★ 著者紹介
1964年12月21日、栃木県宇都宮市生まれ。栃木県立宇都宮商業高校卒。サトーカメラ株式会社常務取締役営業本部長兼日本販売促進研究所代表取締役を務める。1988年12月、カメラ量販店を従業員ゼロから兄と2人でスタート。栃木県内で一眼レフカメラ販売シェア70%を始め、コンパクトカメラ販売シェア55%、ビデオカメラ販売シェア45%、デジタルカメラ販売シェア35%等、他の追随を許さない業界初超圧倒的地域一番店を確立。平均年齢24歳の個性豊かな若手社員130名を引っ張り、ゼロからのスタートから約14年で年商50億円規模に育て上げる。カメラ売り上げ5年連続北関東甲信越ナンバー1を達成。2000年5月、日本販売促進研究所設立。しかも、社員は本人と経理1人(妻)のみで年商1億円突破。モットーは「いかにお金を掛けないで売り上げ利益をUPさせるか!しかも仕事は楽しくオモシロく!」現在、(株)船井総合研究所とタッグを組み、日本全国にて、ありとあらゆる業種を対象に「日本一のチラシセミナー」等、講演にてパワフルに活躍中 !
★ 掲載の本

【日本一のチラシはこうつくれ!】 文芸社

★ 本の概要
独自のチラシ販売法で大きく売り上げを伸ばした“販促の達人”が「売り上げを伸ばし、会社を変える」究極のチラシ販促法を本書で初公開。小売業のほか、飲食業やサービス業などでも応用できる深遠な販売促進哲学です。

『今の世の中、小細工は効きませんから、本音で本当のチラシを書いていくしかないのです。大手企業の真似をして中小企業は失敗してきたのです。中小企業だからこそ、もっと独自色、地域色を出して自分のやりたいように本音でやればいいのです。お客様の立場に立ち、業界の常識を打破するチャレンジをして下さい!』と、佐藤氏が本書で述べているように、今の厳しい時代、「どうしたら売り上げを伸ばすことが出来るか!」が書かれています。中小店舗(企業)が大型店舗(企業)にどうやって勝つか、が自己の体験を通じて強烈な説得力を持って書かれている「チラシ哲学」です。悩み苦しむ中小企業の経営者には、ぜひ読んでいただきたい名著だと思っています。

★ 本の要点  日本一のチラシはこうつくれ!

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はじめに
「なぜ日本一のチラシ」と言い切れるかと言えば、「日本一の思いをチラシに表現し切っているからである」 私がこの本を通してみなさんにお話したいことは、「お客様を呼ぶだけのチラシ」、「当たるだけのチラシ」、そんな間抜けな作成法ではありません。確実に売り上げを上げて利益を出して地域一番店になるための、特に中小零細個人企業のための「売れるチラシを作るための原理原則」といっていいものです。「たった一枚のチラシで、会社も社員もお客様も元気にすることが出来る。そして、売り上げが上がって利益も上げることが出来るのがチラシなんだ」ということに気づいていただければ幸いです。
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自分の会社、自分の店の得意な商品を発見せよ!
だいたい困っている会社や店というのは、どこの業界でも関係なく共通する点が一つあります。それは「自分の店は何屋なのか分かっていない」ということです。私が現場に出かけ、売り上げが上がらないという会社や店を見せてもらって、まず言葉にするのが「あなたの会社、この店は何屋さんなんですか?」ということです。そこで次に私は、「誰に何を売りたいのですか?何をしたいのですか?」と重ねて聞くのです。この質問にハッキリ答えられない人がほとんどなのです。中には「問屋さんに『この商品は若い人に人気があって売れるから』って言われたから置いてみたんだよ」と言って、自分の店とは何の関連性のない商品を置いてあるところもあります。このように売れていない店というのは、現場に特に何の戦略性もない場合が多いのです。「売れない、売れない」とあせることで、ただ問屋やメーカーが押し付ける商品を意味もなくお客様に売り込み、売れない店の悪循環の連鎖にはまり込んでいるのです。例えば「自分はカメラ屋なんだ」と分かっているつもりなのに、実際、店頭においてある商品は、問屋やメーカーのいいなりになって関連性のない商品が並んでいる店が多いのです。今の時代お客様は、何を売っているか分からない店に、何の目的も持たずに入らないのです。お客様はハッキリ目的を持って動いています。「人は、目的を持って行動している」ということを認識しないといけません。店そのものが何屋か分からない意味不明な店に、買う目的を持ったお客様が来るわけないのです。「分からないけど、メーカーが勧めるから置こうよ」そんな無責任なことをやっているからお客様が来なくなるのです。信念を持って売る商品を選ばなければいけないのです。誰に、何を売りたいのか」、商品をハッキリさせるのです。
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○○が得意な○○屋になろう!
自分の店、自分の会社の得意な商品は何か?その見分け方の一つとして良いのが、まず一般的に言われる「シェア(市場占有率)」というものです。とにかく、自分の地域での自分の扱っている商品のシェアを出しなさい!ということです。市場を小さく捉えてもよし、とにかくシェアを出すことであなたの店の「得意商品」を見つけるのです。ということは、自分の店ではこの地域でどの商品が一番売れているのか、「好き」ではなく「得意」なのかを分析するのです。この「得意」というのは、お客様が支持してくれているということです。これを見つけなさい!ということです。多くの小売店では、「得意商品」というものをおろそかにしている場合が多くあります。要するに「自分の店はこれが得意商品で、黙っていてもこれは売れるから、これはもういい。苦手な部分を伸ばさなければ・・・」という人が多いのです。わざわざ苦手な市場を何とかしようと考えるのです。苦手な商品を一生懸命伸ばそうとして、「得意商品は黙っていても売れるからいいよ」という判断をしてしまうのです。そうではなく、得意商品こそ伸ばしてやるのです。自分の店の得意商品を見つけることで、効率のいい集客方法が見えてくるはずです。
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シェアもでない場合は?最後は意気込み!
計算した時シェアそのものが微々たる数字しか出てこない場合があります。その時は得意商品を判断する上で、昨対比を用いて自分の会社の過去の実績と比べ、一番伸びている商品を判断しても良いでしょう。昨対比を出そうとしても去年のデータがない。何もない・・・。そんな場合には社長の、店長の意気込みでやるしかないのです。私の店の場合、そうだったのです。今は一眼レフカメラのシェアを県内で70%取っていますが、十年前はそれこそ0.1%以下だったのです。ましてやオープンしたばかりですから昨対比もない。一番大切なのは「自分はこの商品を絶対に売ってやる!」という意気込みなのかもしれません。得意商品を見つけようという時には、「現在、一般的にそんなに世の中で売れていないから・・・」というような議論は必要ないのです。
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◆得意商品は絶対遠慮するな!
業界・組合はお客様ではありません。とにかく、自分のところで「これを売りたい!」という商品を決めなさい。遠慮は禁物です。商品を買ってくれるのはお客様です。「他店に負けるので、できません」と、たわけたことを言う人もいますが、私は「心配ご無用」と言いたいのです。「自分の店の得意商品で、お客様に喜んでもらう」これさえ肝に銘じておけばいいのです。
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売れるキャッチコピーが会社の姿勢
得意商品を見つけるとどうなるかというと、目指すキャッチコピーが出来ます。これが会社の姿勢です。売りたいものが見つかれば、それに対するキャッチコピーが出来ます。商品が絞り込まれていないと、キャッチコピーもボケます。「得意商品」を「一番商品」へと進化させるのです。売れるチラシを作るためには、まず自分の店、自分の会社は、この得意商品でこのエリアの中のなんらかの一番を目指しているという宣言をします。

例1:とにかくパパやママに使いやすいと人気のビデオカメラをサトーカメラは圧倒的な品揃えで栃木一番店を目指す!
例2:サトーカメラはソニーデジダルハンディカムだけを栃木一番の安さにチャレンジ!

このように得意商品を細かく小さく捉えることによって、ソニーのビデオカメラが欲しいと思っている人は、このキャッチコピーを見て「行ってみようかな」、という気持ちになります。得意商品を絞り込んで、「自分はこれを一番にしたいんだ」、「ソニーのビデオカメラを一番商品にしたいんだ!」と思ったらそれ訴えるのです。まずお客様に、自分の会社、自分の店の姿勢を見せることが大切なのです。
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「得意商品」、ただその一点だけを徹底的に売ろう!
私のような小さな店では、商品を絞り込んで専門特化することで、一点だけに集中特化させます。そうすることで得意商品をお客様に印象づけるのです。資本力のない私たち中小企業が大型店という化け物に立ち向かうには、「専門特化」するという手段が戦略となります。分かりやすく言うと「うちはうなぎ屋です。だから、うなぎしかありません」、「うちはラーメン屋です。だから、ラーメンしかありません」ということです。そういったところが繁盛するのです。昔あった大衆食堂の多くは潰れています。このことでも「何でもあるから良いのではない」ということが分かるのではないでしょうか。お客様は目的を持って動いているわけですから、ラーメンを食べたい人はラーメン屋に行きます。確かに、一時期、何でも揃う商法がブームになったことがありました。しかし、今のお客様は目的を持って行動しています。重要なので繰り返します。「専門特化する得意商品、ただそれだけを徹底的に売り続けなさい!」
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市場を掘り下げろ!
チラシを五万部まいて、三割の市場を取った。では十万部にして広地域でもっとシェアをとろうとします。ところが、私の考えは、違います。ここは徹底的にこの地域でグーッと掘り下げていくことで七割、八割、九割を取っていく。それが一番金がかからなくて、一番強いと思っています。今の大型チェーン店は、市場シェア10%くらいを取ったらまた次から、次へと。だから地域別に見るとその地域では、二番店、三番店です。そうではなく、小さくても強い会社にする、一店舗、一店舗を強くするというのは、その地域で徹底的に掘り下げていき、会社は小さくても強い一番店にするのです。私はよく「この地域から出るな!」と言います。「この地域で良い。この地域で徹底的に100%のシェアを目指していけ!」と言うのです。この地域で市場を深め、掘り下げる。それも徹底的に・・・。どうせお金をかけるならひとつのエリアで勝負するのです。八割の市場を取ればうわさを聞いて隣町、隣の県からお客様は勝手にやってくるのです。広く、浅くの経営方針は、大手チェーンが勝手にやっていればいいのです。中小小売はこのようなまねをしてはいけません。大手チェーンにやられてしまいます。

一番店になるとすぐにチラシをまく範囲を広げることを考えがちだが、そうではなく、元の市場にチラシをまく回数を増やした方が良い。それによって30%のシェアを40%、50%に伸ばすことを考えた方が良い。
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全てのお客様に伝わるなんて絶対ありえない
「チラシを作る時の極意」、これは人生の極意でもあると私は思っています。「みんなに受けようと思ってはダメ」というのは、私たちが生きていく上でも言えることなのです。「自分の会社、自分の店、自分が、全てのお客様に伝わることなんてありえない」ということをまず認識して欲しいのです。一つの例として、みんなに分かりやすいように作ったはずの一流メーカーの取扱説明書のことを考えてみましょう。すべての人に分かりやすく作ったはずの取扱説明書でさえ、すべての人に理解されてはいないはずです。まずチラシを作る上で、気をつけていただきたいことは、一流メーカーの優秀な人たちが作った取扱説明書でさえ「分からない」と言われているのですから、みんなに「分からなくて当然なのだ」ということです。「みんな」に理解されようと思うと、かえって言いたいことがボケますから、まず「誰に伝えるか」というポイントを明確にすることです。私たちは誰にターゲットを絞っているのでしょうか?誰に買っていただきたいのですか?三十代ファミリー層ですか?四十代ファミリー層ですか?シルバー層ですか?二十代独身男性ですか?女性ですか?
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伝えたい人に伝えればいいのです
「みんなに受けようとするチラシ」とはどういうものかというと、「商品に興味のない人にも見てもらおうとするチラシ」です。ところが、商品に興味のない人はたとえ見たとしても買いません。分かりやすく言うと、カメラなら「カメラが欲しい」と思っている人だけが見てくれればいいのですから、欲しくない人はターゲットから切り捨てるのです。ソニーのビデオカメラで一番になろうとしたら、ソニーのビデオカメラをピンからキリまで載せて、「私の店はこういうことをします」と宣言するのです。潔く対象外の客を手放した時、作るべきチラシの姿が見えてきます。そして、そのチラシに、あなたに共感したお客様だけが集まってくるのです。結局、伝えたい人だけに言えばいいのです。伝えたい人とは、私の場合なら「カメラが欲しい」と思っているお客様だけがこのチラシを見てくれればいいのです。私の経験上、デザイン会社、広告代理店もよく言うのです。「これじゃあ、カメラに興味のない人は見ませんよ」と。カメラに興味のない人は見なくて結構なのです。

「ソニーデジタルハンディーカムを一番売る店、サトーカメラ」と、ドーンとチラシに入れます。すると、ソニーのビデオカメラを欲しいと思っている人は、「一番売れる店」と書いてあったらとりあえず、どんなものか行ってみようかな?という気になるはずです。「そんなに売れるなら、何か違うのかな?」と思うのです。それが人間の心理です。あなたも何でもいいですからひとつの商品で地域一番を目指さなくてはいけないのです。私の店が一番初めにやったことは、「ソニーのハンディーカム」というふうにメーカーと機種を限定し、これを他店よりダントツに売ったのです。「栃木県でソニーのハンディーカムを一番売る店、サトーカメラ」とチラシ広告を打ったのです。こうすることで私の店には、初めて「栃木県で一番になった商品」ができたのです。そして、これが自信になるのです。「これを徹底的に売る」と決まっているのですから、社員も分かりやすいし、お客様にも分かりやすいのです。一つの商品を集中特化してそれだけを徹底的に売るのです。そうすると、すぐに地域で一番になります。商品を絞り込んで専門特化することでチラシ広告の反応は確実にあがってくるはずです。
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自分の店はこういうものだとお客様に知らしめる
今の世の中、小細工は効きませんから、本音の商売で本当のことをチラシに書いていくしかないのです。私の店は本音でお客様に訴えます。今まで私たちが間違っていたのは、大手企業のものまねの勉強ばかりしてきたことです。大手企業のものまねをして中小企業は失敗してきたのです。中小企業だからこそ、もっと独自色・地域色を出して自分のやりたいように本音でやればいいのです。ここに気がつかなくては「売れるチラシ」は作れないのです。その「会社、お店」、「お客様」、「得意商品」、「社員、店員」を串刺しでひとつにまとめられるのが「チラシ」なのです。

「成長する」ということは、チラシを出したら常に結果を知るために現場に行き、現場でお客様と接する。そして、社員と接するのです。次に売り上げ、要するに「数字」の突合せをします。このように現場のリアルな体感と数字をチラシと突き合わせて、「何がいけなかったのか」、「自分はもっと何がしたいのか」を分析するのです。チラシ全部を進化させるのは大変です。ですから、どこか一つでいいですから問題点を見つけて進化させていくのです。「強く継続させる」というのは要するに、毎回、面倒でもチラシを分析し、変更を加えていくことです。何がいけなかったのか反省して、それを変えて次のチラシを出していくのです。失敗するたびに反省をして、ひとつずつ改善していけば必ず成功します。
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当たるチラシと売れるチラシ
講演会や勉強会に来る人たちは、「当たるチラシ」というものを求めてくることが多くあります。「どんなイベントをやればお客様が来ますか?」、「どんな売出しをやればお客様は来るのですか?」お客様に「当たるチラシ」を作ることなどは簡単です。売れる商品に「一円」と値付けすれば、お客様は大行列です。また、お金をかけて○○マン・ショーなどのイベントをやれば、いくらでもお客様は来ます。「当たるチラシ」を作ることなど簡単なのです。あなたのお店、あなたの会社に必要なのは「当たるチラシ」ではなく、「売れるチラシ」なのです。あなたの会社の社員が一丸となって得意商品を売るためにこそ、チラシがあるということなのです。お客様が来てくれるということは、そのお客様は間違いなく得意商品に対して興味を持ったお客様なのです。イベントの楽しさでお客様を呼ぶのは、大手企業がやっていればいいことなのです。お客様を呼ぶためだけのチラシを打つのではありません。売り上げを上げて、利益を出して「地域一番店になるチラシ」を打つのです。
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最後に
あなたが、徹底的にあなたの会社を知り尽くし、そんなあなたがチラシを作ったなら、どんなコンサルタントにも負けない「売れるチラシ」ができるはずです。「得意商品を掘り下げる」のです。あなたのまわりには、まだまだこんこんと湧き出す水脈が必ずあるはずです。次に「売れるチラシ」を作るのは、あなたです。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。  2003年11月22日(土)
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