標高860Mの上天狗沢と下天狗沢の 出合まで行って幕営予定でしたが…。

なんと大量の薪を発見♪ラッキー! 今日はここ(蛇体淵)に泊まろう♪ そりゃもう最高の天場ですよ~♪

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 26

訪れた誰もが絶賛するマンダノ沢の蛇体淵! ここで一夜を過ごしたい!って方も多いとか。 さっそく焚き火だ、焚き火だぁ~♪

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 27

この蛇体淵のテントサイトは、沢でありながら、 まるでキャンプサイトのような素晴らしい幕営地で、ロケーション最高(目の前には蛇体淵が)!

広々として、明るくこれほどまでに 満足のいく沢のテント場を私は知らない…。

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 28

この時間が止まったような静寂な空間の中、 一人焚き火を囲み酔いどれる私…。 何という至福なひと時か♪ 仲間と行く沢も楽しいけど、一人旅もまた楽し♪

2009年9月5日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 29

遡行二日目、5時30分出発! 本日の行動は長くなりそう…頑張るぞ~♪ 見慣れた光景、ここは左岸より突破できたな! と記憶が蘇ってきました。

結構ヌメヌメ状態…。 朝からドボンは避けたい…慎重に~!

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 30

相変わらず綺麗だなぁ~♪ 思いの外、水は冷たくありませんでした。 昨夜も寒くなく、熟睡でましたので 体がとっても軽~い♪

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 31

幕営地から快調なペースで遡行すること30分、 上天狗沢と下天狗沢の二俣(860M)に到着♪ 幕営するなら、ここが最後の幕営適地です。

下天狗沢へは過去3回入渓していますが、 今回は上天狗沢(左の沢)へ入りま~す! ここから先は未知の世界、ワクワク♪

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 32

その上天狗沢の出合直ぐには8Mの滝が♪ 遠目では登れないように見えますが、近づいて ルート観察すると右壁より登れるかも~!

結構ヌメッていて慎重に登るものの、 細かいホールドに全体重をかけて立ちこんだ時 ズルッ!と滑る私…。これには焦りました。 幸い手はガバを掴んでいたので、 無事に登り切ることが出来ました。ホッ♪

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 33

そこから先は、ナメとナメ滝のオンパレード♪ 今までは、上天狗沢はヤブ漕ぎが あると聞いていたので、敬遠していた私…。

この美しさのためなら、ヤブを漕いでも お釣りがくるくらいです♪

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 34

歩けど歩けど、ナメ、そしてナメ…。 心癒されるところです。

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 35

さらにナメ~♪

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 36

これもナメ~♪ 登攀的な下天狗沢とは対照的です。 同じ沢なのに、この違いには驚かされました。

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 37

ナメが終わると、小滝が連続します。 10Mほどの立派な滝が~♪

水線の右から登れそうに見えましたが、 単独ゆえ、ここは無理をせず左岸より 小さく高巻くことにしました(容易)。

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 38

多くの小滝は、快適に直登出来ます♪ 登れる滝と登れない滝、ハッキリしていました。 登れない滝の高巻きも容易でした。

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 39

ここは登れそうになく、右岸より小さく 高巻きました(踏み跡明瞭、容易)。

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 40

ここも楽しく登れる小滝ですが、 ヌメリがひどく滑るのなんのってぇ~!

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 41

小滝と小滝の間には、このような ナメ床が点在します。 やがて、どんどん沢が細くなり 源頭の雰囲気に…。

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 42

1,180M付近で水が涸れ、沢窪をツメます。 その沢窪も1,260付近で消失し そこからはヤブ漕ぎとなりました。 せっせとヤブを漕ぐこと30分…

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 43

つ、つ、ついに出たぁぁぁ~! 山頂直下の草原地帯で~す♪ 深いヤブから一気に草原ですよ~♪

この開放感、たまら~ん! 9月だというのに、まだお花が ちょっとだけ咲いていました♪

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 44

気持ちのいい草原を羽後朝日岳の 山頂目指して登って行きま~す! 左奥の雲にかかっている山は和賀岳です。

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 45

9時15分、山頂に到着♪この羽後朝日岳… 登山道はなく、広大な和賀山塊の中にあって 最も原始性に富んでいる山だと思います。

実は私、この羽後朝日岳への登頂は6回目。 それほどまでに何度登っても素敵な山♪

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 46

マンダノ沢・下天狗沢より3回、生保内川より1回 積雪期(3月)に1回、そして今回は上天狗沢 からの登頂となり、6度目となりました。

苦労した者だけが味わえる達成感と山頂の 素晴らしさ!何度経験しても感動しますね♪ 今回の下降ルート、部名垂沢への稜線を望む。

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 47

360度の大展望♪感動モンですよ~! 田沢湖もバッチリと見えましたよ~♪ 一番奥に見える山が白岩岳です。

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 48

朝日岳の山頂より部名垂沢への下降点までは このような顕著な踏み跡があります。

迷いやすいところにはピンクテープ有り。 部名垂沢は朝日岳に至る一番容易な ルート。しかし、そこは沢…誰もが 容易に行けるところではありません。

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 49

後ろを振り返り、朝日岳を望む。 朝日岳よ、さようなら~♪

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 50

右写真の丸印が部名垂沢の下降点です。 ここ最近、入渓者も増えたと聞きます

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 51

部名垂沢の下降点には、これでもかぁ~! ってくらいに目印のテープがありました。 ここからは超激下りとなります。 下るのも大変だったのに、登る人って凄いかも?

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 52

その下降点より右奥に田沢湖、 真ん中上に夏瀬ダムを望む。 下の沢の切れ込みが部名垂沢です。

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 53

部名垂沢をどんどん下って行きま~す! 滝や深い淵などにはシッカリとした巻道や FIXロープ、赤テープなどがあります。

ふぅぅ~!ここで一本(休憩)♪ 下の黒い物体は、私のザック(20年愛用)です。

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 54

この堰堤から先は、左岸に歩きやすい 道がず~っと続いています。

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 55

こんな感じの道で~す! いくつも堰堤が出てくるのですが、 堰堤の管理用の道かな?

ず~っとこの道をたどると草原の広場(たっくさん のマーカーあり)に出て、突然道が無くなります。 「あれ?続きの道はどこに?」と…。

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 56

その道が消えたところより川方向へ進むと このような残骸が…。

右岸に顕著な踏み跡 があり、辿ること1分で部名垂林道に出ます。 2万5千図通り標高340M付近です。

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 57

これが部名垂(へなたれ)林道です。 下る一方なので、楽でした。

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 58

その部名垂林道を下ること約25分で 新奥の細道、夏瀬林道の分岐に出ます。 さらにその分岐から夏瀬温泉 まで約4K(約1時間)の林道歩き!

車2台で行って、部名垂林道終点に車を デポすれば、この1時間半の林道歩きを 短縮出来ると思います。

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 59

ふぅ~!戻ってきましたぁ~! 昨日渡った吊り橋から玉川本流を望む。

2009年9月6日撮影

和賀山塊 マンダノ沢・上天狗沢 60

夏瀬温泉に到着で~す♪ この温泉の日帰り入浴は15時まで! 何とか間に合いましたよぉ~♪ ホントいい湯でしたぁ~♪(500円) めでたし、めでたし♪

2009年9月6日撮影
<2009年9月5日(土)>
行動時間 7時間10分(休憩時間含む)

夏瀬温泉(7時40分)~林道終点・取水口(8時10分)~堀内沢~シャチアシ沢出合(10時30分)~ マンダノ沢出合(11時40分)~二条15M滝(12時20分)~蛇体淵(14時50分)幕営▲

<9月6日(日)>
行動時間 9時間(休憩時間含む)

蛇体淵(5時30分)~下天狗沢出合(6時)~上天狗沢遡行~930M枝沢出合(6時40分)~ 水涸れる1,180M付近(8時15分)~朝日岳山頂(9時15分)~部名垂沢下降点(10時)~ 部名垂林道(13時)~夏瀬温泉(14時30分)
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